エディ・ハウ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
エディ・ハウ
2015年のハウ
名前
本名 エドワード・ジョン・フランク・ハウ
Edward John Frank Howe
ラテン文字 Eddie Howe
基本情報
国籍 イングランドの旗 イングランド
生年月日 (1977-11-29) 1977年11月29日(46歳)
出身地 アマーシャム
身長 178cm
選手情報
ポジション DF
ユース
イングランドの旗 ボーンマス
クラブ1
クラブ 出場 (得点)
1994-2002 イングランドの旗 ボーンマス 200 (10)
2002-2004 イングランドの旗 ポーツマス 2 (0)
2004 イングランドの旗 スウィンドン・タウン (loan) 0 (0)
2004 イングランドの旗 ボーンマス (loan) 17 (1)
2004-2007 イングランドの旗 ボーンマス 53 (1)
通算 272 (12)
代表歴
1998  イングランド U-21 2 (0)
監督歴
2008-2011 イングランドの旗 ボーンマス
2011-2012 イングランドの旗 バーンリー
2012-2020 イングランドの旗 ボーンマス
2021- イングランドの旗 ニューカッスル
1. 国内リーグ戦に限る。
■テンプレート■ノート ■解説■サッカー選手pj

エドワード・ジョン・フランク・"エディ"・ハウEdward John Frank "Eddie" Howe , 1977年11月29日 - )は、イングランド出身の元サッカー選手、サッカー指導者。現役時代のポジションはディフェンダー。現在はプレミアリーグニューカッスル・ユナイテッドFCの監督を務めている。

選手経歴[編集]

13歳の時に加入したボーンマスでキャリアの多くを過ごしたが、ボーンマスにユースチームができ、そこに入るまでは地元のロスガースというチームでプレイしていた[1]。1995年12月に行われたハル・シティ戦でボーンマスのトップチームデビューを飾った[1]。ボーンマスのディフェンスラインで重要な選手となり、1998年にはU-21のイングランド代表に選出され、トゥーロン国際大会に出場した[1]

2002年3月、ポーツマスに400,000ポンドの移籍金で移籍することになった。ハウはハリー・レドナップが監督に就任して獲得した最初の選手であった。しかし、契約後すぐに迎えたデビュー戦のプレストン・ノース・エンド戦で膝を負傷し[2]、ハウのシーズンは早々に終わりを迎えた。

2002-03シーズンの開幕戦であるノッティンガム・フォレスト戦で復帰して出場を果たしたが、出場時間9分で再び膝を負傷してしまい[3]、シーズン中の復帰は難しいものとなった。完全復帰には2004年1月までかかり、3月の移籍期限日にスウィンドン・タウンローン移籍が決定したが、出場機会は得られなかった。

2004-05シーズン、ボーンマスでは始めの3ヶ月間をローン契約で過ごし、活躍を見せた。クラブの財政基盤は貧弱であったが、サポーターも加わりハウの移籍金を捻出するために「エディシェア」基金を設立し、数日で必要な移籍金額21,000ポンドを集めた[1]。3シーズンの在籍で50試合以上の試合に出場したが、2007年に怪我で引退を余儀なくされ、リザーブチームのコーチに専念することになった[1]

監督経歴[編集]

29歳だった2006年の12月にボーンマスの監督であったケヴィン・ボンドにコーチに任命され、選手と兼任でリザーブチームの指導に当たることになった。トップチームのコーチに昇格し、2007年の夏に膝の怪我により選手としてのキャリアを諦めた[4]。2008年9月にボンドが監督を解任されると、ハウもポジションを失った[1]

ボーンマス[編集]

ジミー・クインが監督を務めていた時にユースチームのコーチとしてボーンマスに戻り、2008年12月31日にクインが監督を解任され、ハウは監督代行を務めることになった[5]。指揮を執ったアウェイの2試合で2連敗を喫したが、2009年1月19日にハウは正式に監督に就任した。監督就任当時はフットボールリーグで1番若い監督であった[6]。ボーンマスは17ポイントの勝ち点の減点処分を受けていたが、最終的に降格ゾーンからの脱出に成功し、残留を果たした。

2009-10シーズンはクラブ記録となる開幕からの9試合で8勝を挙げた。2009年11月にピーターバラ・ユナイテッドダレン・ファーガソンに代わる監督としてハウに接触したが、ハウはそのオファーに断りを入れた[7]。ボーンマスは選手の獲得を禁止されていたが、2010年4月24日に行われたバートン・アルビオンに2-0で勝利し、3シーズン振りとなるフットボールリーグ1昇格を決定した。

