リトアニア産業連盟
略称 | LPK |
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設立 | 1930年/1989年 |
法的地位 | 非営利団体 |
所在地 |
|
貢献地域 | リトアニア |
会員数 | 約2700社 |
会長 | ヴィドマンタス・ヤヌレヴィチュス (Vidmantas Janulevičius) |
ウェブサイト | 公式ウェブサイト |
リトアニア産業連盟(リトアニアさんぎょうれんめい、リトアニア語: Lietuvos pramonininkų konfederacija、略称: LPK)は、リトアニアの大企業の経営者によって構成される経済団体。日本語文献においてはリトアニア工業連盟[1]やリトアニア産業者連合体[2]とも訳される。ロビー団体として政府や国会に対して影響力を有している。
国内の各地域や業界別の経済団体を傘下としている。連盟への加盟は強制ではなく、それぞれの意志によるものとされる。リトアニアの国民総生産 (GNP) の約6割はこの連盟に加盟している団体が生み出している。
歴史
[編集]リトアニア産業連盟は、1930年に設立されたリトアニア人商業、工業、手工業連合(Lietuvių prekybininkų, pramonininkų ir amatininkų sąjunga)を前身としている。同連合は1933年にリトアニア人実業連合(Lietuvių verslininkų sąjunga、略称: LVS)に改称された[1]。1936年にはリトアニア人商業、工業、手工業連合(リトアニア人実業連合)(Lietuvių prekybininkų, pramonininkų ir amatininkų sąjunga (Lietuvių verslininkų sąjunga))に改称された[1]。当時の名称は「リトアニア」(Lietuva)という国名ではなく「リトアニア人」(lietuviai)という民族名を冠しており[3]、正会員は民族的リトアニア人に限定されていた[4][5][6]。そのため、他の経済団体と比べて「民族主義的傾向を強く帯びた団体」であったと指摘される[3]。「リトアニア人のためのリトアニア」をスローガンとしていた[7]。
1932年に機関紙『ヴェルスラス』(Verslas、「実業」の意)を創刊した[8]。同紙の発行部数は約2,000部から10,000部であった[8]。なお、当時の『ヴェルスラス』には反ユダヤ主義的傾向を帯びた記事が多く掲載されており[9][10][7][11][12]、同紙が両大戦間期のリトアニアで反ユダヤ主義を広げた最も有名な機関紙であったと指摘される[13][14]。また、1934年に『アマティニンカイ』(Amatininkai、「手工業者」の意)を創刊した。いずれも1940年まで発行が続けられた[8]。
同連合は、1940年にリトアニアがソ連に併合され全企業が国営化されたことにより活動を停止した。
1989年6月17日、リトアニア産業協会(Lietuvos pramonininkų asociacija)として再設立され、その後現在のリトアニア産業連盟(Lietuvos pramonininkų konfederacija)に改称した。
歴代会長
[編集]- 1989年 - 1990年:リムヴィーダス・ヤシナヴィチュス (Rimvydas Jasinavičius)
- 1990年 - 1993年:アルギマンタス・マトゥレヴィチュス (Algimantas Matulevičius)
- 1993年 - 2011年:ブロニスロヴァス・ルビース (Bronislovas Lubys)
- 2012年 - 2020年:ロベルタス・ダルギス (Robertas Dargis)
- 2020年 - :ヴィドマンタス・ヤヌレヴィチュス (Vidmantas Janulevičius)
脚注
[編集]- ^ a b c 重松 2017, p. 57, 注 1.
- ^ 武田 2000, p. 39.
- ^ a b 重松 2017, p. 45.
- ^ Sirutavičius 2012, p. 411.
- ^ 重松 2017, pp. 45–46.
- ^ Sirutavičius 2020, p. 362.
- ^ a b エイディンタスほか 2018, p. 272.
- ^ a b c 重松 2017, p. 46.
- ^ Sirutavičius 2012.
- ^ 重松 2017.
- ^ Venclova 2019, p. 207.
- ^ Sirutavičius 2020.
- ^ Tauber 2004a, p. 11.
- ^ Tauber 2004b, p. 110.
参考文献
[編集]- Sirutavičius, Vladas (2012). “Antisemitizmo proveržiai”. In Vladas Sirutavičius, Darius Staliūnas, and Jurgita Šiaučiūnaitė-Verbickienė eds. Lietuvos žydai: Istorinė studija. Baltos lankos. pp. 403–416. ISBN 9789955236344
- Sirutavičius, Vladas (2020). “Outbreaks of Antisemitism”. In Vladas Sirutavičius, Darius Staliūnas, and Jurgita Šiaučiūnaitė-Verbickienė eds. The History of Jews in Lithuania: From the Middle Ages to the 1990s. Ferdinand Schöningh. pp. 354–367. ISBN 9783506705754
- Tauber, Joachim (2004a). “Antisemitizmas Vokietijoje ir Lietuvoje”. In Liudas Truska, ir Vygantas Vareikis (sud.). Holokausto prielaidos: Antisemitizmas Lietuvoje XIX am. antroji pusė – 1941 m. birželis. Totalitarinių režimų nusikaltimai Lietuvoje: Nacių okupacija 1. Vilnius: Margi raštai. p. 9–13. ISBN 9789986092803
- Tauber, Joachim (2004b). “Anti-Semitism in Germany and Lithuania”. In Liudas Truska, ir Vygantas Vareikis (sud.). Holokausto prielaidos: Antisemitizmas Lietuvoje XIX am. antroji pusė – 1941 m. birželis. Totalitarinių režimų nusikaltimai Lietuvoje: Nacių okupacija 1. Vilnius: Margi raštai. p. 107–112. ISBN 9789986092803
- Venclova, Tomas (2019). Lietuvos istorija visiems. t.2. R. Paknio leidykla. p. 384. ISBN 9789955736813
- エイディンタス, アルフォンサス、アルフレダス・ブンブラウスカス、アンタナス・クラカウスカス、ミンダウガス・タモシャイティス 著、梶さやか、重松尚 訳『リトアニアの歴史』明石書店、2018年。ISBN 9784750346434。
- 重松尚「1930年代末リトアニアにおける反ユダヤ主義——リトアニア人実業連合の新聞『ヴェルスラス』の分析を中心に」『東欧史研究』第39号、2017年、40–63ページ。
- 武田充司「リトアニア共和国イグナリナ発電所1号機の閉鎖をめぐって」『日本原子力学会誌』第42巻第12号、2000年、32–41ページ。