カゼノコ

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カゼノコ[1]
2014年のチャンピオンズカップにて
品種 サラブレッド
性別
毛色 鹿毛
生誕 2011年4月6日(13歳)
死没 (存命)
抹消日 2019年11月20日
アグネスデジタル
タフネススター
母の父 ラグビーボール
生国 日本の旗 日本北海道新ひだか町
生産者 田中裕之
馬主 橳嶋孝司
調教師 藤岡範士(栗東
野中賢二(栗東)
競走成績
生涯成績 40戦4勝
中央)34戦3勝
地方)6戦1勝
獲得賞金 1億7433万5000円
(中央)1億130万5000円
(地方)7303万0000円
勝ち鞍
JpnI ジャパンダートダービー 2014年
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カゼノコ(英字名:Kazenoko)は、日本競走馬である。2014年ジャパンダートダービーに優勝し、この年上半期の日本3歳馬ダート部門で首位にランキングされた[2][3]

経歴[編集]

祖母のユキノサクラ、母のタフネススターと3代にわたり、馬主は橳嶋孝司である[1][4][5][6]。タフネススターは橳嶋の所有馬としては唯一の活躍馬だったが、その子であるカゼノコが橳嶋にとっての2頭目の活躍馬となった[2]

デビュー以来7戦未勝利[編集]

カゼノコは母のタフネススターと同じ栗東の藤岡範士厩舎に入厩した[7][8]。8月の函館開催の新馬戦でデビューするが、12月まで芝を5戦して3着が最高の成績で2013年シーズンを終えた[9]。年が明けからはダート戦を使ったが、2月まで2戦して2着が最高の成績だった[9]

転厩[編集]

その2月に調教師の藤岡が定年で引退となり、カゼノコは野中賢二調教師が引き受けることになった[10][11]。野中は調教師免許を取得する以前は藤岡厩舎で厩務員調教助手を務めており、タフネススターの現役時代の調教を担当していた[4][10]

カゼノコは3歳になってからのダート戦で成績が安定するようになっていたが、野中調教師はカゼノコがダート向きとはみなしていなかった[10]。母のタフネススターは芝で良績を残しており、カゼノコがダートで成績が安定するのはカゼノコの性格に問題があると考えていた[10]。そのため、ひとまず未勝利戦を勝ち上がった後は芝の重賞、毎日杯に挑戦したが、スタートで出遅れてほぼ終始最後方のまま10着に敗れた[12][13]

ダートで連勝[編集]

性格的にダートが向いていると判断した野中は、これ以後カゼノコをダート戦に出すことにした。条件戦を勝ったのち、2014年に新設されたばかりの3歳オープン競走である鳳雛ステークスに登録した[14]。カゼノコは3.9倍で2番人気[注 1]で出走し、11頭中、後方3番手から進んだ[15]。スローペースで逃げたアスカノロマンが最終コーナー手前でスパートして後続を突き放し、そのまま逃げ切る展開になったが、カゼノコは大きく外を回って追い込むと一気にアスカノロマンを差し切って逆に1馬身1/4差をつけて勝った[15][16][17][18]。この鳳雛ステークスでカゼノコは104ポイントのレーティングを獲得した[19][注 2]。なお、このときマークした上がり3ハロンタイム35.4について、丹下日出夫は、3ハロンのラップ全てが推定11秒台でそのラップもゴールに近いほど速いと指摘し「破壊力圧巻」と評している[20]

ジャパンダートダービー[編集]

この年のダート路線では、地方競馬所属のハッピースプリントが一部では怪物と称されるほどの躍進をしていた[2]。ハッピースプリントは前年に2歳馬ながら地方競馬の年度代表馬に選ばれ、3歳になったこの年は羽田盃東京ダービーと勝ち進み、13年ぶりの新南関東三冠[注 3] に王手をかけていた[2]。ハッピースプリントは羽田盃で5馬身差、東京ダービーで4馬身差と後続を大きく離しており[注 4]、三冠目となるジャパンダートダービーでも単勝1.4倍と本命視されていた[11][22]

