小原翼

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小原翼
Tsubasa Obara
引退
ポジション パワーフォワード
基本情報
愛称 マッスル翼、ツバサ
国籍 日本の旗 日本
生年月日 (1994-07-27) 1994年7月27日(29歳)
出身地 神奈川県横浜市
身長(現役時) 198cm (6 ft 6 in)[1]
体重(現役時) 97kg (214 lb)[1]
選手経歴
2009-2012
2012-2016
2016-2017
2017-2018
2018-2021
日本の旗横浜高等学校
日本の旗筑波大学
日本の旗富山グラウジーズ](特別指定選手)
日本の旗富山グラウジーズ
日本の旗横浜ビー・コルセアーズ
選手情報 ウィキデータを編集 B.LEAGUE.jp

小原 翼(おばら つばさ、1994年7月27日 - )は、元プロバスケットボール選手である。現役時代のポジションはパワーフォワード[1]

来歴[編集]

横浜市出身。横浜中学校、横浜高等学校バスケットボール部KINGKONGSに所属し、関東大会準優勝、U-15、U-18日本代表に選出されたほか、高校3年生の時に第67回国民体育大会のバスケットボール少年男子 神奈川県代表に選出された。高校卒業後に進学した筑波大学では生原秀将満田丈太郎らと同級生であり、主にシックスマンとして2014年、2015年、2016年の筑波大学の全日本学生選手権 三連覇に貢献した[2]。大学2年,3年の時にはユニバーシアード日本代表候補に選ばれている。

大学4年在学中の2017年2月10日に特別指定選手として富山グラウジーズに入団した。守備力を評価され、2月18日のアルバルク東京戦でBリーグデビュー、翌19日の同チーム戦でBリーグ初得点を記録した。2月25日の栃木ブレックス戦で先発の座を掴んだ後はシーズンを通してオンザコート1のクォーターにおける先発メンバーとして活躍した。2016-17シーズン成績は23試合出場、20回のスターター。1試合平均の出場時間は19.3分 2.3得点 3.2リバウンドだった。

2017-18シーズンも序盤はスターティングメンバーとして出場を続けたが、不振に喘ぐ富山のチーム状況の中、リーグ後半に入ると出場時間を失っていき、残留プレーオフでは出場時間は与えられなかった。38試合出場で23回のスターターで、平均出場時間は8.2分 0.4得点 1.3リバウンドに留まった[3]

横浜ビー・コルセアーズのヘッドコーチに就任したトーマス・ウィスマンからの勧誘で、2018年6月に横浜への移籍が発表された[1]

2018−19シーズンは52試合に出場したが外国籍選手の出場レギュレーション変更もあり、1試合平均4.0分 0.3得点 0.5リバウンドに留まった。

2019-20シーズンは横浜ビー・コルセアーズのオフコートキャプテンに就任した。シーズン序盤は出場時間を得られない状態が続いたが、ヘッドコーチの交代を経て徐々に出場機会が増え始めた。しかし新型コロナウイルスの日本国内での感染拡大のためにシーズン後半戦が中止されたこともあり、シーズン26試合の出場に留まり、1試合平均では出場時間3.7分 1.0得点 0.4リバウンドに留まった。

2020-21シーズン開幕直後は新型コロナウイルスの日本国内での感染拡大防止のために外国籍選手のチーム合流が遅れたため、出場時間を増やしたが外国籍選手の合流後は出場時間は大きく減少した。シーズンでは27試合に出場し、1試合当たりの出場時間は7.5分 1.3得点 0.9リバウンドだった。

2020-21シーズン終了後にチームから戦力外通告を受けたことを受け、2021年6月16日に現役引退を発表した[4][5]。引退理由について、横浜で十分なプレー時間が得られないシーズンが続く中、2020-21シーズンを勝負の1年と位置付けて競技に取り組んでおり、外角からのシュート精度向上など、課題だった競技力の向上に相応の手応えを得ていたが、日本のプロバスケ、特に外国籍インサイド選手および 帰化選手のレベルアップが大きく進んだ事から、現役続行を諦めたと語っている。また生まれ育った横浜を最後のチームにしたいという想いもあったと話している[6][4]

