あの子の子ども
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| あの子の子ども | |||
|---|---|---|---|
| ジャンル | 少女漫画 | ||
| 漫画 | |||
| 作者 | 蒼井まもる | ||
| 出版社 | 講談社 | ||
| |||
| 掲載誌 | 別冊フレンド | ||
| レーベル | KC別冊フレンド | ||
| 発表号 | 2021年6月号 - | ||
| 発表期間 | 2021年5月13日[1] - | ||
| 巻数 | 既刊8巻（2024年3月13日現在） | ||
| ドラマ | |||
| 原作 | 蒼井まもる | ||
| 監督 | アベラヒデノブ、山浦未陽、松浦健志 | ||
| 脚本 | 蛭田直美 | ||
| 音楽 | haruka nakamura | ||
| 制作 | メディアプルポ（協力） | ||
| 製作 | 関西テレビ | ||
| 放送局 | フジテレビ系列 | ||
| 放送期間 | 2024年6月25日 - （予定） | ||
| テンプレート - ノート | |||
| プロジェクト | 漫画・テレビドラマ | ||
| ポータル | 漫画・性・テレビ・ドラマ | ||
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『あの子の子ども』（あのこのこども）は、蒼井まもるによる日本の漫画作品。『別冊フレンド』（講談社）にて、2021年6月号より連載中[1]。
『女子高生の妊娠』をテーマに、当事者の2人と周囲の人間模様を描く[2]。2023年には第47回『講談社漫画賞少女部門』を受賞。
2024年6月より、カンテレの制作によりフジテレビ系列にてテレビドラマ化される予定[3]。
あらすじ[編集]
高校生の福（さち）を「フク」と呼ぶ、彼氏の宝（たから）。ある雪の日、二人は宝の家でセックスに至る。宝は挿入前にコンドームを付けていた。だがある日、福の体調に異変が現れる。福は離れた町のドラッグストアで買った妊娠検査薬をすぐに使ったところ、陽性反応が出る。宝は、福とのセックスで、コンドームが破れたことがあった…[注 1]。
書誌情報[編集]
蒼井まもる『あの子の子ども』 講談社〈KC別冊フレンド〉、既刊8巻（2024年3月13日現在）
- 2021年9月13日発行（同日発売[2][4]）、ISBN 978-4-06-524788-4
- 2022年1月13日発行（同日発売[4]）、ISBN 978-4-06-526435-5
- 2022年5月13日発行（同日発売[4]）、ISBN 978-4-0652-7696-9
- 2022年9月13日発行（同日発売[4]）、ISBN 978-4-0652-9175-7
- 2023年1月13日発行（同日発売[5][4]）、ISBN 978-4-0653-0378-8
- 2023年5月12日発行（同日発売[4]）、ISBN 978-4-0653-1727-3
- 2023年9月13日発売[4]、ISBN 978-4-0653-2997-9
- 2024年3月13日発売[4]、ISBN 978-4-0653-4633-4
Mamoru Aoi『My Girlfriend's Child』Seven Seas Entertainment
- 25 Apr 2023[6] ISBN 978-1-6857-9699-0
- 11 Jul 2023[7] ISBN 978-1-6857-9707-2
- 7 Nov 2023[8] ISBN 978-1-6857-9939-7
- 2024-4-09[9] ISBN 979-8-88843-376-8
- 2024-8-20[10] ISBN 979-8-88843-858-9
Mamoru Aoi『L'Enfant en moi』 Kana
- 12 janvier 2024 ISBN 978-8-4199-1433-0
- 15 mars 2024 ISBN 978-2-5051-1827-5
- 21 juin 2024 ISBN 978-2-5051-2167-1
- 20 septembre 2024 ISBN 978-2-5051-2437-5
Mamoru Aoi 『El bebé de mi novia』 Milky Way Ediciones
- 2023-9-28[11] ISBN 978-8-4199-1433-0
- 2023-11-20[12] ISBN 978-8-4199-1460-6
- 2024-2-28[13] ISBN 978-8-4199-1498-9
- 2024-4-29[14] ISBN 978-8-4102-2323-3
制作背景[編集]