カゼノコはこれに次ぐ2番人気(5.1倍)となった[22]。この世代では、ジャパンダートダービーの重要な前哨戦の一つである兵庫チャンピオンシップに優勝したエキマエ[注 5]日本ダービーで骨折、競走中止となったり[23]、ダート路線の有力馬と目されていたアジアエクスプレスが前哨戦のユニコーンステークスで大敗して[2] 戦列を離れ[24] てしまい(ただし、アジアエクスプレスを管理する手塚師は、ユニコーンステークスの前に、ジャパンダートダービーについてナイターなどを理由にあげ「あまり使う気にならない」と述べていた[25]。)、兵庫チャンピオンシップで2着だったランウェイワルツが3番人気(7.9倍)になった[22]

当日は台風の影響で強い雨のもとでの競走になった[4][26]。東京ダービーでも逃げた浦和所属のエスティドゥーラ(最低人気)がスタートから先頭を奪ったが[8][26][27]、青竜ステークスを勝ってきたノースショアビーチ(5番人気)がこれを追いかけ、ハッピースプリントもこれに続いた[22]。一方、カゼノコはスタート直後に不利があり[28]、出走馬13頭の最後方の位置取りになった[22][29]

ゴールまで残り800メートルを過ぎると第3コーナーにさしかかり、エスティドゥーラは脱落した[26][27]。ノースショアビーチが先頭にかわり、差のない2番手にハッピースプリントが並んで第4コーナーをまわった[26][27]。カゼノコもコーナーで追い上げ、中団で直線を迎えた[27]。ゴールまで残り200メートルでようやくハッピースプリントが先頭に出た[26]。羽田盃や東京ダービーではここから後続を引き離したが、この日は外からフィールザスマート(6番人気)とカゼノコらが追い込んできて、ハッピースプリントの独走にはならなかった[26]。ハッピースプリントは馬場の中央を進んで逃げこみをはかったが、外から差してきたカゼノコと馬体が並んだところがゴールで、写真判定によってカゼノコがハナ差で勝利をものにした[4][8][26][30]。さらに半馬身差の3着にはフィールザスマートが入った[30]

カゼノコの優勝は、馬主歴30年の橳嶋や生産者の田中、管理する野中調教師のそれぞれにとって、初のG1・Jpn1制覇となった[2][4][31]。またカゼノコの父アグネスデジタルも、これが初のG1・Jpn1勝ち産駒となった[2]

2014年秋季[編集]

ジャパンダートダービーのあと、カゼノコは秋のJBCクラシックを目標に調教が行われた[32]。調整は順調にすすみ、300メートルの直線走路のある盛岡競馬場は、カゼノコの競走スタイルに合うとして野中調教師も期待を寄せていた[32]

JBCクラシック当日は16頭中、6番人気(13.8倍)の評価を受けた[33]。前年のジャパンダートダービーの優勝馬クリソライトが前哨戦の日本テレビ盃を7馬身差で勝って本命(2.8倍)になり、帝王賞優勝馬ワンダーアキュートが3.5倍の2番人気となった[33]フェブラリーステークス(G1・1600メートル)やかしわ記念(G1・1600メートル)を連勝したコパノリッキーは2000メートルはやや長いとみられて3番人気だった[33]

スタートするとすぐにコパノリッキーが先頭に立ち、人気上位馬はみなこれを追いかけた。カゼノコは後ろから2番めの位置につけた[33]。コパノリッキーはハイペースで逃げ、そのまま後続を振り切って、従来のレコードを1.1秒更新するコースレコードで優勝した[33]。上位5着までは、最初からコパノリッキーを追いかけた人気馬がそのまま入った[33]。カゼノコは後方のまま、最終コーナーからスパートし、最後の3ハロン(600メートル)に限れば全出走馬の中でもっとも良いタイムだったものの、勝ち馬からは2.3秒離された7着に終わった[33]。レース後、野中調教師は位置取りが後ろ過ぎたことを認めた[34]。一方、春と比べて成長が見られないという評価も行われている[34]。レース後のカゼノコのレーティングは96である[35]

