やまやコミュニケーションズ

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株式会社やまやコミュニケーションズ
Yamaya Communications, Inc.
種類 株式会社
市場情報 非上場
略称 やまや
本社所在地 日本の旗 日本
811-2498
福岡県糟屋郡篠栗町彩り台1-1
設立 1974年(昭和49年)7月
業種 食料品
法人番号 1290001017815 ウィキデータを編集
事業内容 辛子明太子の製造販売
水産物及び一般食品製造販売
飲食店の運営
代表者 山本正秀代表取締役社長
資本金 1億円
売上高 178億1500万円
(2023年8月期)[1]
営業利益 6億3700万円
(2023年8月期)[1]
経常利益 3億1500万円
(2023年8月期)[1]
純利益 ▲1億7000万円
(2023年8月期)[1]
総資産 292億0700万円
(2023年8月期)[1]
従業員数 1,751名(2018年12月末時点)
決算期 8月末日
関係する人物 山本秀雄(取締役(非常勤)、名誉会長ファウンダー
外部リンク https://www.yamaya.com/
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株式会社やまやコミュニケーションズ(英:Yamaya Communications, Inc.)は、辛子明太子製造販売を行っている日本食品水産加工業会社。

酒類の小売チェーンの「株式会社やまや」(本社・宮城県仙台市)と社名は似ているが、同社との関係は一切ない。

概要[編集]

現名誉会長の山本秀雄が1974年に山本物産として創業。国内外にグループ企業を有し、上記辛子明太子の製造事業のほかにも、オンラインショップによる食品の通信販売、社内事業部による飲食店の運営および農産関連事業を行っている。特に飲食店に関しては、2019年1月時点で70店舗を構え[広報 1]、飲食事業者としても成功している。また、工場見学などのイベントや、福岡市の小中学校の給食に明太子を導入するなど、社会的な活動も行っている[広報 2]

ちなみに山本秀雄は日本フェンシング協会会長も務めており[2]、息子である社長の山本正秀も2003年から2018年まで同協会の理事および副会長を務めていた[広報 2]

沿革[編集]

※会社サイトより引用[広報 3][広報 1]