講談社の漫画アプリ「Palcy」では、いじめ・妊娠・性の悩みなどを持つ若年世代に向け、漫画に関連した相談窓口を紹介する企画が行われ、本作品では「にんしんSOS」と性教育youtuberシオリーヌの動画チャンネルが紹介された[15]。
作者の蒼井は、自身が妊娠・出産を経験したことで、必要な性の知識を学ぶ機会が非常に少なかったことに気づいた[16]。少女漫画では「夢いっぱいの愛情表現」として描かれる性行為だが、現実では「性行為に伴う自分と相手の身体と未来」に必要な知識を伝えたくて、本作の制作を始めた[16]。蒼井は産婦人科医・助産師・養護教諭・スクールカウンセラー、そして実際の出産女性などに取材を行った結果、妊娠や出産についての意識・知識の格差、問題点や改善策が明らかになり、これらを漫画に盛り込むことで、読者がこの問題に触れるきっかけになってほしいという[16]。
蒼井は娘を妊娠・出産した際に、「妊娠したらつわりがある」位の知識しかなく、必要な知識を知らなかったことが非常に多かった[注 2][17]。事前に知る機会があれば、より対応できたのではないかと感じ、蒼井自身が性教育を十分に受けてこなかった問題、幼少期に「大人に「性」の質問を聞くのは恥ずかしいと思っていた」という認識につながっていった[17]。蒼井は子育てを始めてから性教育を改めて学び始め、そこで『性教育は人権教育』だと気づいた[17]。娘が4歳になり、親として性教育を考える機会が増えた蒼井は、SRHRに触れたのを機に、日本国内での性教育の不足を感じていた[18]。今まで恋愛漫画を描いていた蒼井だが、「恋愛」の先にある「性行為」と「妊娠」の知識と描写がなかった反省から、「別冊フレンド」の主な読者層の中高生女子に、『性についての権利』[18]、「自分の体は自分で決める、嫌なことは嫌と言える」（リプロダクティブ・ヘルス・ライツ）ことを知ってもらいたい想いで、「高校生の妊娠」を題材にした漫画を描こうと考えた[17]。
取材で当事者と会うまで、蒼井にとって若年妊娠は、自分ごとではない「報道の先」の問題と認識だったが、取材を進めるうちに、若年妊娠は誰にもいつ起きてもおかしくない、身近に起きている現実だと分かった[17]。また、SNSや書籍で「産婦人科は怖い所ではない」と発信している医療従事者などが少なくないことも分かった[17]。「高校生の妊娠」にはいろいろな「正論」を言ってくる人が出てくるが、その「正論のぶつかり」を描くことで、若年妊娠の問題に向き合ってほしいと蒼井は言う。その状況に至った当事者に、問題を一人で抱え込ませるのではなく、どんな相談先や連絡先があるのか、その起点になる漫画にしたいと言う[17]。
この漫画を描く上で蒼井が気を付けたのは「性の行為は悪いことではない」ことである[17]。「恋愛で感情が動き、もっと近づきたい思いは悪いことではない。若い世代にもその気持ちを大事にしてほしい。そのうえで、自分と相手の体と将来をきちんと考え、正しい知識とコミュニケーションを持って行動してほしい」思いを作品に込めた[17]。日本国内は中絶にネガティブなイメージが強いが、二人が悩む過程を描くことで、中絶か出産か、どちらを選んでも間違っていないことを読者に伝えたかった[18]。その想いで、作中、福が受診した産婦人科医に、「どんな選択をしても、誰もあなたを責める権利はない」というセリフを付けた[18]。
蒼井は、「予期せぬ妊娠」を打ち明けられた男性が、逃げたり無責任になることをせずに、妊娠の現実に向き合う「これからのことを二人で考え」、出産や中絶に必要な費用などの問題を調べる様子を描き、「パートナーの手本になるような行動」を目指した[19]。この描写は読者からも好評だった[19]。本作は少女漫画のため、「逃げ」や「放棄」ではなく、若年妊娠に対する行動がカッコ良い男子を描いた[19]。本作を読んだ男子にも、ヒントがあれば良いという[19]。また、若年妊娠では、男性側が一方的に悪者にされる風潮があるが、本作では、「男女が触れ合うことの気持ち良さ」も明確に描いた[19]。その一方で、親や周囲からは「意思を尊重する」や「中絶せよ」という意見のすれ違いが出てくるが、これは蒼井自身が出産のために包括的性教育を学んだ経験が生かされており、「様々な意見や選択肢があっても、それらを否定しない」ように、またその意見の背景も意図的に描いている[19]。
別冊フレンドの読者層たる中高生の女子に向けて書いた漫画だが、読者からの反応は、主に子供のいる親世代からが多く、現実の問題を直視しにくいためか[18]中高生からの反応はそれほど多くないという[19]。蒼井は親がさりげなく本棚に置いたり、学校の保健室に置かれるのを望んでいる[19]。蒼井は、若年妊娠の背景が認識されずに、単に「自己責任」で攻撃されるのは辛すぎる、それを防ぐためには性教育が大切で、悩んでいる人に寄り添える社会になってほしいと言う[19]。
反応[編集]