続くチャンピオンズカップは、人気を落とし14番人気での出走となった。レースは後方2番手から競馬となったが、スローペースで前が残る展開となり、メンバー中2位の上がり3ハロン35.8の脚で追い上げたものの勝ち馬から0.6差の7着に終わった。レース後、手綱を取った秋山は「もう少し流れて欲しかった」と語った[36]

2015年以降[編集]

誘導馬としてのカゼノコ(右)
2023年阪神競馬場

年明け初戦は川崎記念で3番人気での出走となった。ここ数戦よりも前目の7番手から単勝元返しの人気となったホッコータルマエをマークする形で二周四角では3番手に押し上げ、直線で抜け出した同馬を追ったが、交わせず3/4馬身差の2着だった。次走のフェブラリーステークスでは出遅れがあり8着。続くオープンのハンデ戦・ブリリアントステークスでは58kgを背負わされた影響で、4着に敗れた[37]

秋初戦のブラジルカップは前走と同条件で7着。叩き2戦目のみやこステークスでは秋山とのコンビが復活、前2走と同じく58kgでの出走であったが、右回りへ替わる事を好材料視する声が関係者から戦前に出ており[38]、レースでも道中後方からメンバー中最速の上がり3ハロンタイムで追い込み[39]、僅差の2着と好走した。なお、同レースには同血馬の従兄弟モンドクラッセも出走しており、2番人気に推されたが7着に終わっている。年末の名古屋グランプリではアムールブリエの3着となった。

2016年以降はまれに好走はするも勝ち星を挙げることなく、2019年11月20日付けで競走馬登録を抹消し、現役を引退した。引退後は馬事公苑乗馬となったのち、阪神競馬場へ移動し誘導馬となっている[40][41]

評価[編集]

2014年上半期を終えた時点で、全日本合同フリーハンデとJPNサラブレッドランキングのいずれも、カゼノコを3歳ダート部門の首位と評価した[2][3][42][注 6]

ジャパンダートダービーのレースレートは108.75で、これは2001年にレーティングが行われるようになって以来の最高値であり、この競走が過去14年で最も高いレベルの争いだったことを示している。優勝したカゼノコのレーティングは110で、これは過去のこの競走の優勝馬としては平均的な値である(過去最高は2002年のゴールドアリュールで115ポイント)。羽田盃と東京ダービーの勝利でハッピースプリントが獲得していた111よりも低いものであるが、ハナ差とはいえそのハッピースプリントを下したカゼノコは、最終的に上半期のフリーハンデで1ポイント上位とされた。全日本合同フリーハンデでは、こうしたランキングでは同値で首位に複数の馬が並ぶのを避け、1頭だけを首位として選ぶ原則があるためにこうした結果になったと解説している[2][3]

フリーカメラマンの高橋章夫は、競馬ラボにおける野中賢二調教師へのインタビュー記事で「現代のダート馬には珍しい超が付く決め手を持つ」と評している[18]

競走成績[編集]

以下の内容は、netkeiba.comの情報[9] に基づく。

競走日 競馬場 競走名 距離(馬場)