引退会見では、引退後はバスケットボールからは一旦離れ、一般人になる予定と話した[6]。2021年7月からアスリートの社会貢献活動を推進する日本財団(旧日本船舶振興会)HEROsのインターンとして活動を開始した[7]

日本代表歴[編集]

  • 2018年6月 第40回ウィリアム・ジョーンズ カップ 日本代表候補[8]

人物[編集]

バスケットボールプレイヤーとしての特徴[編集]

  • 中学3年からトレーナーについてウェイトトレーニングを開始し[9]、その鍛えあげた肉体により、Bリーグが2017年にSNS投票で行ったBリーグマッチョ男子コンテストで一位を獲得したことから「マッスル翼」と呼ばれている[10]
  • フィジカルを活かしたディフェンス力に自信を持つが、オフェンスにおいては厳しく自己評価を下している[11]

その他[編集]

  • 大学3年次から筑波大学 分子筋生理学・武政研究室の白井隆長がトレーナーとして小原のトレーニングメニュー作成を担当していた[12]
  • 大学時代は寿司屋でアルバイトをしていた[13]
  • 体脂肪率はピーク時で7%[12]
  • 中学生時代に既に身長は192cmまで成長していた。身長は遺伝の影響が大きいが、食事、睡眠、家庭環境に影響を受ける。特に睡眠を十分に取ることは大事だと語っている[9]
  • 容姿から欧米人に間違われることがあるが日中のハーフである。2つの文化の間に生まれたことに誇りに思っていることを自身のSNSで語っている[14]
  • かつては将来は教師になりたいという夢をもっていたため、中学高校保健体育科の教員免許を取得している[4]
  • NSCA(National Strength and Conditioning Association)認定パーソナルトレーナー(NSCA-CPT)資格を取得している[4]
  • 筑波大、富山、横浜時代の背番号は全て"81"で、自分の希望した番号である。「9×9=81」「9」を「苦」に見立て、『苦しんでも苦しんでもはいあがる』という小原の意思を表していた[10]
  • 引退に際してのラジオ出演では「自分のバスケへのモチベーションは、自分を評価してくれなかった人たちを見返したいという根深い復讐心に支えられてきたが、そのような気持ちでのバスケは最後には自分のためにならないという事に気付いた。背番号"81"をつける子供達には、自分が見失ってしまったバスケを楽しむという気持ちを忘れてほしくない。もし自分が再度背番号を付ける機会があれば、次は「81」は選ばないだろう」と、小原に憧れて背番号"81"をつける子供達に向けてのメッセージを語った[15]
  • 引退時の会見やインタビューで自らの背負ってきた背番号81が周囲への復讐心の象徴であったことを明かし、小原の代名詞にもなっていた「81」という背番号自体にも否定的な想いを述べたが[15]、引退後は「他者に向けてるからリベンジだったけど、自分の内部に向ければ良いのではないかと。内部に向けて、困難にぶつかっても、苦しみながらも楽しみながら這い上がっていければ良い」「「苦しんでも苦しんでも這い上がる」をモットーに楽しみながら生きていこうと思います」と、引退後に生じた心境の変化を語っている[4]
  • 小さいころから両親と料理に親しんでいたこともあり、料理へのこだわりが人一倍強く、また食事もトレーニングの一つだと考えており、鶏むね肉を毎日、朝昼晩1枚ずつ食べていた時もあった[16]
  • 横浜ビー・コルセアーズの選手紹介
2018-19 「肩甲骨が翼になるまで 鍛えて鍛えてマッスル!マッスル! No.81 小原翼」[注 1][17]
2019-20 「大空羽ばたくその日まで 鍛えて鍛えてマッスル!マッスル! No.81 小原翼」[注 2][18]
2020-21 「あふれる愛はハマの情熱 心に薔薇と背中に翼」[注 3][19]

注釈[編集]

  1. ^ 赤い鳥の代表曲である翼をくださいの歌詞からのオマージュ
  2. ^ 赤い鳥の代表曲である翼をくださいの歌詞からのオマージュ
  3. ^ 沢田研二の代表曲であるサムライの歌詞からのオマージュ

個人成績[編集]