2022年1月、「全国書店員が選んだおすすめコミック 2022」のスピンオフ企画「出版社コミック担当が選んだおすすめコミック 2022」にて、第8位を獲得[20]。
2022年12月、『このマンガがすごい!2023』（宝島社）オンナ編にて第14位に入賞した[21]。
2022年11月30日、LINEマンガ総合ランキングで第1位を獲得[22]。
2023年1月13日発売の『別冊フレンド』同年2月号では、「蒼井まもるフェス」として、本編第21話とともに、福と宝の出会いを描いた番外編「第0話」と、蒼井原作・古里こう作画の読み切り作品『夏が教えてくれたこと』も掲載された[22]。
別冊フレンド2023年10月号では、本編と共に、宝と福の最初の性行為を描いた番外編「第0.5話 交合」が掲載された[注 3]。
2023年4月25日、Seven Seas Entertainmentから、英訳版「My Girlfriend's Child」の刊行が始まった[23]。
2023年5月、第47回「講談社漫画賞」少女部門を受賞[24]。
テレビドラマ[編集]
 | この節には放送または配信開始前の番組に関する記述があります。 |
| あの子の子ども | |
|---|---|
| ジャンル | 連続ドラマ |
| 原作 | 蒼井まもる |
| 脚本 | 蛭田直美 |
| 監督 |
アベラヒデノブ 山浦未陽 松浦健志 |
| 出演者 |
桜田ひより 細田佳央太 |
| 音楽 | haruka nakamura |
| 国・地域 |
 日本 |
| 言語 | 日本語 |
| 製作 | |
| プロデューサー |
岡光寛子 伊藤茜 |
| 制作 | メディアプルポ（協力） |
| 製作 | 関西テレビ |
| 放送 | |
| 放送チャンネル | フジテレビ系列 |
| 映像形式 | 文字多重放送 |
| 音声形式 | ステレオ放送 |
| 放送国・地域 | 日本 |
| 放送期間 | 2024年6月25日 - （予定） |
| 放送時間 | 火曜 23:00 - 23:30 |
| 放送枠 | 火ドラ★イレブン |
| 放送分 | 30分 |
| 公式サイト | |
2024年6月25日からカンテレ制作・フジテレビ系列の「火ドラ★イレブン」枠にて放送予定[3]。主演は桜田ひより[3]。
キャスト[編集]
スタッフ[編集]
- 原作 - 蒼井まもる『あの子の子ども』（講談社「別冊フレンドKC」刊）[3]
- 脚本 - 蛭田直美[3]
- 音楽 - haruka nakamura[3]
- 監督 - アベラヒデノブ、山浦未陽、松浦健志[3]
- プロデューサー - 岡光寛子、伊藤茜[3]
- 制作協力 - メディアプルポ
- 制作 - カンテレ
| カンテレ制作・フジテレビ系列 火ドラ★イレブン | ||
|---|---|---|
| 前番組 | 番組名 | 次番組 |
お迎え渋谷くん
（2024年4月2日 - ） |
あの子の子ども
（2024年6月25日 - 〈予定〉） |
-
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関連項目[編集]
- 十代の出産
- 避妊
- シオリーヌ - 第2巻の巻末で作者と対談を収録[25]
- にじいろ - 第3巻の巻末で性と妊娠についてのQ&Aを収録[26]
- 益若つばさ - 第3巻と同時発売の『別冊フレンド』2022年6月号にて、作者との対談を掲載[27]
- 高橋怜奈 - 第4巻の巻末にて、作品中の描写についてのQ&Aを収録[28]
- 遠見才希子 - 第5巻の巻末にて、作者との対談を収録[29][5]、また同時発売の『別冊フレンド』2023年2月号258ページにも、1ページコラムを掲載[22]
- 有賀リエ - 『Kiss』2023年5月号165ページに蒼井との対談を掲載[30]、また本作の単行本第6巻の巻末にも、別内容の対談を収録[31]
- 福田萌 - 第8巻巻末で、作者との対談を掲載[32]
脚注[編集]
注釈[編集]
出典[編集]
- ^ a b “普通の女子高生が御曹司の許嫁に、「王子様には毒がある。」柚月純の新連載が別フレで”. コミックナタリー (ナターシャ). (2021年5月13日) 2022年4月14日閲覧。
- ^ a b ““女子高生の妊娠”をテーマに高校生の悩みや葛藤を描く「あの子の子ども」1巻”. コミックナタリー. ナターシャ (2021年9月13日). 2022年4月13日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j “高校生の妊娠描く「あの子の子ども」実写ドラマ化、桜田ひより＆細田佳央太が出演”. コミックナタリー. ナターシャ (2024年5月25日). 2024年5月25日閲覧。
- ^ a b c d e f g h “あの子の子ども（漫画）”. マンガペディア. 株式会社DIGITALIO. 2024年5月29日閲覧。
