コンテンツにスキップ

石川達也 (野球)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
石川 達也
横浜DeNAベイスターズ #46
2022年3月6日 横浜スタジアム
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 神奈川県横浜市都筑区[1]
生年月日 (1998-04-15) 1998年4月15日(26歳)
身長
体重
178 cm
75 kg
選手情報
投球・打席 左投右打
ポジション 投手
プロ入り 2020年 育成選手ドラフト1位
初出場 2022年7月14日
年俸 1600万円(2024年)[2]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

石川 達也(いしかわ たつや、1998年4月15日 - )は、神奈川県横浜市都筑区出身のプロ野球選手投手)。左投右打。横浜DeNAベイスターズ所属。

経歴

[編集]

プロ入り前

[編集]

横浜市立下田小学校1年の時に旭リトルで野球を始めた[3]横浜市立東山田中学校時代は中本牧シニアに所属[3]

横浜高等学校では1年秋からベンチ入りを果たす[3]。2年夏の神奈川県大会は、決勝の東海大相模戦で先発したが4回3失点で降板。打線も小笠原慎之介に散発7安打に封じられ準優勝に終わった[4]。3年夏は同級生の藤平尚真と左右の二枚看板で予選を勝ち進み、第98回全国高等学校野球選手権大会に出場した。1回戦の東北戦は5番・右翼手で先発出場。またリリーフで登板し2回1/3を無失点に抑えた[5]。2回戦の履正社戦では先発し、初回は上々の立ち上がりを見せるが、雷雨で長時間に渡る中断を2回挟んだ間に左肩痛を発症し、1回2/3を投げ5失点を喫し、打線も寺島成輝に抑えられ敗退した[6][7]。この敗戦がきっかけでプロ志望届は見送り、大学進学を決意する[8]。同学年の藤平の他に、2学年上に淺間大基髙濱祐仁渡邊佳明伊藤将司、1学年下に増田珠福永奨、2学年下に万波中正土生翔太がいた[9]

法政大学では2年春から東京六大学リーグに登板し[3]、2年秋はリリーフとして9試合に登板し3勝を挙げた[10]。3年時は一転して不調で未勝利に終わり、4年の4月には鉄棒トレーニング中に左手首を骨折[11]。秋のリーグ戦で復帰したが1試合の登板に終わった[12]。大学4年間の通算成績は、18試合登板、3勝0敗、防御率2.10[3]。同学年の投手に鈴木昭汰高田孝一がおり、1学年上に宇草孔基福田光輝、1学年下にはDeNAでもチームメイトとなる三浦銀二がいた[13][14]

2020年10月26日に行われたプロ野球ドラフト会議において、横浜DeNAベイスターズから育成ドラフト1位で指名を受けた。4年時の怪我で登板機会が少なかった事が影響し育成指名となった[15]。11月29日に支度金300万円、年俸340万円(金額は推定)で仮契約を結んだ[11]。背番号は101

DeNA時代

[編集]

2021年は、イースタン・リーグ13試合に登板し、チーム最多となる4勝、防御率2.35の好成績を残したが、故障での離脱もあり支配下選手登録は見送られた[16]

2022年も、イースタン・リーグではリリーフとして好投を続け、6月21日時点で13試合に救援登板して1勝0敗2セーブを記録。20回1/3を投げて自責点は1点のみの防御率0.44、奪三振率も11.07の好成績を残し、同日、支配下選手登録されることが発表されると[17][18]、6月23日に正式にNPBから公示された[19]。背番号は95[20]。7月5日に出場選手登録を受けて一軍に合流し、リリーフ投手として待機していたが登板機会が無く[21]、7月14日の広島東洋カープ戦(マツダスタジアム)に先発予定だった東克樹新型コロナウィルスに感染した影響で急遽石川が先発を任され、プロ初登板・初先発を果たし、2回まで無失点、3回にランナーを出し失点したところで降板し(3回途中2失点)、勝敗は付かなかった[22]。最終的にイースタン・リーグでは22試合に登板し、防御率1.10と好成績を残した。一軍では3試合に登板し、防御率8.44と課題を残した[23]が、イースタン・リーグでの活躍ぶりが評価され、2022年イースタン・リーグ優秀選手賞を受賞した。

