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ヤン・フジマリー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ヤン・フルジーマリー
基本情報
生誕 (1844-04-13) 1844年4月13日
出身地  チェコ ピルゼン
死没 (1915-01-11) 1915年1月11日(70歳没)
学歴 プラハ音楽院
ジャンル クラシック音楽
職業 ヴァイオリニスト
担当楽器 ヴァイオリン

ヤン・フルジーマリー[1]チェコ語: Jan Hřímalýロシア語: Иван Войцехович Гржимали(イワン・ボイツェホヴィチ・グルジマリ)[2]、, 1844年4月13日1915年1月1月11日1月24日[3][4][5]〕)は、チェコ出身のヴァイオリニスト教育者

経歴

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1844年、ピルゼン生まれ。父ヴォイチェフ(Vojtěch, 1809–1880[3])はオルガニストで作曲家であり、著名なチェコ人音楽家の家系の出であった[6]。兄ヴォイチェフ2世とモーリツ・ミルドネルの指導を受ける。

1855年から1861年までプラハ音楽院ヴァイオリンを学び、1862年から1868年までアムステルダム管弦楽団コンサートマスターに就任した[3]1869年フェルディナント・ラウプの後任としてモスクワ音楽院ヴァイオリン科の教授に任命される[7]1874年から1906年までモスクワでロシア音楽科学オーケストラのコンサートマスターを受け持った[3]。1915年、モスクワにて他界。

作曲作品・著作

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ピョートル・チャイコフスキーの知遇を得て、高い評価を受けている。チャイコフスキーの弦楽四重奏曲第2番》と《第3番》の初演に参加したほか、1882年3月には、《ピアノ三重奏曲「偉大な芸術家の思い出に」》の非公開初演にも出演した。おそらくは同年10月の公開初演にも出演したであろうが、確証はない。

数々の技巧的な練習曲や研究書を遺しており、そのいくつかはヤッシャ・ハイフェッツに重用された[8]

蝋管を用いた草創期の録音技術によって、作曲者であるアレンスキー自身のピアノとアナトーリー・ブランドゥコーフのチェロとともに《ピアノ三重奏曲_第1番》の演奏を遺している。これは作曲直後の演奏であり、ほぼ間違いなく同作の最初の録音である[9][10]

教育者として

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卓越した教師として定評があり[11]、門下よりレインゴリト・グリエール[6](《弦楽八重奏曲》作品5をフジマリーに献呈している[12])やパウル・ユオン[13]、アルカディ・ドゥベンスキー[14]、ピョートル・ストリャルスキー(門下にナタン・ミルシテインイヴァン・ガラミアンダヴィッド・オイストラフレオニード・コーガンらを擁する)[15]ニコライ・ロスラヴェッツ[16]コンスタンチン・サラジェフ[17]、アレクサンドル・ペチュニコフ、ミハイル・プレス、アレクサンドル・シュムレル[18]らを輩出した。ジャン・シベリウスの最初のヴァイオリン教師であったミトロファン・ワシリーイェフもおそらくフジマリーの門弟であろう[19]

脚注

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  1. ^ また日本語の出版物には、ハーチェクを略して「フリマリー」の名が使われることがある。
  2. ^ 1869年から歿年まで46年にわたってモスクワ音楽院で活動したため、ロシア語読みの名でも知られる。英語: Ivan Voitsekhovich Grzhimali
  3. ^ a b c d Tchaikovsky Research.net
  4. ^ Index des Trios
  5. ^ 1954年の『グローブ音楽事典』第5版のように、3月1日死亡説を採る資料もある。
  6. ^ a b David Mason Greene, Greene's Biographical Encyclopedia of Composers
  7. ^ Violinist composers
  8. ^ Chicago School of Violin Making
  9. ^ New York Times
  10. ^ The Dawn of Recording
  11. ^ Grove's Dictionary of Music and Musicians, 5th ed., 1954
  12. ^ Edition Silvertrust
  13. ^ Swiss Violin Concertos
  14. ^ The New York Public Library
  15. ^ Edward H. Tarr, East Meets West
  16. ^ Описание CD
  17. ^ (True) Synesthete Composers and Musicians
  18. ^ Famous Musicians of a Wandering Race
  19. ^ The Wegelius Institute