カギバガ上科

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カギバガ上科
オビカギバ Drepana curvatula
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
: 鱗翅目(チョウ目) Lepidoptera
階級なし : 有吻類 Glossata
階級なし : 異脈類 Heteroneura
階級なし : 二門類 Ditrysia
上科 : カギバガ上科 Drepanoidea
学名
Drepanoidea
Boisduval, 1828[1][2]
和名
カギバガ上科

本文参照

など

カギバガ上科 (Drepanoidea) は、鱗翅目(チョウ目)に属する上科の一つ。カギバガ科が代表的なであり、世界から600種以上が知られている[1][2]。日本からは70種近くが知られる[3][4]

分類[編集]

本上科はかつてシャクガ上科に含まれていたこともあるが[5]、後に解体された[3][6]。したがって、本上科の分類には歴史的な変遷があり、特にアゲハモドキガ科の位置は流動的である。ここではみっつの分類体系を紹介する。和名は特記のない限り、駒井 et al. (2011) に拠る。

Fletcher (1979) Minet (1998),
Minet & Scoble (1998)
van Nieukerken et al. (2011)
Goldstein (2017)
(亜科省略)
上科 イカリモンガ上科 Calliduloidea イカリモンガ上科 Calliduloidea
  • イカリモンガ科 Callidulidae
上科 キンイロガ上科 Axioidea
上科 シャクガ上科 Geometroidea シャクガ上科 Geometroidea シャクガ上科 Geometroidea
  • イカリモンガ科 Callidulidae
  • Pterothysanidae
  • キンイロガ科 Axiidae
  • トガリバガ科[7] Thyatiridae
  • カギバガ科 Drepanidae
  • オオカギバガ科[7] Cyclidiidae
  • ツバメガ科 Uraniidae
  • フタオガ科[7] Epiplemidae
  • アゲハモドキガ科 Epicopeiidae
  • ニセツバメガ科 Sematuridae
  • Apoprogonidae
  • シャクガ科 Geometridae
  • ニセツバメガ科 Sematuridae
  • Pseudobistonidae[2]
  • アゲハモドキガ科 Epicopeiidae
  • ツバメガ科 Uraniidae
  • シャクガ科 Geometridae
上科 カギバガ上科 Drepanoidea カギバガ上科 Drepanoidea
  • キンイロガ科 Cimeliidae
  • ニセシャチホコガ科 Doidae
  • カギバガ科 Drepanidae

本上科とシャクガ上科は分離されたものの形態的には近縁であることが示唆され、姉妹群として扱うことが多い[3][5][6]。近年の分子系統分析には両者の近縁性を否定するものもある[8]

アゲハモドキガ科を本上科に含める分類体系も多いが[3][5][6]、近年の分子系統分析の結果を反映した分類ではシャクガ上科に含めることが多い[1][2][9]

キンイロガ科およびニセシャチホコガ科は日本には分布しない[3][4]。ニセシャチホコガ科は1987年に記載されヤガ上科に分類されていた科だが[10]、最近の分子系統分析によってカギバガ科との近縁性が示唆され[8]van Nieukerken et al. (2011) などでは本上科に配置されている[1][2]

ギャラリー[編集]

外部リンク[編集]

脚注[編集]

参考文献[編集]

和文[編集]

  • 駒井古実; 吉安裕; 那須義次; 斉藤寿久(編)『日本の鱗翅類 : 系統と多様性』東海大学出版会、2011年。ISBN 978-4-486-01856-8https://rnavi.ndl.go.jp/mokuji_html/000011131937.html 

英文[編集]