文興進
文 興進(ムン・フンジン、朝鮮語: 문흥진, 英語: Heung Jin Moon, 1966年10月23日 - 1984年1月2日)は、世界基督教統一神霊協会(現・世界平和統一家庭連合)教祖の文鮮明と韓鶴子との間に生まれた次男[1][注 1]。
概要
[編集]1983年12月22日、文興進の運転する車がニューヨーク州の凍結した高速道路で連結式トレーラートラックと衝突。翌1984年1月2日に死亡した[2]。17歳没。
死の1ヶ月後、文鮮明は、文興進を、統一教会幹部の朴普煕の娘の朴薫淑(Julia Moon)[注 2]と「霊魂結婚」させた[1]。それとともに文鮮明は薫淑を養女にした[4][5]。これについて、浅見定雄は「シャーマニズムと呼ぶのさえ、他のシャーマニズムに悪い気がするほど」と前置きしながら「シャーマニズムのもっとも醜悪な変種」と指摘している[1]。統一教会/統一協会はこの「霊魂結婚」を慶事とし、その命日を「愛勝日」とし、以後「興進様はお父様(文鮮明)の身代わりとして霊界に行き、霊界の王の王の立場になられた。地上でもお父様よりも偉い」と教えた。
1987年暮れ[1]にアフリカ・ジンバブエ[1]の黒人青年に文興進が乗り移った[1]とされ、文鮮明もこれを事実と認めた[1]といい、この黒人の「文興進」、すなわち「ブラックフンジン[1]」はアメリカ合衆国に渡るなど世界歴訪を開始[1]、1987年末に来日[1]して幹部を集め「霊界の言葉を伝える[1]」修練会を開き、幹部達に罪の告白をさせ、日本統一教会/統一協会会長久保木修己[1]も統一教会/統一協会関連会社ハッピーワールド社長古田元男[1]も公金横領の罪でバットで何回も殴られた[1]が、その結果久保木は長い間悩んでいた腰痛が治った[1]、幹部たちは罪滅ぼしに8日間断食をした[1]、という風に信者は聞かされたという[1]。
また「ハッピーワールドから日本人が物を買うことで日本が神や韓国に対して犯した罪が清算される」という、霊感商法を正当化する内容の「興進様の啓示」が販売局総務から全店舗宛に頻繁に流されるようになった[1]。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r 『わたしは"洗脳"された』p.87-101「様々な体験」。
- ^ "Moon's Son, 17, Dies After a Car Accident"(New York Times 1984年1月3日の記事)
- ^ “統一運動情報 「天正宮入宮・戴冠式14周年記念特別午餐」開催”. 光言社 (2020年8月25日). 2022年11月28日閲覧。
- ^ Black, Robert (October 26, 2000). “Moon and his ballet stars: When the Rev Moon's son died in a car crash, the controversial religious leader formed a dance company for the young man's fiancee. With money no object, it has impressed critics around the world”. The Daily Telegraph
- ^ Kaufman, Sarah (June 15, 2001). “Universal Ballet's Really Big Show”. The Washington Post: p. C7; Section: Style
参考文献
[編集]- 『わたしは“洗脳”された―統一協会元会員の証言』新日本出版社、1989年10月。ISBN 978-4406017732。
- 米本和広『カルトの子 心を盗まれた家族』文藝春秋 ISBN 4163563709