  • 1974年(昭和49年)7月 - 山本秀雄が山本物産を創業。
  • 1976年(昭和51年)10月 - 山本物産より販売部門を独立し、山本物産販売株式会社を設立。同月、東京支店を設置。
  • 1978年(昭和53年)9月 - 大阪支店を設置。
  • 1979年(昭和54年)10月 - 原料仕入部門として、株式会社山商を設立。
  • 1980年(昭和55年)
    • 2月 - 札幌営業所を設置。
    • 6月 - 旧本社松島工場を設置。
  • 1981年(昭和56年)4月 - 箱崎工場(第二工場)及び福岡支店を設立。同月、山本物産と山本物産販売株式会社が統合し、社名を「株式会社やまや」に変更。
  • 1982年(昭和57年)8月 - 塩釜工場及び仙台営業所を設置。
  • 1984年(昭和58年)9月 - 韓国釜山市の株式会社山洋に資本参加(子会社化)し、株式会社韓国やまやに社名変更。
  • 1985年(昭和60年)
    • 4月 - 株式会社山商を吸収合併により資本金が3億円に、のちに第三者割当増資により4億500万円となる。
    • 5月 - アメリカへ辛子明太子の販売進出。
    • 11月 - 自社店舗「須弥山」をオープン。
  • 1986年(昭和61年)
    • 3月 - 店舗「やまや天神店」をオープン。
    • 6月 - 第三者割当増資により資本金が4億9,500万円となる。
    • 10月 - 第三者割当増資により資本金が6億9,500万円となる。
    • 11月 - やまや直販株式会社を設立。
  • 1988年(昭和63年)11月 - 松島工場地に本社・本社工場を設置。
  • 1989年(平成元年)
  • 1990年(平成2年)3月 - 資本金が7億4,000万円となる。
  • 1995年(平成7年)1月 - 韓国の三進物商株式会社との共同出資により、アメリカ・カリフォルニア州YAMAYA-SAMJIN, INC.を設立。
  • 1997年(平成9年)7月 - 千葉県浦安市に東京支店を設置移転。
  • 1998年(平成10年)
    • 2月 - 本社工場隣接地に業務用食材としての加工品工場を設置。
    • 9月 - アメリカ・カリフォルニア州にYAMAYA USA INC.を設立。
  • 1999年(平成11年)
    • 4月 - YAMAYA USA INC.がYAMAYA-SAMJIN, INC.を吸収合併。
    • 7月 - 本社工場隣接地に研究所および新工場を設置。
  • 2000年(平成12年)
    • 3月 - 新株引受権の行使により資本金が8億5,100万円となる。
    • 4月 - やまや直販株式会社を吸収合併。
    • 6月 - ISO 9001:1994の認証を取得。
    • 7月 - 社名を株式会社やまやコミュニケーションズに変更。
  • 2003年(平成15年)
    • 2月 - 飲食店事業運営を行う子会社として株式会社やまや食工房を設立[3]
    • 4月 - 本社にてISO 9001:2000の認証を取得。
    • 9月 - 通販部門を分社化、株式会社食卓通販を設立。
  • 2004年(平成16年)8月 - 須弥山を株式会社須弥山として法人化。
  • 2005年(平成17年)
  • 2006年(平成18年)6月 - 飲食店事業第1号店となる「博多もつ鍋 やまや」東陽店をオープン[広報 4]
  • 2007年(平成19年)12月 - 新株予約権の行使により資本金が9億1,100万となる。
  • 2008年(平成20年)9月 - 直営店事業を食卓通販に譲渡、同社を株式会社やまやの食卓に社名変更。同月、株式会社YCマーケティングを設立。
  • 2009年(平成21年)3月 - 株式会社函館シーフーズを設立。
  • 2010年(平成22年)
    • 2月 - 農産関連事業を行う会社として株式会社やまやアグリネットを設立[4]
    • 3月 - アメリカ・カリフォルニアに「博多もつ鍋 やまや」LA Torrance店をオープン。
    • 9月 - 台湾株式会社やまや台湾を設立。
    • 10月 - 株式会社YDSを設立。
  • 2014年(平成26年)7月 - 創業40周年。
  • 2015年(平成27年)5月 - 出汁工場を稼働。
  • 2017年(平成29年)1月4日 - やまやの食卓が健康食品部門事業強化のため株式会社やまやヘルシーライフを設立[5][広報 5]
  • 2018年(平成30年)
    • 9月 - やまやの食卓、やまや食工房、やまやアグリネットを吸収合併。食工房社、アグリネット社はそれぞれ事業部となる。
    • 11月 - やまや中洲店がコンセプトショップ「YAMAYA BASE NAKASU 2312」としてリニューアルオープン[6]
  • 2019年(令和元年)- 創業45周年。
  • 2020年(令和2年)
    • 2月8日 - やまや太宰府店をリニューアルオープン。併設店舗としてYAMAYA BASE店舗としては2店舗目となる「YAMAYA BASE DAZAIFU」をオープン[11]
    • 6月19日 - 女子プロゴルファーの後藤未有と所属契約を締結[12][13]
    • 9月26日 - 東京事務所を中央区日本橋茅場町に移転[広報 7]
  • 2021年(令和3年)3月20日 - 福岡県朝倉市に直営マルシェ「朝倉マルシェ 果樹蔵」をオープン[14][15]
  • 2022年(令和4年)
    • 9月1日 - 株式会社正春酒造が株式会社やまや蒸留所に社名を変更[16]
    • 10月8日 - 東京事務所を日本橋小網町に移転[広報 8]
  • 2023年(令和5年)4月15日 - 本社を糟屋郡篠栗町に移転[広報 9]

事業所[編集]

グループ企業[編集]

※広報資料より引用[広報 2]

日本国内[編集]

  • 株式会社辛太郎本舗
  • 株式会社味莱
  • 株式会社やまや蒸留所
  • 株式会社YCマーケティング
  • 株式会社やまやフードサービス
  • 株式会社八粋堂
  • 株式会社博多うまか

海外[編集]

  • Yamaya USA Inc.
  • Japan Premium Beef, Inc.
  • 株式会社やまや台湾

かつて存在したグループ企業[編集]