略称説明
  GP 出場試合数   GS  先発出場試合数  MPG  平均出場時間
 FG%  フィールドゴール成功率  3P%  スリーポイント成功率  FT%  フリースロー成功率
 RPG  平均リバウンド  APG  平均アシスト  SPG  平均スティール
 BPG  平均ブロック   TO  平均ターンオーバー  PPG  平均得点
 太字  キャリアハイ  *  リーグリーダー  †  優勝シーズン
シーズン チーム GP GS MPG FG% 3P% FT% RPG APG SPG BPG TO PPG
Bリーグ 2016-17 富山グラウジーズ 23 20 19.3 .375 .000 .333 3.3 0.3 0.2 0.2 0.3 2.3
Bリーグ 2017-18 38 23 8.2 .276 .000 .167 1.3 0.2 0.1 0.1 0.2 0.4
Bリーグ 2018-19 横浜ビー・コルセアーズ 52 0 4.0 .227 1.0 .571 0.5 0.1 0.1 0.0 0.2 0.3
Bリーグ 2019-20 26 0 3.7 .579 0.0 .500 0.4 0.2 0.0 0.0 0.0 1.0
Bリーグ 2020-21 27 0 7.5 .469 .500 1.000 0.9 0.1 0.1 0.0 0.5 1.3

出演[編集]

ラジオ[編集]

ギャラリー[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b c d 2018-19シーズン 新加入選手のお知らせ|横浜ビー・コルセアーズ”. 横浜ビー・コルセアーズ. 2018年7月4日閲覧。
  2. ^ Bリーグにより変わるバスケ界、インカレ3連覇の筑波大を率いる吉田健司監督に『変化』を聞く|バスケットカウント”. 株式会社ティーアンドエス. 2018年7月4日閲覧。
  3. ^ 横浜に帰ってきた期待のマッスルウィング#81小原 翼に聞く。”. ビーコルマガジン. 2019年4月12日閲覧。
  4. ^ a b c d e 小原翼選手 現役引退のお知らせ”. 横浜ビー・コルセアーズ (2021年6月16日). 2021年6月16日閲覧。
  5. ^ 26歳で引退を決めたBリーガーが日本財団でインターンをする理由”. 横浜ビー・コルセアーズ (2021年9月28日). 2022年1月26日閲覧。
  6. ^ a b 6/16(水)小原翼選手 - 現役引退会見 - - YouTube
  7. ^ 日本財団HEROs【公式】Twitter 2021年8月4日
  8. ^ ジョーンズ杯に臨む男子代表候補18名が発表、新たに田代直希や中西良太ら5名がメンバー入り|バスケットカウント”. 株式会社ティーアンドエス. 2018年7月4日閲覧。
  9. ^ a b Bリーグナンバーワンマッチョ男子・小原翼① 【人物クローズアップ「筋の旅人」】 2018年8月4日
  10. ^ a b #Bリーグハッシュタグバトル 商品がいよいよ発売!|Bリーグ”. 公益社団法人ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ. 2018年7月4日閲覧。
  11. ^ [CLOSE UP]小原翼(富山グラウジーズ)特別指定選手がチームの救世主に、自信とプライドを持って戦う『9×9』の男|バスケットカウント”. 株式会社ティーアンドエス. 2018年7月4日閲覧。
  12. ^ a b Bリーグナンバーワンマッチョ男子・小原翼➂ 【人物クローズアップ「筋の旅人」】 2018年8月4日
  13. ^ 5/4(月)配信:ビーコルLIVE - YouTube
  14. ^ 小原 翼Twitter 2017年11月22日
  15. ^ a b "2021年6月25日放送 小原翼選手出演最終回". それいけビーコル!いざ出航. 25 June 2021. FM湘南ナパサ 78.3MHz。
  16. ^ インカレ連覇の強豪は自炊で自分の身体を作る/筑波大男子バスケ部|アスレシピ”. 日刊スポーツ新聞社. 2018年7月4日閲覧。
  17. ^ 横浜ビー・コルセアーズ ゲームデーインフォメーション 月刊海賊 2018/10
  18. ^ 横浜ビー・コルセアーズ 観戦ガイド 2019 第2節
  19. ^ “WE ARE B-CORSAIRS2020-21”. (2020年9月27日). https://twitter.com/b_corsairs/status/1309479356939427840/photo/1 2020年9月27日閲覧。 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]