オッズ
(人気)
着順 タイム
(上り3F)
着差 騎手 斤量
[kg]
1着馬(2着馬) 馬体重
[kg]
2013.08.03 函館 2歳新馬 芝1200m(良) 13 1 1 010.50(4人) 03着 01:11.5(35.8) -0.4 0菱田裕二 53 タカミツスズラン 448
0000.08.31 函館 2歳未勝利 芝1200m(稍) 16 6 11 004.70(2人) 11着 01:16.2(39.3) -2.7 0菱田裕二 53 シュヴァリエ 452
0000.11.09 京都 2歳未勝利 芝1600m(良) 13 5 7 029.60(5人) 05着 01:36.1(34.8) -0.7 0武豊 55 オリハルコン 454
0000.12.01 中京 2歳未勝利 芝1600m(良) 16 3 6 005.70(2人) 03着 01:36.9(35.0) -0.4 0秋山真一郎 55 ペイシャフェリス 458
0000.12.22 阪神 2歳未勝利 芝1600m(稍) 18 4 8 026.70(7人) 09着 01:37.4(36.2) -1.7 0秋山真一郎 55 サトノルパン 458
2014.01.18 京都 3歳未勝利 ダ1800m(良) 16 7 14 007.30(2人) 03着 01:54.6(37.6) -0.3 0太宰啓介 56 アムールブリエ 464
0000.02.23 京都 3歳未勝利 ダ1800m(良) 15 1 2 003.80(2人) 02着 01:53.7(37.2) -0.2 0秋山真一郎 56 モズスター 468
0000.03.16 阪神 3歳未勝利 ダ1800m(稍) 16 4 7 001.30(1人) 01着 01:55.8(38.0) -0.1 0秋山真一郎 56 (フェイマスエンド) 460
0000.03.29 阪神 毎日杯 GIII 芝1800m(良) 14 3 3 159.1(13人) 10着 01:48.4(35.8) -1.7 0武幸四郎 56 マイネルフロスト 458
0000.05.10 京都 3歳500万下 ダ1800m(良) 9 3 3 004.80(3人) 01着 01:52.7(36.6) -0.2 0秋山真一郎 56 (エノラブエナ) 454
0000.05.25 京都 鳳雛S OP ダ1800m(良) 11 7 9 003.90(2人) 01着 01:52.2(35.4) -0.2 0北村友一 56 アスカノロマン 450
0000.07.09 大井 ジャパンDダービー JpnI ダ2000m(稍) 13 7 10 005.10(2人) 01着 02:03.9(36.5) -0.0 0秋山真一郎 56 ハッピースプリント 454
0000.11.03 盛岡 JBCクラシック JpnI ダ2000m(重) 16 2 3 013.80(6人) 07着 02:03.1(34.7) -2.3 0秋山真一郎 55 コパノリッキー 455
0000.12.07 中京 チャンピオンズC GI ダ1800m(良) 16 7 13 066.0(14人) 07着 01:51.6(35.8) -0.6 0秋山真一郎 56 ホッコータルマエ 458
2015.01.28 川崎 川崎記念 JpnI ダ2100m(重) 12 8 11 015.40(3人) 02着 02:17.0(39.2) -0.1 0秋山真一郎 56 ホッコータルマエ 452
0000.02.22 東京 フェブラリーS GI ダ1600m(重) 16 3 5 016.60(7人) 08着 01:36.8(36.2) -0.5 0浜中俊 57 コパノリッキー 454
0000.05.10 東京 ブリリアントS OP ダ2100m(良) 16 2 4 004.80(2人) 04着 02:10.8(36.5) -0.5 0浜中俊 58 ドコフクカゼ 458
0000.10.25 東京 ブラジルC OP ダ2100m(良) 15 8 14 009.90(2人) 07着 02:11.3(36.5) -0.7 0柴山雄一 58 ドコフクカゼ 462
0000.11.08 京都 みやこS GIII ダ2100m(不) 11 4 4 017.40(6人) 02着 01:47.8(35.5) -0.0 0秋山真一郎 58 ロワジャルダン 462
0000.12.23 名古屋 名古屋グランプリ JpnII ダ2500m(稍) 12 5 5 002.40(1人) 03着 02:46.2(37.7) -0.5 0秋山真一郎 58 アムールブリエ 462
