アヴァンギャルド・ジャズ
アヴァンギャルド・ジャズ Avant-garde jazz | |
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様式的起源 | ジャズ、ビバップ、近代音楽、アヴァンギャルド・ミュージック、20世紀のクラシック音楽 |
文化的起源 | 1950年代半ば、アメリカ合衆国 |
派生ジャンル | ポストロック |
関連項目 | |
フュージョン プログレッシブ・ジャズ |
アヴァンギャルド・ジャズ(Avant-garde jazz、意味は「前衛ジャズ」、「アヴァン・ジャズ」および「エクスペリメンタル・ジャズ」としても知られる)[1]は、アヴァンギャルド・アート・ミュージックとジャズの作曲を組み合わせた音楽と即興のスタイルである[2]。1950年代に始まり、1960年代に開発された[3]。もともとはフリー・ジャズと同義だったが、多くのアヴァンギャルド・ジャズはそのスタイルとは異なるものだった[4]。
歴史
[編集]1950年代
[編集]アヴァンギャルド・ジャズは、1950年代半ばから後半に、予め書かれたものと即興的なものの間の境界を曖昧にする実践の中で、ビバップやポスト・バップの作法を拒否するに至ったインプロヴァイザーたちの間から始まった。やがてフリー・ジャズからも離れて、異なる音楽に適用されるようになり、作曲されたメロディの使用によって構造と組織を強調し、変化はするとしても予め定められた拍子と調性をもち、ソリストと伴奏の区別を強調した[5]。
1960年代
[編集]シカゴでは、AACM (Association for the Advancement of Creative Musicians)が独自のアヴァンギャルド・ジャズを追求し始めた。AACMのミュージシャン(ムハル・リチャード・エイブラムス、アンソニー・ブラクストン、ロスコー・ミッチェル、ハミッド・ドレイク、アート・アンサンブル・オブ・シカゴ)は折衷主義に傾倒していた。ブラック・アーツ・ムーヴメントの重要人物である詩人アミリ・バラカ[6]は、ニューヨーク・アート・カルテット(「Black Dada Nihilismus」、1964年、ESP)や、サニー・マレイ(「Black Art」、1965年、Jihad)といったミュージシャンによる楽曲でスポークン・ワードをレコーディングした[7]。
特筆すべきミュージシャン
[編集]- アリス・コルトレーン
- セシル・テイラー
- レニー・トリスターノ
- ジミー・ジュフリー
- サン・ラ
- オーネット・コールマン
- ジョン・コルトレーン
- チャールズ・ミンガス
- アーチー・シェップ
- ファラオ・サンダース
- アルバート・アイラー
- ドン・チェリー
- ジョン・ゾーン
- 前述のAACMに属するミュージシャン
脚注
[編集]- ^ Experimentalisms in Practice: Music Perspectives from Latin America. Oxford University Press. (2018). p. 8. ISBN 0190842768
- ^ Choice, Harriet (Sep 17, 1971). “'Black Music' or 'Jazz'”. Chicago Tribune
- ^ Cook, Richard (2005). Richard Cook's Jazz Encyclopedia. London: Penguin Books. pp. 25. ISBN 0-141-00646-3
- ^ Gridley, Mark C.; Long, Barry (n.d.). Grove Dictionary of American Music (second ed.). Oxford University Press 6 March 2016閲覧。
- ^ Mark C. Gridley and Barry Long, "Avant-garde Jazz", The Grove Dictionary of American Music, second edition, supplement on Grove Music Online 4 October 2012.
- ^ “A Brief Guide to the Black Arts Movement”. Poets.org. 8 March 2016閲覧。
- ^ Amiri Baraka, "Where's the Music Going and Why?", The Music: Reflections on Jazz and Blues. New York: William Morrow, 1987. p. 177-180.
- ^ AllMusic
書誌
[編集]- Berendt, Joachim E. (1992). The Jazz Book: From Ragtime to Fusion and Beyond. Revised by Günther Huesmann, translated by H. and B. Bredigkeit with Dan Morgenstern. Brooklyn: Lawrence Hill Books. ISBN 1-55652-098-0
- Kofsky, Frank (1970). Black Nationalism and the Revolution in Music. New York: Pathfinder Press.
- Mandel, Howard (2008). Miles, Ornette, Cecil: Jazz Beyond Jazz. Preface by Greg Tate. New York City: Routledge. ISBN 0415967147