バーミンガム学派 (経済学)

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バーミンガム学派( - がくは、Birmingham School)とは、1815年ナポレオン戦争終結後にイギリスを襲った不況期に、同国のバーミンガムで生まれた経済思想の一派。不況を終戦や戦争動員の終了に伴う、需要の落ち込みに帰する過少消費によるものとして、金本位制に反対し積極財政を通じた完全雇用の達成を目指した。

銀行家トマス・アトウッドが主唱者として挙げられるが、その他にもジョージ・フレデリック・マンツや、アトウッドのであるマティアス・アトウッドらがいる。また、アーサー・ヤングパトリック・コルクーンジョン・シンクレアといった経済学者が何らかの支援を行った[1]

当時は「変わり者」や「露骨なインフレ論者」として否定的に扱われていたが、アトウッドの著書の中には乗数効果収入-支出モデルを公式化している物もある事から[2]、現在では1930年代ケインズ経済学の嚆矢とされる[3]

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ Checkland 1948, p. 2
  2. ^ Glasner 1997, p. 22
  3. ^ Kindleberger 1985, pp. 109–110

参考文献[編集]