2016.01.27 川崎 川崎記念 JpnI ダ2100m(良) 13 4 4 012.70(4人) 05着 02:15.9(38.3) -1.8 0秋山真一郎 57 ホッコータルマエ 456
0000.10.01 阪神 シリウスS GIII ダ2000m(稍) 11 6 7 020.20(6人) 05着 02:02.6(36.2) -0.9 0北村友一 58 マスクゾロ 458
0000.11.06 京都 みやこS GIII ダ1800m(良) 16 2 4 012.30(6人) 10着 01:51.2(36.4) -1.1 0北村友一 58 アポロケンタッキー 458
0000.12.29 大井 東京大賞典 GI ダ2000m(重) 14 6 9 094.30(6人) 07着 02:07.9(37.8) -2.1 0川田将雅 57 アポロケンタッキー 459
2017.01.22 中京 東海S GII ダ1800m(良) 16 8 15 070.3(11人) 05着 01:53.4(35.9) -0.2 0太宰啓介 57 グレンツェント 460
0000.02.12 東京 バレンタインS OP ダ1400m(良) 16 6 12 007.00(4人) 13着 01:25.2(36.0) -1.2 0武豊 57 ブラゾンドゥリス 464
0000.04.22 東京 オアシスS OP ダ1600m(良) 16 4 7 024.90(8人) 04着 01:35.9(35.7) -0.6 0横山典弘 57 アルタイル 456
0000.06.10 東京 アハルテケS OP ダ1600m(良) 16 6 12 014.30(6人) 11着 01:37.4(35.9) -0.8 0横山典弘 57.5 メイショウウタゲ 458
0000.07.16 中京 名鉄杯 OP ダ1800m(良) 15 7 14 010.50(4人) 05着 01:52.2(36.5) -0.3 0太宰啓介 57 オウケンワールド 454
0000.09.17 中山 ラジオ日本賞 OP ダ1800m(不) 16 7 14 014.60(6人) 02着 01:51.1(36.2) -0.1 0石橋脩 57 センチュリオン 454
2018.07.15 中京 名鉄杯 OP ダ1800m(良) 15 6 12 015.80(7人) 10着 01:52.0(37.3) -2.9 0福永祐一 57 ラインルーフ 460
0000.10.21 東京 ブラジルC OP ダ2100m(良) 16 8 16 044.2(13人) 13着 02:12.4(37.6) -2.0 0横山典弘 57 ラインルーフ 458
0000.11.18 福島 福島民友C OP ダ1700m(良) 15 3 5 051.2(12人) 05着 01:45.7(37.0) -0.6 0小崎綾也 57 ヒラボクラターシュ 460
0000.12.28 阪神 ベテルギウスS OP ダ1800m(良) 16 5 9 018.4(10人) 06着 01:52.8(37.0) -0.3 0小崎綾也 57 ロードアルペジオ 466
2019.01.20 中京 東海S GII ダ1800m(良) 13 8 13 129.2(10人) 07着 01:51.8(36.4) -2.0 0小崎綾也 57 インティ 462
0000.02.02 京都 アルデバランS OP ダ1900m(稍) 15 8 14 014.70(6人) 05着 01:57.9(36.5) -0.3 0川田将雅 57 アングライフェン 462
0000.03.03 中山 総武S OP ダ1800m(重) 14 7 11 008.80(4人) 02着 01:52.2(37.2) -0.0 0津村明秀 57 マイネルオフィール 460
0000.06.22 函館 大沼S L ダ1700m(稍) 14 6 9 023.50(8人) 09着 01:43.8(37.3) -1.8 0荻野極 57 リアンヴェリテ 458
0000.07.07 函館 マリーンS OP ダ1700m(良) 14 5 7 043.4(10人) 03着 01:44.2(36.3) -0.9 0荻野極 57 リアンヴェリテ 452
0000.09.15 中山 ラジオ日本賞 OP ダ1800m(良) 11 5 5 013.70(6人) 04着 01:53.3(37.4) -0.3 0津村明秀 57 ローズプリンスダム 464