  • 株式会社函館シーフーズ - 2020年に営業を停止し、解散したと見られる[17]
  • 株式会社博多しんよう、株式会社東京八粋堂、合同会社大阪八粋堂 - 2022年に営業を停止し、解散と見られる[18][19][20]
  • 大連花一料理有限公司 - 2022年現在、当社の広報資料より記載が削除されている。

主力商品[編集]

※広報資料より引用[広報 2]

辛子明太子
自社開発による調味液「匠のたれ」に漬け、1週間かけて熟成させる製法により製造している。これは創業者である山本秀雄が、冷蔵庫に1週間放置していた明太子を食べたところ、格段に味がよくなっていたことから生み出された製法である。原材料であるスケトウダラの卵は、社員が技術指導員として漁に同行し、選別したものを使用している。また、調味液には福岡県の酒造所である喜多屋の酒の他、北海道羅臼産の昆布や九州産のユズを使用している。
うまだし
2006年9月に発売されたパック式の出汁。6種類の素材(焼きあご、昆布、鰯節、シイタケ、鯖節、鰹節)を使用しており、あらかじめ塩・砂糖・醤油で薄い下味が付けられている。

飲食店[編集]

各店舗の運営は、当社の食工房事業部が行っている。以下は、2022年現在展開されている店舗ブランド[広報 10]

日本国内[編集]

  • 博多もつ鍋 やまや
  • 博多めんたい やまや食堂
  • ごはんとわたし
  • 博多天ぷら やまみ
  • 博多屋台DELI やまや
  • 博多やきとりNICK
  • 焼肉やまや[注釈 1]
  • 博多やまや
  • めんたいBASE
  • やまや別邸西中州[注釈 2]
  • YAKUIN 3 TERRACE

かつて展開していた店舗[編集]

  • 肉とパスタL'OTTO - かつて東京都港区新橋で営業していた[23]。旧Yamaya Kitchen L'OTTO 新橋銀座口店[注釈 3]
  • Yamaya Kitchen L'OTTO(パスタ専門店、台湾・桃園市[21]
  • 龍-RON-(高級レストラン、中国・大連市[21]

不祥事[編集]

2003年10月、「無添加」と表記していた自社製品より亜硝酸ナトリウムが検出され、やまやコミュニケーションズは取引先約40社から3万個を自主回収した。その結果、2004年8月期は30億円以上の減収となった[25]

関連項目[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 旧店名は、「焼肉ニッポン」[21]
  2. ^ 旧博多もつ鍋やまや月庭 西中洲店。2021年に店名を変更し、リニューアルオープン[広報 2][22]
  3. ^ 2019年、リニューアルに伴い店名が変更された[24]

出典[編集]

