高田瑞穂

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高田 瑞穂(たかだ みずほ、1910年(明治43年)5月13日 - 1987年(昭和62年)1月10日)は、日本の近代文学者。成城大学名誉教授

生涯[編集]

早稲田大学お茶の水女子大学などの非常勤講師も務めた。耽美派や芥川龍之介などの研究で知られる。多くの研究書と啓蒙書、3冊の受験参考書がある。

『新釈現代文』に関して[編集]

1960年(昭和35年)9月に新塔社で刊行された『新釈 現代文』は、現代文を読むための「たった一つのこと」だけを説いた高校生、大学受験生向けの本である。約20数年間、現代国語の受験参考書としてベストセラーとなった。「たった一つのこと」とは、文脈を追跡するための「内面的運動感覚」である。論旨の展開を追跡する論理感覚とでもいうものであった。1986年(昭和61年)3月最終重版後は、同書は長らく絶版だったが、2009年6月に至り、ちくま学芸文庫で新版復刊された。巻末の石原千秋「解説--人生と研究と参考書」で、近代を知るための思想書としても価値があると説かれている。

著書[編集]

  • 木下杢太郎』天明社, 1949
  • 志賀直哉とその作品』学友社, 1949
  • 『志賀直哉』成城国文学会, 1949、学燈文庫, 1954、新版1980ほか
  • 横光利一』市ヶ谷出版, 1951
  • 『現代文の学び方』至文堂, 1955
  • 『新釈 現代文』新塔社, 1959、新版1984/ちくま学芸文庫, 2009 
  • 『反自然主義文学』明治書院, 1963
  • 『現代小説』学燈社・学燈文庫, 1963、新版1985
  • 『近代耽美派 心象と方法』塙書房・塙選書, 1967
  • 『近代文学の明暗』清水弘文堂書房, 1971
  • 萩原朔太郎研究』三弥井書店, 1973
  • 芥川龍之介論考』有精堂出版・有精堂選書, 1976
  • 『日本近代詩史』早稲田大学出版部, 1980
  • 『大正文学論』有精堂出版, 1981
  • 『日本近代文学の宿命』明治書院「国文学研究叢書」, 1982
  • 『現代文読解の根底』新塔社, 1982/ちくま学芸文庫, 2014  
  • 夏目漱石論 漱石文学の今日的意義』明治書院, 1984
  • 『日本近代作家の美意識』明治書院「国文学研究叢書」, 1987

編著[編集]

関連項目[編集]

参考文献[編集]

  • 「高田瑞穂教授略歴・著作目録(高田瑞穂教授古稀慶賀)」成城国文学論集13、1981年

外部リンク[編集]