鴻池留衣

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鴻池 留衣
(こうのいけ るい)
誕生 (1987-02-01) 1987年2月1日(37歳)
日本の旗埼玉県川口市
言語 日本語
国籍 日本の旗 日本
最終学歴 慶應義塾大学文学部仏文科中退
活動期間 2016年 -
ジャンル 小説
代表作 『ジャップ・ン・ロール・ヒーロー』(2019年)
主な受賞歴 新潮新人賞(2016年)
デビュー作 「二人組み」(2016年)
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鴻池 留衣(こうのいけ るい、1987年昭和62年)2月1日[1] - )は、日本小説家

経歴・人物[編集]

埼玉県川口市出身、東京都在住。埼玉県立熊谷高等学校卒業[2]慶應義塾大学文学部仏文科中退。

高校時代は帰宅部で、放課後は熊谷深谷周辺の工業団地などを徘徊していた[2]>。

なお、高校では2学年上にカズレーザーがいる。

会員制交流サイト(SNS)の「ミクシィ」で、友人を楽しませようと自分が主人公の架空日記を書いているうちに、「小説を書きたい」という思いが募り、物語を書くようになった[2]

その後、大井町に住んでいる頃、ある日アパートの玄関から出て、ドアに鍵をかけた拍子にふと、「小説家になろう」と胸の中で呟き、小説家になることを決めた[3]

2016年、「二人組み」で第48回新潮新人賞を受賞しデビュー。2019年、「ジャップ・ン・ロール・ヒーロー」で第160回芥川龍之介賞候補。同作はウィキペディア日本語版からの転載という体裁で執筆された小説で、インターネット社会のポストトゥルースをテーマとしていると評された[4]

2010年頃、新橋築地仲卸業者直営の居酒屋チェーンで勤務しており、「ナイス☆エイジ」「スーパーラヴドゥーイット」では同店舗をモデルとした店が登場する[3]

好きな小説は谷崎潤一郎の「春琴抄」で、いつも傍に置いておきたいと思うくらいに好き[5]

作風等[編集]

デビュー作で新潮社新人賞を受賞した「二人組み」は、「自意識の強い中学生男子にとって、本来ならば他人に最も見られたくないものを見せるに至るまでの物語にできないか?」というテーマで書かれた[5]

「フェミニストのままじゃいられない」は令和3年11月30日付読売新聞「文芸月評」において「虚構が現実を変えていく瞬間を捉えた作品」と評された。

作品リスト[編集]

単行本[編集]

  • 『ナイス・エイジ』(新潮社、2018年1月、ISBN 978-4-10-351461-9
    • 「ナイス・エイジ」 - 『新潮』2017年7月号
    • 「二人組み」 - 『新潮』2016年11月号
  • 『ジャップ・ン・ロール・ヒーロー』(新潮社、2019年1月、ISBN 978-4-10-351462-6
    • 「ジャップ・ン・ロール・ヒーロー」 - 『新潮』2018年9月号

雑誌掲載作品[編集]

  • 「最後の自粛」 - 『新潮』2020年6月号
  • 「わがままロマンサー」 - 『文學界』2020年12月号
  • 「スーパーラヴドゥーイット」 - 『すばる』2021年2月号
  • 「フェミニストのままじゃいられない」 - 『文學界』2021年12月号
  • 「じゃじゃ馬ロマンサー」 - 『文學界』2022年4月号
  • 「すみれにはおばけがみえた」 - 『すばる』2023年3月号
  • 「はじめての心中」 - 『新潮』2023年8月号

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 第160回芥川龍之介賞候補に6作:「平成くん、さようなら」古市憲寿をはじめ4名が初ノミネート - ほんのひきだし、2018年12月17日
  2. ^ a b c 芥川賞候補、川口出身の作家・鴻池留衣さん「運がよかった」 ウィキペディアの体裁、今の時代を色濃く反映”. www.saitama-np.co.jp (2019年2月11日). 2020年8月5日閲覧。
  3. ^ a b 僕が住む町の話。 / 文・鴻池留衣 POPEYE Web”. popeyemagazine.jp. 2022年3月28日閲覧。
  4. ^ ポストトゥルースな「作」と「分断」 今月の文芸誌 | レビュー”. Book Bang -ブックバン-. 2020年8月11日閲覧。
  5. ^ a b 新潮 2016年11月号”. 新潮社. 2022年3月28日閲覧。

外部リンク[編集]