シギダチョウの卵

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シギダチョウの卵は、チャールズ・ダーウィンの収集した鳥類の卵の一つ。シギダチョウ科の卵であり、ビーグル号航海中に入手した卵として現存する唯一の標本である。

ケンブリッジ大学附属動物学博物館でダーウィン生誕200年の2009年2月、長く収蔵品整理を手がけるボランティアのリズ・ウェットンは大きなひびの入った卵殻の標本に気づき、ダーウィンの名前を見つけた。これをきっかけに調査が進み、再発見に至る[1]

博物館のマイク・ブルック(鳥類学教授 Mike Brooke)の調査によると、標本は19世紀末に受贈した時から割れており、同学アルフレッド・ニュートン教授(Alfred Newton 1829年–1907年)がいきさつを手帳に残しているという。この標本を友人のダーウィンの子息から受け取った記録として、いわく「卵1点受贈、寄贈者フランク・ダーウィン[注釈 1]。父上から種類はシギダチョウであり採取地はウルグアイマルドナド)と伝聞した由」、大きなひびを指して「ご尊父(ダーウィン本人)が収めた箱は小さすぎたとのこと、残念な状態」と書き付けてある[1]

また探検の記録を調べると1833年[注釈 2]にシギダチョウは「鳴き声が鋭く」「料理すると肉は軟らかくうまい」と記したこと、またそれとは別に、ダーウィンは当初、ヤマウズラ(partridge)の卵とみなしたこともわかった[1]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ フランクは愛称で本名フランシス・ダーウィン(Francis "Frank" Darwin 1848年–1925年)。
  2. ^ モンテビデオに上陸してマルドナドで標本採集をしたのは1832年7月26日から8月19日までの間。

出典[編集]

  1. ^ a b c Christine McGourty (2009年4月10日). “Charles Darwin's egg rediscovered”. BBC News. 2013年9月21日閲覧。