フルーツカード

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フルーツカード
手作りのレモンカード
種類 スプレッド
フルコース デザート
主な材料 卵黄、砂糖、果汁、果皮(レモンライムオレンジラズベリー
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フルーツカード(fruit curd)は、レモン[1]ライム[2]オレンジ[3]タンジェリン[4]等の柑橘類から作られたデザートである。パッションフルーツ[5]マンゴー[6]ラズベリー[7]クランベリーブラックベリー[8]等を用いることもある。

概要[編集]

基本的な材料は、卵黄砂糖果汁果皮である。これらを一緒に煮詰め、その後冷やして、柔らかく滑らかなスプレッドを形成させる。卵白バターを加えるレシピもある[9]

19世紀末から20世紀初頭のイングランドでは、伝統的にアフタヌーンティーの際にパンやスコーンとともに、ジャムの代わりに家庭で作ったレモンカードを食べることがある。また、ケーキのフィリング、小さなペイストリータルト等にも使われる[10]。手作りのレモンカードはジャムほど保存ができないので、通常は少量ずつ作られていたが、近年では冷蔵庫を使うことによって、大量に作ることができるようになった。市販のカードには、しばしば保存料や増粘剤が添加される[11]

今日でもカードは、パン、スコーン、トーストワッフルクランペットパンケーキマフィン等に塗るスプレッドとして人気がある。デザートやヨーグルトの味付けにも用いられる。レモンカードとメレンゲから作るレモンメレンゲパイは、19世紀以来、イギリスとアメリカ合衆国で人気がある[10]

カードは、パイのフィリングやカスタードとは、果汁や果皮の割合が多く風味が強い点で異なる[12]。また、バターを含むカードは、増粘剤としてバターではなくコーンスターチや小麦粉を用いるパイのフィリングやカスタードよりも滑らかでクリーミーである。さらに、カスタードとは異なり、カードはそれ自体で食べるものではない。

画像ギャラリー[編集]

脚注[編集]

出典[編集]

  1. ^ Lemon curd”. BBC. 2015年1月8日閲覧。
  2. ^ Fresh lime curd”. BBC. 2015年1月8日閲覧。
  3. ^ Orange curd”. Time Inc.. 2015年1月8日閲覧。
  4. ^ Nectarine lime curd tart with a brown-sugar crust”. Gourmet Magazine (1998年6月). 2008年9月2日閲覧。
  5. ^ Passion-fruit meringue tart”. Gourmet Magazine (2005年6月). 2008年9月2日閲覧。
  6. ^ Mango curd”. Gourmet Magazine (1998年6月). 2008年9月2日閲覧。
  7. ^ Cake Talk: What the terms mean”. The Joy of Cooking. The Seattle Times (2005年6月29日). 2008年9月2日閲覧。
  8. ^ Nigella Lawson (2001-11-14). How to be a Domestic Goddess, Cranberry curd. Hyperion Books. p. 343. ISBN 0-7868-6797-3. http://www.recipezaar.com/176302 2008年9月2日閲覧。 
  9. ^ Gordon Ramsay (2007年6月20日). “Lemon and Poppy Seed Scones with Homemade Lemon Curd”. The Times 
  10. ^ a b Preparing and Preserving Lemon Curd – National Center for Home Food Preservation”. Smuckers. 2008年7月13日閲覧。
  11. ^ Lemon Curd: Nutrition Facts” (pdf). National Center for Home Food Preservation (2004年). 2008年7月13日閲覧。
  12. ^ John F. Mariani (1999). Encyclopedia of American Food and Drink. New York: Lebhar-Friedman. p. 182