血統表[編集]

カゼノコ血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 ミスタープロスペクター系
[§ 2]

*アグネスデジタル
1997 栗毛
父の父
Crafty Prospector
1979 栗毛
Mr.Prospector Raise a Native
Gold Digger
Real Crafty Lady In Reality
Princess Roycraft
父の母
Chancey Squaw
1991 鹿毛
Chief's Crown Danzig
Six Crowns
Allicance Alleged
Runaway Bride

タフネススター
1997 鹿毛
ラグビーボール
1983 鹿毛
*ナイスダンサー Northern Dancer
Nice Princess
*ペルシアンテール Le Haar
*ペルシアンプリンセス
母の母
ユキノサクラ
1984 栗毛
リードワンダー アローエクスプレス
キクノホウラン
ビーナスヤシマ *トピオ
*インズキー
母系(F-No.) インズキー(GB)系(FN:4-d) [§ 3]
5代内の近親交配 Northern Dancer5×4=9.38% [§ 4]
出典
  1. ^ [43]
  2. ^ [44]
  3. ^ [43]
  4. ^ [43][44]

父のアグネスデジタルは2000年から2003年にかけて、日本の中央競馬(JRA)・地方競馬、さらに海外(香港競馬)で、芝とダートのG1を勝った異色の名馬であった。種牡馬になって、2007年に最初の世代の産駒がデビューすると次々に重賞勝馬が出て、既に成功した種牡馬だった。しかしG1・Jpn1優勝馬はカゼノコが初めてとなった[2]

母のタフネススターは2001年にカブトヤマ記念に勝った馬で、当時所属していた藤岡範士厩舎唯一の重賞勝馬である[10]。タフネススターはこのほか2002年の愛知杯新潟大賞典マーメイドステークスで2着になった。アグネスデジタルとは同世代だが、同じレースに出走したことはない[6]

全姉タフネスデジタル産駒にファストフラッシュ[45](笠松サマーカップ金沢スプリングカップ2回)がいる。カゼノコの曾祖母ビーナスヤシマは、1968年に最良スプリンターを受賞したシェスキイ半妹である。また、同じくビーナスヤシマの半兄にあたるシェスタイムは1980年代のホッカイドウ競馬の名馬の一頭である[6][46][47][48]


脚注[編集]

参考文献[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 1番人気のメイショウイチオシも同じ3.9倍だが、票差でカゼノコが2番人気[15]
  2. ^ なお鳳雛ステークスのレースレートは97.50である。これより1週間前の青竜ステークスでは、ノースショアビーチが勝ってカゼノコと同じ104ポイントを獲得している。ただしレースレートは101.00で、鳳雛ステークスよりはレベルが高い争いだったことを示している。同月のダートの3歳馬オープン戦である端午ステークスはレースレート96.75、優勝馬メイショウパワーズのレートは103[19]
  3. ^ 2002年につくられた現在の羽田盃、東京ダービー、ジャパンダートダービーの「新南関東三冠」体系での三冠馬はこれまで出ていない。1999年から2001年は羽田盃、東京王冠賞、東京ダービーの南関東三冠に加えて、ジャパンダートダービーが存在しており、2001年にはトーシンブリザードがこの4競走全てに勝利し、四冠馬と称された。2000年以前に南関東三冠馬となっている馬は6頭いる。なお、1999年にはオリオンザサンクスが羽田盃、東京ダービー、ジャパンダートダービーを勝っているが、前述の通り当時はこれら3つを三冠とする体系ではなかった
  4. ^ これらの結果を受けて6月末時点でハッピースプリントに与えられていたレーティングは111である[21]
  5. ^ エキマエは兵庫チャンピオンシップの優勝で105ポイントのレーティングを獲得しており、その時点ではカゼノコよりも上位である。[19]
  6. ^ 芝部門もあわせた3歳トータルでは、カゼノコは18位タイ(バウンスシャッセと同値)となる。ただしこれは性差を考慮しておらず、セックスアローワンスと呼ばれる性差(牝馬に4ポイントプラス)を加味すると、22位タイとなる[3]

出典[編集]

  1. ^ a b JRA公式データファイル 競走馬登録馬名簿 2014年8月16日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j 『週刊競馬ブック』第52巻33号,p72-77「全日本合同フリーハンデ2014(2)3歳古馬ダート&AWランキング」山野浩一
  3. ^ a b c d 『週刊競馬ブック』第52巻33号,p78「2014年上半期JPNサラブレッドランキング」
  4. ^ a b c d e 一般社団法人中山馬主協会 きょうの蹄音 2014.7.12 2014年8月17日閲覧。
  5. ^ JBIS ユキノサクラ 2014年8月16日閲覧。
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外部リンク[編集]