2011年の始めにいくつかのクラブがハウに接触したが、1月11日にボーンマスはハウが監督を続けることを発表した[8]。しかし、1月14日にバーンリーの監督に就任することでバーンリーとボーンマスは合意したことが明らかとなり[9][10]コルチェスター・ユナイテッド戦がボーンマスで指揮を執る最後の試合となった[11]

バーンリー[編集]

2011年1月16日、チャンピオンシップに所属していたバーンリーの監督に就任し、クラブと3年半の契約を結んだ。2011年1月22日に行われたスカンソープ・ユナイテッド戦で初めて指揮を執り、試合は0-0の引き分けに終わった[12]。2010-11シーズンを8位で終え、2011-12シーズンを13位で終えて迎えた2012-13シーズン途中の10月に「個人的な理由」によりバーンリーの監督を辞任した[13]

ボーンマス復帰後[編集]

2012年10月にかつて指揮を執ったボーンマスの監督に再び就任した[1]。ハウは11月を3勝2分で終え、FAカップでも勝利を挙げると、リーグ1の月間最優秀監督に選ばれた。2013年4月20日にチャンピオンシップ昇格を決め、最終的に優勝したドンカスター・ローヴァーズには1ポイント届かなかったものの、準優勝でシーズンを終えた[14]。2013-14シーズンはプレイオフ圏内に6ポイント届かず、10位でシーズンを終えた。

2015年4月19日、フットボールリーグの表彰が始まってから10年を記念した表彰において、最優秀監督に選ばれた[15]

2015年4月27日、ボーンマスは3-0でボルトン・ワンダラーズを倒し、プレミアリーグ昇格を決定した[16]。しかし、試合終了時点では得失点差で19点の差をつけていたものの、3位のミドルズブラが試合を終えておらず、昇格が確定してはいなかったため、昇格を祝うことはなかった。昇格決定後にハウは、「感謝をするのは私の方であって、ファンの皆さんではありません。家族的なクラブで、陽が当たるに値するクラブです。」と述べた[17]。5月2日に行われた最終節のチャールトン・アスレティックに3-0で勝利し、ワトフォードが勝利を逃したため、優勝チームとしてプレミアリーグに挑戦することになった[18]。以降、5シーズンにわたりプレミアリーグの座を死守した,

2019-20シーズン、チーム内に負傷者が相次ぎ、戦力不足のままシーズンを過ごすことになり、シーズン終盤からは降格圏から抜け出すことが出来ず、シーズン最終戦のエヴァートンFC戦に勝利したものの、勝ち点3差で追っていたアストン・ヴィラFCが、引き分けて勝ち点1を獲得した為に、ボーンマスはEFLチャンピオンシップ降格が決定。シーズン終了後の2020年8月1日に退任することが発表された[19]

ニューカッスル[編集]

2021年11月8日、ニューカッスル・ユナイテッドFCの監督に就任したことが発表された[20]。就任当初最下位に沈んでいたチームを、新オーナー就任による大型補強の後押しもありシーズン終了時には11位まで上昇させた。さらに翌22/23シーズンは絶好調のシーズンを送り、4位に入ってクラブを21年ぶりのUEFAチャンピオンズリーグ出場に導いた。[21]

23/24シーズンは特にシーズン中盤にかけて度重なる選手の負傷などにより深刻な戦力不足が続くも、最終的に7位でシーズンを終えることに成功した。一方チャンピオンズリーグではミランドルトムントPSGと同組という非常に厳しいグループに入り、最下位で敗退した。[22]

私生活[編集]

ハウは結婚し、2人の子どもがいる。手首にはアルファベット「R」のタトゥーが刻まれているが、これはかつて飼っていた黒毛のラブラドール、ロドニーへの思いを込めたものである[23]

子どもの頃はエヴァートンのサポーターであり、ガリー・リネカーがアイドルであった[24]

個人成績[編集]