2023年は、開幕一軍入りを果たし、主にビハインドの場面で中継ぎ登板を続けていたが、8月1日の広島戦(マツダ)で先発の今永昇太にアクシデントがあり、5回1死の場面で石川が急遽登板[24]。そのまま打者を抑えてプロ初ホールドを記録した[25]。9月29日の阪神タイガース戦(横浜スタジアム)では、1点リードの満塁のピンチの場面で右のリリーフの宮城滝太とともにワンポイント登板し、宮城の後を受け、2死満塁から佐藤輝明をストレートで空振り三振で抑えた[26]。この試合の勝利でチームはクライマックスシリーズ進出を決め、石川は宮城と共に初めてのお立ち台に上がった[27]。最終的に28試合の登板で勝敗は付かず3ホールド、防御率1.97という成績でチームに貢献し、成長を見せたシーズンとなった[28]。12月2日には背番号を前年まで田中健二朗が15年間にわたって使用していた46に変更する事が球団から発表された[29]

選手としての特徴

[編集]

ダイナミックな投球フォームから最速150km/hの直球、カットボールカーブツーシーム、2種類のフォークを投げる[30]。自分のリズムを保ちながらフォームを変えて投げ分け、三浦大輔監督からも投球術を高く評価されている[31]

プロ野球界でも珍しい「左投右打」登録で、横浜高校時代は打撃も良く中軸を任されていた[9]

人物・エピソード

[編集]

箸やペンを持つときや、他の球技をやるときなど「野球の球を投げる事」以外はすべて右利きで、野球だけは父の助言で幼い頃から左投げである[32][33]

幼少期から地元ベイスターズのファンで、中でも村田修一を応援していた[34]。小学校低学年の頃に球団主催のクルージングイベントに家族で参加し、三浦大輔のリーゼントに触ろうとして「ダメだぞ」と制止されたことがある[30]

詳細情報

[編集]

年度別投手成績

[編集]




















































W
H
I
P
2022 DeNA 3 1 0 0 0 0 0 0 0 ---- 28 5.1 4 1 7 0 1 3 0 0 5 5 8.44 2.06
2023 28 0 0 0 0 0 0 0 3 ---- 124 32.0 19 2 10 1 2 34 3 0 9 7 1.97 0.91
2024 15 0 0 0 0 0 0 0 2 ---- 58 14.0 15 0 3 0 1 8 0 0 3 3 1.93 1.29
通算:3年 46 1 0 0 0 0 0 0 5 ---- 210 51.1 38 4 20 1 4 45 3 0 17 15 2.63 1.13
  • 2024年度シーズン終了時

年度別守備成績

[編集]


投手












2022 DeNA 3 0 1 0 0 1.000
2023 28 2 4 0 0 1.000
2024 15 1 3 0 0 1.000
通算 46 3 8 0 0 1.000
  • 2024年度シーズン終了時

記録

[編集]
初記録
投手記録
打撃記録
  • 初打席:2022年7月14日、対広島東洋カープ15回戦(MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島)、3回表にドリュー・アンダーソンから空振り三振

背番号

[編集]
  • 101(2021年 - 2022年6月22日)
  • 95(2022年6月23日 - 2023年)
  • 46(2024年 - )

