日産・シルビアヴァリエッタ

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日産・シルビアヴァリエッタ
S15型
フロント
リア
ルーフ展開途中
概要
製造国 日本の旗 日本
販売期間 2000年7月 - 2002年
ボディ
乗車定員 4名
ボディタイプ 2ドアクーペカブリオレ
駆動方式 後輪駆動
パワートレイン
エンジン SR20DE 直列4気筒DOHC16バルブ 1,998cc[1]
最高出力 160ps/6,400rpm(AT車)
165ps/6,400rpm(MT車)
最大トルク 19.2kg・m/4,800rpm(AT車)
19.6kg・m/4,800rpm(MT車)
変速機 4速AT
5速MT
サスペンション
ストラット式
マルチリンク式
車両寸法
ホイールベース 2,525 mm
全長 4,445 mm
全幅 1,695 mm
全高 1,285 mm
車両重量 1,360 kg(AT車)
1,330 kg(MT車)
その他
ブレーキ F ベンチレーテッドディスク
R ディスク
生産台数 1,120台[1]
系譜
先代 日産・シルビアコンバーチブル(S13型)
後継 無し
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シルビアヴァリエッタSilvia Varietta )は、日産自動車が製造・販売していたクーペカブリオレである。

概要[編集]

ベース車シルビア(S15型)の発売から遅れること1年4ヶ月、オーテックジャパンから国産車初となる、オープン時にピラーが残らないフルオープンタイプの電動式メタルルーフを備えたクーペカブリオレとして発売された。ベースとなったspec.Sに準じ全車自然吸気エンジンのみの設定[2]

しかしオープン化により剛性が低下しただけでなく、車重が100kg以上重くなったことから、足回りも専用にセッティングした[3]とはいえ、動力性能不足が目立つようになってしまった。このことから、中古車市場の中にはターボエンジンや6速MTに載せ替えたり、ワイドなタイヤを装着するなどのチューニングされている個体が目立つ[1]。それでいてヴァリエッタは、ベースとなったシルビアと比べると希少性はあるものの、そこまで人気が高いというわけではなく、価格も高騰しているというほどではないようだ[4]

歴史[編集]

1999年10月14日
第33回東京モーターショーに出品される。ただしこの段階では市販化は考えてなかったという。
2000年7月27日
発売。ルーフの開閉は約20秒で完了。またフロントシートは「モルフォトーンクロスシート」と名付けられた、日産自動車と帝人田中貴金属工業川島織物と共同開発したもので、見る方向によって色調が変化する生地を標準装備として採用。これは、モルフォ蝶の鱗粉の発色原理を用いた繊維「モルフォテックス」を織り込んだ布地で、世界で初めて採用された[5]。メーカーオプションとしてシートヒーター内蔵の黒色フロント本革シートとキセノンヘッドランプ、寒冷地仕様、リアビスカスLSDなどが選択可能だった[3]。価格は4AT車が289万5000円、5MT車が279万8000円(全国統一)で、レッドステージ系列の販売店で購入できた[3]。なお、モルフォトーンクロスおよびシートヒーター装備の本革シートを採用しているのはフロントシートのみで、リアシートについては黒色の合皮が採用されている。
2001年7月末
「ヴァリエッタ」の販売を終了。月産150台の増産体制を整えたことで、12月までに計1,120台が市場に送り出された[3]

企画・設計・製作[編集]

車名の由来[編集]

  • 「シルビア」は、ギリシャ神話に登場する、美しい清楚な乙女の名前から。語源はラテン語の「Silva」で「」を意味する。
  • 「ヴァリエッタ」は、イタリア語の「変化」からの造語[6]

脚注[編集]

注釈[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b c Peacock Blue K.K. (2021年5月9日). “生産台数1120台の希少車?? 日産「シルビア ヴァリエッタ」 中古車は高騰してる?”. くるまのニュース. 2024年4月16日閲覧。
  2. ^ ウナ丼 (2018年2月4日). “【平成初期の名車列伝】シルビア・ヴァリエッタは実用度高い5ナンバー・4人乗り・電動オープン”. クリッカー. 2024年4月15日閲覧。
  3. ^ a b c d e f シルビア・ヴァリエッタ”. 名車文化研究所 (2020年11月16日). 2024年4月15日閲覧。
  4. ^ Peacock Blue K.K. (2021年5月9日). “生産台数1120台の希少車?? 日産「シルビア ヴァリエッタ」 中古車は高騰してる?- 2ページ目”. くるまのニュース. 2024年4月16日閲覧。
  5. ^ 古賀貴司 (2019年11月20日). “絶滅危惧車の日産 シルビアヴァリエッタは、オープンとクーペどちらも楽しめる電動メタルルーフ装備のモデルだった!”. 2024年4月15日閲覧。
  6. ^ 藤田竜太 (2022年12月6日). “日産「シルビア」に1120台だけのカブリオレがあった! メタルルーフを採用した「ヴァリエッタ」とは”. AUTO MESSE WEB. 2024年4月15日閲覧。

外部リンク[編集]