トナラー

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トナラーは、すぐに人の隣の位置に来るような人のこと。電車バス駐車場映画館サウナトイレなどでトナラーが見られる。トナラーは、他の場所が多く空いているにもかかわらず、すでに誰かがいる場所の隣にわざわざ位置取る[1]

トナラーとなる要因は様々であり、セクハラをするような者や、心理的な問題でこのようになっている者などがいる。人間というのは自分のテリトリーであると思うパーソナルスペースという空間があり、トナラーが隣にいる場合パーソナルスペースが侵されて不快に感じることになる。トナラーはパーソナルスペースに無頓着なため、空いている空間であっても他の人の隣になるということを気にしていない[2]

概要[編集]

パーソナルスペースの感じ方は人それぞれなため、空いている空間においてもパーソナルスペースと認識する距離が小さい人は、他の人にとってのトナラーとなっている場合がある。トナラーがパーソナルスペースを気にしない人やパーソナルスペースが小さい人であるならば、自らが席を移動してトナラーとは離れた席に移動すれば、トナラーは隣には移動してこない[3]

コロナ禍の際に特にトナラーの存在が注目されて、感染のリスクがあるため迷惑であるとされた。コロナ禍ではトナラーが減少すると思われがちだが、逆にコロナ禍だからこそトナラーが増加しているという指摘もある。人間というのは本来は社会においての不安が大きければ、不安を和らげるために他者を求めて近付き集団で過ごそうとする傾向がある。コロナ禍で感染することに対する不安が高まっているからこそ、人に近付きたくなってトナラーになっている人もいる。

渋谷昌三は、トナラーが来ないようにするためには、に隣接している隅の他の人が来づらい席に座るか、近付いてくる人に対して顔が見えるような席に着けば良いとする。人間というのは相手の顔が直接見えるような所に座っていたら相手は来づらく、また、目が合えば相手に威嚇されたと感じるため、思わず大きな距離をとりがちになるためである[4]

脚注[編集]

  1. ^ 「トナラー」の意味や使い方 わかりやすく解説 Weblio辞書”. www.weblio.jp. 2024年1月15日閲覧。
  2. ^ がら空きなのになぜ隣に座るの?10人に1人、トナラーたちの意外な心理”. ダイヤモンド・オンライン (2022年10月15日). 2024年1月15日閲覧。
  3. ^ 【精神科医が教える】ガラ空きなのに、なんでわざわざ隣に座る!?無意識に距離をつめてくる「トナラー」の心理どう対処したらいいのか?”. ダイヤモンド・オンライン (2022年10月28日). 2024年1月15日閲覧。
  4. ^ ガラガラ店内なのに隣席に…「トナラー」の心理とは?”. 読売新聞オンライン (2023年7月31日). 2024年1月15日閲覧。