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ホーボーケン番号

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ホーボーケン番号(ホーボーケンばんごう、: Hoboken-Verzeichnis)は、フランツ・ヨーゼフ・ハイドンの音楽作品に付された番号。オランダの音楽学者アントニー・ヴァン・ホーボーケンが著した「ヨーゼフ・ハイドン主題書誌学的作品目録」 (Josef Haydn, Thematisch-bibliographisches Werkverzeichnis) に従う番号のことである。「J. ハイドン主題書誌学的作品目録」は、器楽編が1957年に、声楽編が1971年に、第3巻が1978年に出版されている。ハイドンの作品のいくつかには作品番号があるが、ない曲も多いので、現在では一般に作品番号の代わりにホーボーケン番号が使われる(弦楽四重奏曲など、ジャンルによっては作品番号が使われることも多い)。

ハイドンの作と伝えられてきた曲のカタログであり、別人の作とわかった作品も含まれている。番号もそれ以前に存在するカタログや全集の番号をそのまま引き継いでいることが多い。

一般に、Hob.と略す。バッハBWV同様、ジャンル別の付番であるが、BWVが通し番号なのに対し、ホーボーケン番号はジャンルごとに番号が1から振られている。たとえば、交響曲第94番はHob. I-94である。

Hob. ジャンル
I 交響曲 (1-108)
Ia 序曲 (1-16)
II 4声以上の嬉遊曲(ディヴェルティメント) (1-47)
III 弦楽四重奏曲 (1-83b)
IV 3声の嬉遊曲(ディヴェルティメント) (1-11)
V 弦楽三重奏曲 (1-21)
VI 様々な二重奏曲 (1-6)
VII いろいろな楽器の協奏曲
VIII 行進曲 (1-7)
IX 舞曲 (1-29)
X バリトン*のための様々な作品 (1-12)
XI バリトンと、ヴァイオリンまたはヴィオラ、チェロのための三重奏曲 (1-126)
XII バリトンを含む二重奏曲 (1-25)
XIII バリトンのための協奏曲 (1-3)
XIV ピアノ**と伴奏のための嬉遊曲(ディヴェルティメント) (1-13)
XV ピアノとヴァイオリンまたはフルート、チェロのための三重奏曲 (1-40)
XVa 2台のピアノのための曲
XVI ピアノソナタ (1-52)
XVII ピアノ小品 (1-12)
XVIIa ピアノ連弾曲 (1-2)
XVIII 鍵盤楽器のための協奏曲 (1-11)
XIX 音楽時計 (Flötenuhr) のための小品 (1-32)
XX/1 十字架上の七つの言葉」への器楽作品
XX/2 「十字架上の七つの言葉」の合唱版
XXI オラトリオ (1-3)
XXII ミサ曲 (1-14)
XXIII 様々な宗教作品
XXIV 管弦楽伴奏のカンタータとアリア
XXV 2声、3声、4声の歌曲
XXVI ピアノ伴奏の歌曲とカンタータ
XXVII カノン (宗教カノン 1-10; 世俗カノン 1-47)
XXVIII オペラ (1-13)
XXIX ジングシュピール(歌芝居=小オペラ)
XXX 劇付随音楽
XXXI スコットランド民謡編曲 (273)、ウェールズ民謡編曲 (60)

*ここでのバリトンは、ヴィオラ・ダ・ガンバの一種。
**ここでピアノと書いたものは、当時はチェンバロなどで演奏された。