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ナショバズキー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナショバズキー
ナショバズキー(デルマーにて)
品種 サラブレッド
性別
毛色 鹿毛
生誕 2003年3月26日
死没 2008年5月28日(5歳没)
Silver Hawk
Nashoba
生国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
生産者 Williamson Racing LLC.
馬主 Warren B.Williamson
調教師 Carla Gaines[1]アメリカ
競走成績
生涯成績 10戦8勝[1]
獲得賞金 125万2090ドル[1]
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ナショバズキー (Nashoba's Key) は、アメリカ合衆国サラブレッド競走馬。4歳という非常に遅いデビューから、半年足らずでGI優勝馬となった。

デビュー前[編集]

馬主ウォーレン・ウィリアムソンによる自家生産馬。幼駒のころに管骨[2]を傷め、その治癒に長期を要したために4歳時(2007年)の1月という非常に遅いデビュー[3]となった。

4歳時代[編集]

クレメントLハーシュH

初戦はカリフォルニア州産馬限定の未勝利戦で、ギャレット・ゴメスの騎乗により勝利を挙げると、ここから3連勝。4戦目にオールウェザーのGIIミレイディブリーダーズカップハンデキャップに挑んだ。新たに17歳のジョー・タラモを鞍上に、僅差ながら勝利して重賞を初制覇。続くGIのヴァニティーインビテーショナルハンデキャップでは、内埒沿いの最短距離を通って抜け出すと、そのまま後続を抑えて優勝。デビューわずか半年足らず、無敗の5連勝でGIを制した。

その後、GIIクレメント・L・ハーシュハンデキャップ、GIイエローリボンステークスと連勝し、7連勝[1]で欧米芝路線の有力牝馬が集まるブリーダーズカップ・フィリー&メアターフに臨んだ。無敗のブリーダーズカップ制覇への期待から、オッズはイギリスのパッセージオブタイムに次ぐ2番人気に支持された。ところが、レースでは終始不良馬場のもっとも荒れた部分を進み、直線でいったんは脚を伸ばしたがその後すぐに失速して4着と敗れ、レースは11頭立て8番人気のラフドゥードが優勝するという波乱となった。この敗戦により連勝は7で止まり、この年のエクリプス賞受賞も逃したが、代わりにカリフォルニア州サラブレッド生産者協会より同州の年度代表馬に選出されている。

5歳時代[編集]

年が明けて2008年。初戦の一般競走は2着。続いて、オールウェザーで行われるGI競走、サンタマルガリータインビテーショナルハンデキャップに出走。前々走、前走でやや精彩を欠いていたが、それを感じさせずに後続に4馬身半差をつける圧勝でGI3勝目を挙げた。これが最後の競走となった[1]

5月28日、ハリウッドパーク競馬場内で馬房の壁を蹴った際に左後脚を骨折し、安楽死処分となった[1]

競走成績[編集]

出走日 競馬場 競走名 距離 着順 騎手 着差 1着(2着)馬
2007.01.13 サンタアニタパーク 未勝利 8f 1着 G.ゴメス 3/4馬身 (Kissthestargoodby)
2007.02.07 サンタアニタパーク 一般競走 芝9f 1着 G.ゴメス 6馬身 (Film Editor)
2007.04.29 ハリウッドパーク フランズヴァレンタインS 芝8.5f 1着 G.ゴメス 3/4馬身 (Dancing General)
2007.06.02 ハリウッドパーク ミレイディBCH G2 AW8.5f 1着 J.タラモ 3/4馬身 (Hystericalady)
2007.07.07 ハリウッドパーク ヴァニティー招待H G1 AW9f 1着 J.タラモ 3/4馬身 (Balance)
2007.08.05 デルマー クレメントLハーシュH G2 AW8.5f 1着 J.タラモ 1 1/2馬身 (Bai and Bai)
2007.09.29 サンタアニタパーク イエローリボンS G1 芝10f 1着 J.タラモ 3/4馬身 (Citronnade)
2007.10.27 モンマスパーク BCフィリー&メアターフ G1 芝11f 4着 J.タラモ 2馬身 Lahudood
2008.01.26 サンタアニタパーク サンシャインミリオンズF&FターフS 芝9f 2着 J.タラモ 1 1/2馬身 Quite a Bride
2008.03.09 サンタアニタパーク サンタマルガリータ招待H G1 AW9f 1着 G.ゴメス 4 1/2馬身 (Dawn After Dawn)

血統表[編集]

ナショバズキー血統ヘイルトゥリーズン系 / Hail to Reason3×5=15.62%) (血統表の出典)

Silver Hawk 1979
鹿毛 アメリカ
父の父
Roberto 1969
鹿毛 アメリカ
Hail to Reason Turn-to
Nothirdchance
Bramalea Nashua
Rarelea
父の母
Gris Vitesse 1966
芦毛 アメリカ
Amerigo Nearco
Sanlinea
Matchiche Mat de Cocagne
Chimere Fabuleux

Nashoba 1996
芦毛 アイルランド
Caerleon 1980
鹿毛 アメリカ
Nijinsky II Northern Dancer
Flaming Page
Foreseer Round Table
Regal Gleam
母の母
Grise Mine 1981
芦毛 フランス
Crystal Palace Caro
Hermieres
Katie May Busted
Cawston's Pride  F-No.4-n

祖母グリースマインはフランスのG1サンタラリ賞など重賞2勝。その半妹コストローマは、ナショバズキーも勝利したイエローリボンステークスを含むG1競走3勝を挙げている。

注釈[編集]

  1. ^ a b c d e f Gantz, Tracy (2008年5月28日). “Nashoba's Key Dies in Freak Accident” (英語). BloodHorse.com. 2012年11月19日閲覧。
  2. ^ 人間で言う脛の部分にあたる。
  3. ^ 競走馬は2歳の夏から秋にかけてデビューを迎えるのが一般的である。4歳という年齢は、日本での競馬用語ならば「古馬」と呼ばれるようになり、英語でも牝馬であれば「filly」から「mare」へと呼称が変わる年である。

外部リンク[編集]