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ハウンド・ドッグ (曲)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
「ハウンド・ドッグ」
ビッグ・ママ・ソーントンシングル
B面 ナイト・メア[1]
リリース
規格 シングル
録音
ジャンル ブルース
時間
レーベル ピーコック・レコード
作詞・作曲 ジェリー・リーバーとマイク・ストーラー
プロデュース ジョニー・オーティス
チャート最高順位
ビッグ・ママ・ソーントン シングル 年表
エヴリタイム・アイ・シンク・オヴ・ユー
(1952年)
ハウンド・ドッグ
(1953年)
コットン・ピッキン・ブルース
(1953年)
ミュージックビデオ
「Hound Dog」 - YouTube
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ハウンド・ドッグ」(原題:"Hound Dog")は、ソングライター・チームのジェリー・リーバーとマイク・ストーラーが作詞・作曲し、1953年ビッグ・ママ・ソーントンがリリースした楽曲。

1956年エルヴィス・プレスリーが曲調と歌詞を大きく変えたバージョンをリリースしてヒットとなり、広く知られるようになった。

ビッグ・ママ・ソーントンのバージョン (1953年)

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ビッグ・ママ・ソーントンのバージョンはゆったりとしたテンポのブルースで、性的な意味合いを示唆する歌詞が特徴である[4]

ソーントンは、1952年8月13日にジョニー・オーティスのオーケストラをバッグにこの曲をレコーディングし、彼女の代表曲として知られるようになった[5]。オーティスはリハーサルをやっていた自宅にまだ10代だった駆け出しのソングライター・チーム、リーバーとストーラーを呼んでソーントンを紹介し、彼女のために曲を書くように依頼した。その結果生まれたのが「ハウンド・ドッグ」であった[5]

1953年2月にリリースとなったこの曲は、ビルボードのR&Bチャートで7週連続1位となり、200万枚近くを売り上げた。ソーントンの最大のヒット曲となっている[3]。しかしながら、オリジナル盤ではソングライターのクレジットが正しくなされず、リーバー、ストーラー、そしてソーントンのいずれもこの曲に関して支払いを受けることもなかった[6]。(シングル盤のクレジットではストーラーの名前がM. Strollerとなっており、共作者としてジョニー・オーティスの名前も記載されている[7]。)

「ハウンド・ドッグ」とは当時の黒人のスラングで安っぽいヒモ男の意味であり、犬についての曲ではない。黒人音楽と文化に傾倒していたリーバーとストーラーがソーントンが歌うことを念頭に書いた曲だった[8]

あんたはただのハウンド・ドッグよ

ドアのあたりを嗅ぎまわっているばかり
あんたはただのハウンド・ドッグよ
ドアのあたりを嗅ぎまわっているばかり

しっぽを振ってきたってエサはやらないわよ

オリジナルの歌詞はヒモ男に対する怒りをぶつけたブルースであり、女性が歌って初めて意味を持つ内容である[8]

エルヴィス・プレスリーのバージョン

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「ハウンド・ドッグ」
エルヴィス・プレスリーシングル
A面 冷たくしないで
リリース
規格 シングル
録音 1956年7月2日
ジャンル ロックンロール
時間
レーベル RCAレコード
作詞・作曲 ジェリー・リーバーとマイク・ストーラー
プロデュース スティーヴ・ショールズ (エルヴィス・プレスリー)
チャート最高順位
  • 1位(米国)
エルヴィス・プレスリー シングル 年表
I Want You, I Need You, I Love You
(1955年)
ハウンド・ドッグ
(1956年)
Blue Suede Shoes
(1956年)
ミュージックビデオ
「Hound Dog」 - YouTube
テンプレートを表示

エルヴィス・プレスリーは「ハウンド・ドッグ」を1956年にシングルとして発表した。別面は「冷たくしないで (Don't Be Cruel)」だった。この曲は1956年8月18日に、ビルボードのポップ・チャートの1位を獲得。以後11週連続でその座に留まり、この年の年間ランキングで第1位となった[10]

エルヴィスはソーントンの歌ったこの曲を知ってはいたものの、カバーすることを決めたのは歌詞を変えたフレディ・ベル&ベルボーイズのバージョンだった[8]。彼らのラスベガス公演で、歌詞がナンセンスな内容に変えられているのを聞き、そこからさらに歌詞を少し変えて録音した。このことについて、後にエルヴィスは「もう一つ言葉を変えていたら、きっと君達大金持ちだったのにね」と語ったという[11]。ソーントンのバージョンが男性のことを比喩的に歌っているのに対し、フレディ・ベル、エルヴィスのバージョンは文字通り犬のことを歌っている[8]

1956年7月2日のセッションで26テイク録音した後、RCAのスティーヴン・H・ショールズはこれで終わりにしてもよいと思ったが、エルヴィスは納得がいかず、結局は最後のテイク31が採用された[12][13](しかし18テイク目で終わろうとし、30テイク録音した後全てのテイクを聞きなおし28テイク目を選んだとする資料もある[14])。

「ハウンド・ドッグ」は当初「冷たくしないで」のB面としてリリースされ、シングル盤のジャケットでも「冷たくしないで」の方が文字が大きく書かれていた[9]。両曲ともに全米1位のヒットを記録している[15]

1988年に史上最高のジュークボックス・ヒットとしてグラミー・オブ・フェイム賞を受賞、2004年に『ローリング・ストーン(Rolling Stone)』誌が選んだ「ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500」では19位となった。

脚注

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