黒い空

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黒い空
作者 松本清張
日本の旗 日本
言語 日本語
ジャンル 長編小説
シリーズ 「歌のない歌集」第2話
発表形態 雑誌連載
初出情報
初出週刊朝日1987年8月7日 - 1988年3月25日
出版元 朝日新聞社
刊本情報
刊行 『黒い空』
出版元 朝日新聞社
出版年月日 1988年8月15日
装幀 麹谷宏
題字 松本清張
ウィキポータル 文学 ポータル 書物
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黒い空』(くろいそら)は、松本清張の長編推理小説。「歌のない歌集」第2話として『週刊朝日』に連載され(1987年8月7日号 - 1988年3月25日号)、1988年8月に朝日新聞社から刊行された。

1990年にテレビドラマ化されている。

あらすじ[編集]

八王子高尾街道の丘陵に聳える白亜の結婚宴会場・観麓会館。その庭園には擬岩石を利用した滝壺が構築され、白い瀑布が婚礼客を嘆賞させていた。しかしやがて、黒い凶兆の声が空を覆い、第一の殺人が発生する。

主な登場人物[編集]

高尾街道入口
  • 原作における設定を記述。
山内善朗
定子の婿養子。ヨーロッパの建築デザインを勉強していたが、経営者としては無能で、蔭で社員の失笑の的になっている。
山内定子
山内上杉家の嫡流。観麓会館会長にして山内コンツェルンの総帥。因みに観麓会館の名称は管領職のもじり。
千谷規子
定子に見込まれて採用された、観麓会館の経理部会計係。帳簿の数字に呑み込みが早い。
難波為利
秋川に在する御室熊野神社の禰宜で、観麓会館の祭主を務める。その神紋は亀甲に割菊を配したもの。
小原甚十
日高町高麗本郷の百姓と称し、観麓会館に現れた、話し好きの男。歴史に詳しい。

エピソード[編集]

  • ミステリ評論家の千街晶之は、「新本格がスタートした頃、清張は極めてホラー的・伝奇的要素が色濃い犯罪小説を執筆していた」と述べ、「三角関係と裏金の発覚を動機とする卑近な犯罪に、普通ならば水と油と言うべき、ホラー的とも言える伝奇小説の要素をブレンドすることによって、『黒い空』は清張作品としても他に類例がない、奇妙な味わいの小説に仕上がっている」と評している[1]

翻訳[編集]

関連項目[編集]

テレビドラマ[編集]

松本清張サスペンス
黒い空
ジャンル テレビドラマ
原作 松本清張『黒い空』
脚本 大野靖子
演出 長尾啓司
出演者 藤竜也ほか
製作
制作 テレビ朝日
放送
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間1990年3月24日
放送時間21:02 - 23:21
放送枠土曜ワイド劇場
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松本清張サスペンス・黒い空」。1990年3月24日テレビ朝日の「土曜ワイド劇場」枠(21:02-23:21)にて放映。視聴率19.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)[2]

キャスト
スタッフ
テレビ朝日系列 土曜ワイド劇場
前番組 番組名 次番組
松本清張サスペンス
黒い空
(1990.3.24)
美人秘書殺し
(1990.3.31)

脚注・出典[編集]

  1. ^ 千街晶之「『黒い空』の謎」(『松本清張研究』第十一号(2010年、北九州市立松本清張記念館)収録)参照。
  2. ^ 林悦子『松本清張映像の世界 霧にかけた夢』(2001年、ワイズ出版)参照。