コンテンツにスキップ

フアン・サミュエル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
フアン・サミュエル
Juan Samuel
ボルチモア・オリオールズでのコーチ時代
(2008年8月2日)
基本情報
国籍 ドミニカ共和国の旗 ドミニカ共和国
出身地 サンペドロ・デ・マコリス州サンペドロ・デ・マコリス
生年月日 (1960-12-09) 1960年12月9日(63歳)
身長
体重
5' 11" =約180.3 cm
170 lb =約77.1 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 二塁手外野手
プロ入り 1980年 アマチュアFA
初出場 1980年8月24日 サンフランシスコ・ジャイアンツ
最終出場 1998年9月26日 デトロイト・タイガース
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
選手歴
監督・コーチ歴

フアン・ミルトン・サミュエルJuan Milton Samuel , 1960年12月9日 - )は、ドミニカ共和国サンペドロ・デ・マコリス州サンペドロ・デ・マコリス出身の元プロ野球選手二塁手、一時は外野手)。右投右打。

経歴

[編集]

現役時代

[編集]

1980年フィラデルフィア・フィリーズと契約し、プロ入りを果たした。

1983年8月24日サンフランシスコ・ジャイアンツ戦でメジャーデビューを果たした。

1984年には野球殿堂入りのベテラン、ジョー・モーガンオークランド・アスレチックスに追いやってレギュラーに定着。この年160試合に出場し、191安打を打って打率.272、二塁打36、三塁打19、本塁打15、打点69、盗塁72を記録し、オールスターにも初選出された。この年から四年連続して「二塁打・三塁打・本塁打・盗塁すべて10本以上」を記録(メジャー史上初)。新人王ニューヨーク・メッツドワイト・グッデンに譲ったが、選出されてもおかしくない大活躍をみせた。ただし、失策33は守備面の不安を、168三振は選球眼の悪さを露呈した。この年から1992年まで9年連続して120以上の三振(1988年までは5年連続で140以上)を喫した。盗塁はこの年が最多であったが30盗塁以上を7シーズンで記録した。

1987年には28本塁打・100打点を記録するなど長打力も身につけ、2度目のオールスター選出。そしてシルバースラッガー賞を受賞した。

1988年は三塁打が9に終わり、1本の差で先述の記録が途絶えた。 守備面の不安や二塁手トム・ハーの移籍加入もあって、1989年には外野(中堅手)にコンバートするが、開幕から51試合出場で打率.246と不振。この年6月18日レニー・ダイクストラロジャー・マクダウェルとのトレードで、メッツへ移籍した。これは、不可解な(失敗した)トレードの多いメッツの歴史の中でも、もっとも失敗したトレードのひとつに数えられる。 移籍後、サミュエルは打率をさらに落とし(メッツ移籍後に限ると.228)、逆に移籍したダイクストラ、マクダウエルはいずれも活躍。特にダイクストラはリーグを代表する一番打者になった。

1990年にはロサンゼルス・ドジャースへ移籍し、二塁に再転向。レギュラーとしての起用は3度目のオールスター選出を果たした。

1991年までで、以後は5球団を行ったり来たりして1998年まで現役を務める。晩年は代打や一塁手指名打者(DH)としての出番が多かった。

引退後

[編集]

引退後、1999年から2005年までデトロイト・タイガースのコーチ、2006年はメッツ傘下のAA級ビンガムトン・メッツの監督、2007年から2010年までボルチモア・オリオールズでコーチ(2010年はデーブ・トレンブリー英語版解任後、バック・ショーウォルターが就任するまでは監督代行を務め、16勝31敗の成績を残す)を歴任し、2011年から2017年まではフィリーズの三塁コーチや一塁コーチを務めた。

2013年には第3回WBCドミニカ代表のコーチを務めた。同大会でドミニカ共和国は優勝した。

2017年3月に開催された第4回WBCドミニカ共和国代表コーチを務める。

プレースタイル

[編集]