脚注

[編集]
  1. ^ DeNAが育成の石川と支配下選手契約へ”. カナロコ (2022年6月21日). 2022年1月4日閲覧。
  2. ^ DeNA - 契約更改 - プロ野球”. 日刊スポーツ. 2023年12月5日閲覧。
  3. ^ a b c d e 【DeNA】育成ドラ1石川達也が入寮「リラックスしてやれる環境」”. スポーツ報知 (2021年1月6日). 2021年8月23日閲覧。
  4. ^ 東海大相模vs横浜”. 高校野球ドットコム. 2021年8月23日閲覧。
  5. ^ 横浜 対 東北 - スコア速報 - 夏の甲子園2016”. 日刊スポーツ. 2021年8月23日閲覧。
  6. ^ 横浜 対 履正社 - スコア速報 - 夏の甲子園2016”. 日刊スポーツ. 2021年8月23日閲覧。
  7. ^ 雨で中断 流れするり”. 朝日新聞DIGITAL (2016年8月15日). 2022年11月13日閲覧。
  8. ^ 若き左腕、一軍までの軌跡――石川達也、待望の初登板へ/BBB(BAY BLUE BLUES) -in progress-”. 週刊ベースボールONLINE (2022年7月1日). 2022年11月13日閲覧。
  9. ^ a b 履正社が横浜倒す エース寺島が1失点完投/詳細”. 日刊スポーツ (2016年8月14日). 2022年11月13日閲覧。
  10. ^ DeNA2人目の横浜高!育成1位指名は法大・石川”. 日刊スポーツ (2020年10月26日). 2021年8月23日閲覧。
  11. ^ a b DeNA育成1位の石川達也が仮契約 まず「支配下」そして「ベイスターズの顔に」”. デイリースポーツ (2020年11月29日). 2021年8月23日閲覧。
  12. ^ DeNA育成1位・石川が石田、三嶋ら法大リレーに意欲「中継ぎであれば継投を」”. Full-Count (2021年1月22日). 2021年8月23日閲覧。
  13. ^ 【硬式野球】プロ野球ドラフト会議2020 3年連続の歓喜!チームを支える3投手が夢の舞台へ飛び込むこととなった!!”. スポーツ法政 (2020年10月26日). 2022年11月13日閲覧。
  14. ^ 東京六大学開幕! 法政大「覚悟の継投」で早稲田に2連勝!”. 4years. (2019年9月19日). 2022年11月13日閲覧。
  15. ^ DeNA育成1位石川「ケガしない体を」 骨折影響で育成指名…悔しさを糧に”. デイリースポーツ (2020年11月30日). 2022年5月4日閲覧。
  16. ^ 【DeNA】育成・石川達也が現状維持で契約更改 チーム最多2軍で4勝「1軍での初勝利が目標」”. スポーツ報知 (2011年11月11日). 2022年1月22日閲覧。
  17. ^ “DeNA・石川達也が育成から支配下契約に 背番号は「95」 今季イースタン防御率0・44”. サンスポ. (2022年6月21日). https://www.sanspo.com/article/20220621-56BPNZA3LFIKVMCDTJDVM7HC4M/ 2022年6月21日閲覧。 
  18. ^ “【DeNA】20年育成1位の石川達也と支配下契約、背番95「自身の課題に取り組んだ結果」”. 日刊スポーツ. (2022年6月21日). https://www.nikkansports.com/baseball/news/202206210000193.html 2022年6月21日閲覧。 
  19. ^ 新規支配下選手登録”. 日本野球機構. 2022年6月26日閲覧。
  20. ^ 石川達也選手 支配下選手として契約 | 横浜DeNAベイスターズ”. 横浜DeNAベイスターズ オフィシャルホームページ. 2022年6月21日閲覧。
  21. ^ DeNA、6月に支配下登録の石川達也が待望の1軍合流”. サンスポ (2022年7月5日). 2022年7月14日閲覧。
  22. ^ DeNA3位再浮上で自力V復活 プロ初マウンドの石川が力投”. サンスポ (2022年7月14日). 2022年7月14日閲覧。
  23. ^ ハム“ノンテンダー”から意地の再起、トレードは不発…DeNA、今季補強答え合わせ”. Full-Count (2022年11月6日). 2022年11月13日閲覧。
  24. ^ 【DeNA】緊急降板の今永昇太「絶対に防げること。申し訳ない」左足ふくらはぎつった”. 日刊スポーツ (2023年8月1日). 2023年8月4日閲覧。
  25. ^ 広島3-5DeNA(終了) - セ・リーグ - スコア速報 - プロ野球 - スポーツニュース”. 朝日新聞DIGITAL (2023年8月1日). 2023年8月4日閲覧。
  26. ^ DeNA、勝負の継投策で2年連続CS進出決定!山本昌氏「1つ失敗していたら試合が壊れていた」”. BASEBALL KING (2023年9月29日). 2023年10月31日閲覧。
  27. ^ 好救援で勝利に貢献!DeNA・宮城&石川 プロ初のお立ち台に感謝感激「いや~もう最高です」”. スポニチアネックス (2023年9月29日). 2023年10月31日閲覧。
  28. ^ DeNA石川達也「成長できた」 救援28登板、飛躍のシーズンに自信”. カナロコ (2023年10月31日). 2023年10月31日閲覧。
  29. ^ 【DeNA】背番号変更 石川達也「46」、宮城滝太「65」、森原康平が「45」に”. 日刊スポーツ (2023年12月2日). 2023年12月2日閲覧。
  30. ^ a b DeNA育成1位石川仮契約「もう鉄棒やりません」”. 日刊スポーツ (2020年11月29日). 2021年8月23日閲覧。
  31. ^ “ハマっ子左腕”がハマスタで快投!DeNA育成2年目・石川達也の猛アピールに指揮官も「良いものを見せてもらいました」”. BASEBALL KING (2022年3月6日). 2022年5月4日閲覧。
  32. ^ 今日から!ベイスターズ 2月号(J:COMチャンネル)
  33. ^ @DHyoshikawa (2022年6月21日). "ついに石川達也投手が支配下登録に!おめでとうございます!". X(旧Twitter)より2022年11月14日閲覧
  34. ^ DeNA育成ドラ1、法大・石川に指名あいさつ「千賀投手のようになりたい」”. スポニチアネックス (2020年11月7日). 2022年1月17日閲覧。

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]