クラブ シーズン リーグ カップ リーグカップ その他 通算
ディビジョン 出場 得点 出場 得点 出場 得点 出場 得点 出場 得点
ボーンマス 1995-96 ディヴィジョン2 5 0 0 0 0 0 0 0 5 0
1996-97 ディヴィジョン2 13 0 0 0 0 0 0 0 13 0
1997-98 ディヴィジョン2 40 1 3 0 2 0 5 0 50 1
1998-99 ディヴィジョン2 45 2 4 2 4 1 3 0 46 5
1999-00 ディヴィジョン2 28 1 0 0 5 0 0 0 33 1
2000-01 ディヴィジョン2 31 2 3 0 1 0 0 0 35 2
2001-02 ディヴィジョン2 38 4 2 0 1 0 1 0 42 4
通算 200 10 12 2 13 1 9 0 224 13
ポーツマス 2001-02 ディヴィジョン1 1 0 0 0 0 0 0 0 1 0
2002-03 ディヴィジョン1 1 0 0 0 0 0 0 0 1 0
通算 2 0 0 0 0 0 0 0 2 0
スウィンドン・タウン (loan) 2003-04 ディヴィジョン2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
ボーンマス 2004-05 フットボールリーグ1 35 1 3 0 2 0 0 0 40 1
2005-06 フットボールリーグ1 20 0 0 0 0 0 0 0 20 0
2006-07 フットボールリーグ1 15 1 1 0 0 0 0 0 16 1
通算 70 2 4 0 2 0 0 0 76 2
総通算 272 12 16 2 15 1 9 0 302 15

監督成績[編集]

2024年5月21日現在[25]
クラブ 就任 退任 記録
勝率
ボーンマス イングランドの旗 2008年12月31日 2011年1月16日 102 51 18 33 050.00
バーンリー イングランドの旗 2011年1月16日 2012年10月12日 86 35 17 34 040.70
ボーンマス イングランドの旗 2012年10月12日 2020年8月1日 355 144 75 136 040.56
ニューカッスル イングランドの旗 2021年11月8日 125 62 27 36 049.60
合計 668 292 137 239 043.71

獲得タイトル[編集]

クラブ[編集]

個人[編集]

  • フットボールリーグ最優秀監督:2005-2015[26]
  • フットボールリーグ月間最優秀監督:2014年10月[27]、2015年3月[28]
  • リーグ監督協会年間最優秀監督:2015年[29]
  • リーグ監督協会チャンピオンシップ年間最優秀監督:2014-15[29]
  • プレミアリーグ月間最優秀監督:5回(2017年3月、2018年1月、2018年10月、2022年2月、2022年10月)

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f g The return of Eddie Howe
  2. ^ Preston 2-0 Portsmouth
  3. ^ Portsmouth 2-0 N Forest
  4. ^ Bournemouth defender Howe retires
  5. ^ Quinn parts company with Cherries
  6. ^ Howe handed permanent role
  7. ^ My heart is at Bournemouth - Howe
  8. ^ Bournemouth manager Eddie Howe to stay at Dean Court
  9. ^ Cherries: Howe agrees terms with Burnley
  10. ^ Eddie Howe appointed Burnley manager
  11. ^ Colchester 2-1 Bournemouth
  12. ^ Scunthorpe 0-0 Burnley
  13. ^ Eddie Howe: I had to leave Burnley for Bournemouth
  14. ^ Cherries: Howe named manager of the month
  15. ^ Winners announced at The Football League Awards 2015
  16. ^ Never been a day like it! Cherries achieve the impossible dream of Premier League football
  17. ^ Bournemouth effectively sealed a £100m promotion to the Premier League - just seven years after the south-coast club almost went out of business.
  18. ^ a b Bournemouth won the Championship title with a comfortable victory at Charlton, as Watford slipped up late on against Sheffield Wednesday.
  19. ^ 英2部降格のボーンマス、ハウ監督と契約解除 「いつも心の中にある」”. 超ワールドサッカー (2020年8月2日). 2020年8月2日閲覧。
  20. ^ 新指揮官探し難航のニューカッスル、エディ・ハウ氏が新監督に就任!”. 超ワールドサッカー (2021年11月9日). 2021年11月9日閲覧。
  21. ^ Inc, SEESAW GAME (2023年5月23日). “21年ぶりのCL出場決定も、ニューカッスル指揮官「開幕前の目標はトップ4ではなかった」”. サッカーキング. 2024年5月21日閲覧。
  22. ^ Inc, SEESAW GAME (2023年12月14日). “今季CL“死の組”が決着! ドルトムントに続きPSGが突破…勝利したミランは3位でELへ”. サッカーキング. 2024年5月21日閲覧。
  23. ^ A day in the life of Bournemouth’s manager Eddie Howe
  24. ^ Eddie Howe has a taste of the high life after masterminding Bournemouth's remarkable rise to the Premier League
  25. ^ Managers - Eddie Howe”. Soccerbase. 2015年4月28日閲覧。
  26. ^ The Football League announces its Team of the Decade
  27. ^ Sky Bet FL72: Bournemouth's Eddie Howe and Callum Wilson secure October awards in Championship
  28. ^ Eddie Howe takes Championship manager award
  29. ^ a b Eddie Howe: Bournemouth boss is LMA manager of the year

外部リンク[編集]