ドミニカ共和国出身のプレイヤーらしいスピードとパワー溢れるプレーが魅力であった。

詳細情報

[編集]

年度別打撃成績

[編集]
















































O
P
S
1983 PHI 18 71 65 14 18 1 2 2 29 5 3 2 0 1 4 1 1 16 1 .277 .324 .446 .770
1984 160 737 701 105 191 36 19 15 310 69 72 15 0 1 28 2 7 168 6 .272 .307 .442 .749
1985 161 709 663 101 175 31 13 19 289 74 53 19 2 5 33 2 6 141 8 .264 .303 .436 .739
1986 145 633 591 90 157 36 12 16 265 78 42 14 1 7 26 3 8 142 8 .266 .302 .448 .751
1987 160 726 655 113 178 37 15 28 329 100 35 15 0 6 60 5 5 162 12 .272 .335 .502 .837
1988 157 685 629 68 153 32 9 12 239 67 33 10 0 5 39 6 12 39 8 .243 .298 .380 .678
1989 51 219 199 32 49 3 1 8 78 20 11 3 0 1 18 1 1 45 2 .246 .311 .392 .702
NYM 86 370 333 37 76 13 1 3 100 28 31 9 2 1 24 1 10 75 5 .228 .299 .300 .599
'89計 137 589 532 69 125 16 2 11 178 48 42 12 2 2 42 2 11 120 7 .235 .303 .335 .638
1990 LAD 143 558 492 62 119 24 3 13 188 52 38 20 5 5 51 5 5 126 8 .242 .316 .382 .699
1991 153 659 594 74 161 22 6 12 231 58 23 8 10 3 49 4 3 133 8 .271 .328 .389 .717
1992 47 136 122 7 32 3 1 0 37 15 2 2 4 2 7 3 1 22 0 .262 .303 .303 .606
KC 29 110 102 15 29 5 3 0 40 8 6 1 0 0 7 1 1 27 2 .284 .336 .392 .729
'92計 76 246 224 22 61 8 4 0 77 23 8 3 4 2 14 4 2 49 2 .272 .318 .344 .662
1993 CIN 103 289 261 31 60 10 4 4 90 26 9 7 0 2 23 3 3 53 2 .230 .298 .345 .642
1994 DET 59 151 136 32 42 9 5 5 76 21 5 2 0 2 10 0 3 26 4 .309 .364 .559 .923
1995 76 198 171 28 48 10 1 10 90 34 5 4 1 0 24 0 2 38 3 .281 .376 .526 .902
KC 15 39 34 3 6 0 0 2 12 5 1 0 0 0 5 1 0 11 0 .176 .282 .353 .635
'95計 91 237 205 31 54 10 1 12 102 39 6 4 1 0 29 1 2 49 3 .263 .360 .498 .858
1996 TOR 69 207 188 34 48 8 3 8 86 26 9 1 0 1 15 0 3 65 2 .255 .319 .457 .776
1997 45 108 95 13 27 5 4 3 49 15 5 3 1 0 10 0 2 28 2 .284 .364 .516 .880
1998 43 59 50 14 9 2 0 1 14 2 13 8 1 0 7 0 1 13 0 .180 .293 .280 .573
MLB:16年 1720 6664 6081 873 1578 287 102 161 2552 703 396 143 27 42 440 38 74 1442 81 .259 .315 .420 .735
  • 各年度の太字はリーグ最高

表彰

[編集]

記録

[編集]

背番号

[編集]
  • 16(1983年)
  • 8(1984年 - 1989年途中、1993年 - 1995年途中、2004年 - 2005年、2013年 - 2017年)
  • 7(1989年途中 - 同年終了)
  • 10(1990年 - 1992年途中、1999年 - 2003年)
  • 17(1992年途中 - 同年終了)
  • 27(1995年途中 - 同年終了)
  • 11(1996年 - 1998年、2007年 - 2010年)
  • 12(2011年 - 2012年)

代表でのコーチ歴

[編集]

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]