マレーシア国営放送

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マレーシア国営放送
Radio Televisyen Malaysia
形態 テレビジョン放送ラジオ放送
マレーシア
視聴可能 国内
所有者 マレーシア政府
代表者等 スハイミ・スレイマン会長
開局 1963年9月16日 (1963-09-16)
公式サイト www.rtm.gov.my

座標: 北緯3度6分40.0秒 東経101度40分13.9秒 / 北緯3.111111度 東経101.670528度 / 3.111111; 101.670528

RTM本部

マレーシア国営放送マレー語:Radio Televisyen Malaysia、略称:RTM)はマレーシアの国営テレビラジオ放送局クアラルンプールに本部を置く。現在の局名はマレー語でのラジオ・テレビジョン・マレーシアだが、日本ではマレーシア国営放送と慣用的に呼ばれることも多い[1]

概要[編集]

1946年4月1日に開局したラジオ・マラヤとしてマレーシア地域最初の放送局であり[2]、マレーシア建国後に現在の法人として1963年9月16日にラジオ・マレーシアとして設立 。1969年にテレビ放送が開始され、テレビとラジオ業務が合併し現在の局名となる[3]

テレビは1984年、ラジオは1989年にTV3Best FMなどの民放が設立されるまで、無料放送事業を独占的に提供していた。現在はテレビ6チャンネル、ラジオ34局、ネット放送RTMクリックを運営している[4]公社であるBBCとは違い、政府(通信デジタル省)の一部門である[5]。ニュースや報道番組は局内の報道部が制作している。1961年設立のマレーシア最古のオーケストラ、RTM交響楽団(Orkestra RTM)を所有している。

NHKとともに、アジア太平洋放送連合(ABU)の常任理事機関である[6][7]

放送[編集]

ラジオ[編集]

RTMは34のFM放送(全国6局、ローカル28局)を運営し「Radio RTM 」「Radio Malaysia」と総称されている。

全国放送[編集]

周波数 (FM) 言語
Nasional FM 88.5 MHz マレー語
TraXX FM 90.3 MHz 英語
Ai FM 89.3 MHz 中国語華語広東語福建語潮州語客家語
Minnal FM 92.3 MHz タミル語
Radio Klasik 87.7 MHz マレー語
Asyik FM 91.1 MHz マレー語アスリ諸語 (セマイ語ジャクン語テミアル語テムアン語)

テレビ[編集]

RTMはTV1、TV2、Okey、Berita RTM、Sukan RTM、TV6の地上波6波を運営している。マレー語と英語が主要言語だが、6波のうち3波は非マレー語国民や中華系、インド系国民向けに地元の言語などで放送している。TV1とTV2はコマーシャルを流すがそれ以外のチャンネルでは流していない。

チャンネル名 放送範囲 言語 内容 24時間放送
TV1 地上波衛星放送ネット配信 マレー語英語 ニュース、文化、娯楽、子ども向け番組 Yes
TV2 地上波、衛星放送、ネット配信 マレー語、英語、中国語華語)、タミル語ヒンディー語韓国語トルコ語 ニュース、文化、娯楽、子ども向け番組 Yes
TV Okey 地上波、衛星放送 マレー語、英語、中国語(華語)、タミル語、パンジャブ語バジャウ語ドゥスン語カザダン語イバン語 ニュース、文化、娯楽、子ども向け番組、教育 Yes
Berita RTM 地上波 マレー語、英語、中国語(華語)、タミル語、バジャウ語、ドゥスン語、カザダン語、イバン語 ニュース Yes
Sukan RTM 地上波 マレー語、英語 Sports Yes
TV6 地上波 マレー語 映画、娯楽、バラエティー番組、ドラマ No

デジタルプラットフォーム[編集]

OTTサービス(ネット配信)としてRTMクリック(RTM Klik)を提供中[8]PCタブレットスマートフォンなどのデバイス向けに配信している[9]。ウェブサイトではすべてのRTMの放送コンテンツや国会中継が提供されている[10]

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 総務省 (2022年). “世界情報通信事情・マレーシア”. 総務省. 2024年5月19日閲覧。
  2. ^ Amree Ahmad (2009年6月7日). “Kita bakal 'mabuk' TV” (マレー語). Kosmo!. 2009年6月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年9月10日閲覧。
  3. ^ Ifqdar Rahman (2016年3月31日). “Festival 70 tahun RTM”. Utusan Malaysia. オリジナルの2017年12月26日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20171226153214/https://www.utusan.com.my/hiburan/selebriti/festival-8232-70-tahun-rtm-1.207006 2016年4月1日閲覧。 
  4. ^ Elani Rosllan (2022年8月29日). “Sejarah panjang RTM untuk sumber maklumat rakyat Malaysia”. TVS. オリジナルの2023年12月16日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20231216085035/https://tvstv.my/2022/08/29/sejarah-panjang-rtm-untuk-sumber-maklumat-rakyat-malaysia/ 2022年12月16日閲覧。 
  5. ^ “Yoursay: Is RTM worth saving?”. Malaysiakini. (2018年5月30日). https://www.malaysiakini.com/news/427401 2018年12月19日閲覧。 
  6. ^ 日本放送協会放送文化調査研究所放送情報調査部『NHK年鑑'84』日本放送出版協会、1984年、364頁。 
  7. ^ 日本放送協会放送文化調査研究所放送情報調査部『NHK年鑑'85』日本放送出版協会、1985年、42頁。 
  8. ^ “Aplikasi RTM Mobile Dilancarkan – Siaran Radio Dan TV RTM Pada Peranti Mudah-Alih”. Amanz. (2012年4月18日). https://amanz.my/201227530/ 2020年12月16日閲覧。 
  9. ^ RTM tambah baik kandungan aplikasi RTM Klik”. Ministry of Communications and Digital (2022年10月13日). 2022年12月15日閲覧。
  10. ^ Jom Kenali Podcast RTM”. Omny.fm (2023年5月30日). 2023年12月15日閲覧。

外部リンク[編集]