ネオシーダー

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ネオシーダーは、千葉県習志野市アンターク本舗が1959年から販売している[1]たばこに似た形状の咳止め薬で、OTC医薬品(【指定第2類医薬品】)である[2]

概要[編集]

紙巻きたばこのような形状をしており、用法も紙巻きたばこの喫煙方法と全く同じである。また、包装もソフトパックのたばこと全く同じであり、使用可能年齢もたばこと同じく20歳以上である。を鎮め、を切る効果があるが、たばこの代用品としては利用できず、禁煙目的の使用はしないよう推奨されており、これを吸うことにより禁煙できるわけではない。容量・用法は1回1-2本、1日10本を目安とする[3]

微量のニコチンタール他の有害物質を含有しているため、喫煙習慣のない人20歳未満の人などは使用が禁じられている。また、禁煙補助剤(ニコチンガム他)と併用しないよう注意されている[2]

用途外であるが、たばこ代替品として利用される例が散見される。特に2010年のたばこ税増税に伴うたばこの値上げ以降、一般的なたばこ製品と当製品との価格差が大きくなってからは、その傾向は強くなった。なお前述のとおりニコチン・タールを微量ながら含有しており(後述)、有害物質の摂取が避けられないので、「ニコチン・タール他を使用しない健康上問題の無いたばこ」として使用するのは根本的に誤りである。

以前までは通常のたばこよりニコチン・タールの含有量が比較的少ないことから、映画テレビドラマ舞台公演での喫煙シーンの小道具として使われることもあるが減少傾向である[注 1]

医薬品であるため、薬局ドラッグストアのみで販売される。

成分[編集]

主成分は次のとおり(分量は1本あたり)[2]

主原料はヤマアジサイアジサイ科の植物)の葉とされている[1]。なお、タバコナス科

報道[編集]

大阪府立成人病センターの田中英夫らの調査によると、禁煙患者の尿からニコチンの分解産物が検出され、ネオシーダーの使用がわかったことからさらに別のネオシーダー愛好者に対する実験を行ったところ同様の結果が得られた。また、公的機関の分析によると、一本あたりの吸入量はニコチンがライトたばこの5分の1・タールはセブンスターより多く、依存性があることも判明した[1]

2007年に使用上の注意が改訂され、それまで記載が無かった「タール・ニコチンを含有する」旨の記述が追加され、警告として非喫煙者・未成年者の使用、禁煙治療薬利用者は使用しないように、との注意表記がされる事となった[4]

広告[編集]

新聞広告などで池谷イサオ4コマ漫画でネオシーダーの広告をしている。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 孤独のグルメ』の主演である松重豊、『特上カバチ!!』のヒロインである堀北真希がその例。

出典[編集]

  1. ^ a b c 「禁煙のつもり「ネオシーダー」 ニコチン、タール検出 大阪成人病センター調査」『読売新聞』、2001年11月11日、大阪朝刊、34面。
  2. ^ a b c ネオシーダー”. 医薬品医療機器総合機構. 2024年5月23日閲覧。
  3. ^ ネオシーダーの副作用について” (2017年9月7日). 2020年1月1日閲覧。
  4. ^ 医薬品・医療機器等安全性情報 No.233 - 厚生労働省医薬食品局 2007年2月。「2.使用上の注意の改訂について(その184)」に記載。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]