郭公だんご

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空飛ぶだんご

郭公だんご(かっこうだんご)は、岩手県一関市にある磐井川中流の渓谷・厳美渓をロープによって横断する独特の団子販売方法である。販売元は厳美渓渓谷に作られた茶屋「かっこう屋」。名前の由来は、店名の「かっこう屋」・創業者の千葉酉吉が郭公(鳥)の物真似が得意であったこと、団子が空を「滑降」する等色々ある。

概要[編集]

団子の種類はあん団子、ごま団子、みたらし団子[1]の3種類。刺してある団子の数は5つ。これはこの辺りが古くは五串(いつくし)村と呼ばれていたことに由来。

茶屋「かっこう屋」から、対岸に設けられた休憩所(高低差は下)に縄を張り(現在はワイヤーロープになっている)、休憩所にある移動式の竹籠に必要分の金額のお金を入れ、備え付けの木で板を叩き、茶屋「かっこう屋」から団子を販売する。この時の様子が「空飛ぶだんご」として知られ、名物となっている。4代目の千葉晴夫は2020年令和2年)に逝去し、現在は5代目の千葉陽介と4代目の弟である信義ら店舗スタッフが団子を販売。茶屋「かっこう屋」には赤い帽子にちゃんちゃんこを着た初代創業者、千葉酉吉を模した手製の木製像が置かれ、観光客を見守っている。

歴史[編集]

創業は1878年明治11年)。創業者は千葉酉吉(旧:厳美村出身)。当時、茶屋で出していた団子を対岸の観光客にも販売出来るようにと考案したものである。

酉吉は郭公の物真似が非常に上手く、茶屋に訪れる観光客へ聞かせ非常に喜ばれたという。 1937年昭和12年)、閑院宮載仁親王智恵子妃夫妻が厳美渓を訪問した際に名物となっただんご作りを実演して献上し、自慢の郭公鳥の物真似を披露した所、大変喜ばれ、 御賞詞と金一封を賜った。この時、渓流を眺められた場所を御覧場と称し、 現在はその場所に記念碑が立てられている。

脚注[編集]

  1. ^ 明記は醤油だんごであるが、同県で作られる醤油だんごとは別物。

関連項目[編集]