- ^ “My Girlfriend’s Child Vol. 1” (英語). Seven Seas Entertainment. 2023年5月12日閲覧。
- ^ “My Girlfriend’s Child Vol. 2” (英語). Seven Seas Entertainment. 2023年5月12日閲覧。
- ^ “My Girlfriend’s Child Vol. 3” (英語). Seven Seas Entertainment. 2023年5月12日閲覧。
- ^ “My Girlfriend’s Child Vol. 4” (英語). Seven Seas Entertainment. 2023年5月26日閲覧。
- ^ “My Girlfriend’s Child Vol. 5” (英語). Seven Seas Entertainment. 2023年5月12日閲覧。
- ^ mwedicionesのツイート、2023年5月26日閲覧。
- ^ mwedicionesのツイート、2023年5月26日閲覧。
- ^ mwedicionesのツイート、2023年5月26日閲覧。
- ^ mwedicionesのツイート、2023年5月26日閲覧。
- ^ 『いじめや妊娠、性の悩みなどを抱える若者たちにマンガで寄り添い、相談窓口へ繋ぐ特別企画「あなたは1人じゃないよ～今をいきる若い世代のみなさんへ～」がマンガアプリPalcyで開催！』（プレスリリース）株式会社講談社、2021年12月17日。2022年4月13日閲覧。
- ^ a b c “性行為が悪なんじゃない…漫画家が「高校生の性のリアル」「妊娠」を描いた理由”. FRaU. 講談社 (2022年2月2日). 2022年10月26日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i 蒼井まもる（インタビュアー：國崎万智）「避妊に失敗して妊娠、高校生カップルの選択は。異色の少女漫画『あの子の子ども』の作者が願うこと」『ハフポスト』、BuzzFeed Japan、2022年4月29日。2022年5月1日閲覧。
- ^ a b c d e 蒼井まもる（インタビュー）「《高校生の妊娠》「どんな選択をしても、誰もあなたを責める権利はない」と…高2の少女が下した「決断」【マンガ】」『文春オンライン』、文藝春秋、2022年11月11日。2023年1月13日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i 蒼井まもる（インタビュアー：雪代すみれ）「予期せぬ妊娠をしたときの“正しい”選択とは？『あの子の子ども』が問いかける「若年妊娠」のリアル」『ヨガジャーナルオンライン』、インタースペース、2022年6月25日。2022年7月9日閲覧。
- ^ “書店員が選んだおすすめコミック2022、第1位は龍幸伸「ダンダダン」”. コミックナタリー (ナターシャ). (2022年1月27日) 2022年4月14日閲覧。
- ^ 蒼井まもる 2022年12月12日のツイート、2022年12月13日閲覧。
- ^ a b c 別冊フレンド2023年2月号257ページ
- ^ Seven Seas Entertainmentの2023年4月26日の投稿、2023年5月12日閲覧。
- ^ “第47回講談社漫画賞は「シャンフロ」「あの子の子ども」「スキップとローファー」”. コミックナタリー (ナターシャ). (2023年5月10日) 2023年5月10日閲覧。
- ^ 蒼井まもる 2022年1月13日のツイート、2022年9月15日閲覧。
- ^ 蒼井まもる 2022年4月19日のツイート、2022年9月15日閲覧。
- ^ 別冊フレンド編集部 2022年5月12日のツイート、2022年9月15日閲覧。
- ^ 蒼井まもる 2022年9月13日のツイート、2022年9月15日閲覧。
- ^ “【蒼井まもるフェス開催☆】 『あの子の子ども』カラーつき最新話 ＆ 番外編「第0話 初恋」の豪華２本立て！！！”. 別フレOn-Line. 講談社コミックプラス. 講談社 (2023年1月12日). 2023年1月13日閲覧。
- ^ 別冊フレンド編集部の2023年5月11日の投稿、2023年5月12日閲覧。
- ^ “祝♡連載２周年！『あの子の子ども』待望の⑥巻発売スタート！”. 別フレOn-Line. 講談社コミックプラス. 講談社 (2023年5月11日). 2023年5月12日閲覧。
- ^ ColruAMのツイート- X（旧Twitter）
外部リンク[編集]
- 漫画
- テレビドラマ
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