  1. ^ a b c d e 株式会社やまやコミュニケーションズ 第48期決算公告
  2. ^ フェンシング銀太田、無職から一転金の卵”. 日刊スポーツ. 2008年8月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年4月26日閲覧。
  3. ^ 株式会社やまや食工房Baseconnect、2019年4月27日閲覧。
  4. ^ 株式会社やまやあぐりネットBaseconnect、2019年4月27日閲覧。
  5. ^ 会社概要”. やまやヘルシーライフ. 2019年7月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年12月25日閲覧。
  6. ^ 辛子めんたいこの老舗「やまや」が新コンセプト店 3年かけ開発した米菓商品も - 博多経済新聞
  7. ^ 辛子明太子のやまや、博多駅マイングに新土産発信基地「Yamaya Jan Base HAKATA」を1/23(水)にオープン!”. グルメプレス (2019年1月24日). 2022年12月25日閲覧。
  8. ^ ヤフオクDに新名物? 外野席に巨大めんたいこ”. 西日本新聞 (2019年1月23日). 2022年12月25日閲覧。
  9. ^ ヤフオクドームに新名所「やまや めんたいこBOX」誕生”. 福岡ソフトバンクホークス (2019年1月23日). 2022年12月25日閲覧。
  10. ^ 株式会社やまやヘルシーライフ全国法人リスト、2022年12月25日閲覧。
  11. ^ 福岡「やまや」の太宰府店が2/8にリニューアルオープン! 明るく開放感のある“明太子”をイメージした店内”. @Press (2020年1月28日). 2022年12月25日閲覧。
  12. ^ プラチナ世代・後藤未有が明太子の“やまや”と所属契約!「福岡出身でとても馴染みがある」”. アルバトロス・ビュー (2020年6月19日). 2022年12月25日閲覧。
  13. ^ 後藤未有、めんたいこの“やまや”と所属契約「誇りに思う」”. スポニチアネックス (2020年6月20日). 2022年12月25日閲覧。
  14. ^ 「進化する伝統。九州の食文化を世界に」 辛子明太子メーカー「やまや」社長・山本正秀の新たなる挑戦”. Qualities (2021年7月8日). 2022年12月25日閲覧。
  15. ^ いちご狩り&ドライブで行きたい!テイクアウトグルメも魅力の新スポット「朝倉マルシェ果樹蔵」(朝倉市)”. ARNE (2021年3月26日). 2022年12月25日閲覧。
  16. ^ 社名変更のお知らせ”. やまや蒸留所 (2022年9月8日). 2022年12月2日閲覧。
  17. ^ 株式会社函館シーフーズ全国法人リスト、2022年12月25日閲覧。
  18. ^ 株式会社博多しんよう全国法人リスト、2022年12月25日閲覧。
  19. ^ 株式会社東京八粋堂全国法人リスト、2022年12月25日閲覧。
  20. ^ 合同会社大阪八粋堂全国法人リスト、2022年12月25日閲覧。
  21. ^ a b c やまや食工房グループブランド”. やまやコミュニケーションズ. 2019年4月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年10月31日閲覧。
  22. ^ やまや別邸 西中州食べログ、2022年12月25日閲覧。
  23. ^ やまや食工房グループブランド”. やまやコミュニケーションズ. 2019年6月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年12月25日閲覧。
  24. ^ Yamaya Kitchen L' OTTO新橋銀座口店リニューアルに伴う 臨時休業のお知らせ”. やまやコミュニケーションズ (2019年1月25日). 2019年4月27日閲覧。
  25. ^ 企業研究:(株)やまやコミュニケーションズ ~70億円超える有利子負債圧縮が課題(上)”. NetIB NEWS (2010年1月27日). 2019年4月27日閲覧。
  26. ^ PROFILE森口博子オフィシャルウェブサイト、2019年4月27日閲覧。
  27. ^ S.ランクン初V大会 渋野から祝福「感謝」”. ゴルフダイジェスト・オンライン (2020年7月8日). 2022年12月25日閲覧。

広報資料など一次資料[編集]

  1. ^ a b 数字で見るやまややまやコミュニケーションズ
  2. ^ a b c d e FACTBOOKやまやコミュニケーションズ、2019年4月26日閲覧。
  3. ^ 沿革やまやコミュニケーションズ、2019年4月26日閲覧。
  4. ^ 事業部概要やまやコミュニケーションズ 食工房事業部|博多もつ鍋 やまや、2019年4月27日閲覧。
  5. ^ 株式会社やまやヘルシーライフ設立 (PDF) やまやコミュニケーションズ(2017年2月27日)、2022年12月25日閲覧。
  6. ^ 大阪事務所の移転について”. やまやコミュニケーションズ (2019年9月20日). 2022年12月25日閲覧。
  7. ^ 株式会社やまやコミュニケーションズ東京事務所移転のご案内”. やまやコミュニケーションズ (2020年9月14日). 2022年12月25日閲覧。
  8. ^ 東京事務所移転のご案内”. やまやコミュニケーションズ (2020年9月29日). 2022年12月25日閲覧。
  9. ^ やまや、本社・工場を4月15日より福岡県粕屋郡篠栗町へ移転 篠栗町と連携し、観光客の受け入れ・地域活性化を目指す”. やまやコミュニケーションズ (2023年3月22日). 2023年3月22日閲覧。
  10. ^ 博多の味 やまや 公式レストランサイトやまやコミュニケーションズ 食工房事業部、2022年12月25日閲覧。

外部リンク[編集]