西山大希

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
西山 大希
基本情報
ラテン文字 Daiki Nishiyama
原語表記 にしやま だいき
日本の旗 日本
出生地 広島県の旗広島県東広島市
生年月日 (1990-11-20) 1990年11月20日(33歳)
身長 179cm
体重 100kg
選手情報
階級 男子100kg級
所属 新日鉄住金
段位 四段
引退 2021年
獲得メダル
日本の旗 日本
柔道
世界柔道選手権
2010 東京 90kg級
2011 パリ 90kg級
世界団体
2014 チェリャビンスク 90kg級
グランドスラム
2011 パリ 90kg級
2016 パリ 90kg級
2009 東京 90kg級
2010 モスクワ 90kg級
2011 モスクワ 90kg級
2014 東京 90kg級
2010 リオ 90kg級
2013 東京 90kg級
2015 東京 90kg級
2016 東京 90kg級
世界ジュニア
2009 パリ 90kg級
テンプレートを表示

西山 大希(にしやま だいき、1990年11月20日 - )は、広島県東広島市出身の日本柔道家[1]。階級は100kg級。身長179cm。得意技は大外刈[2]。73kg級の西山雄希は弟にあたる。2013年から新日鉄住金に所属している[3]

人物[編集]

柔道は7歳の時に始めた[2]東広島市立西条中学の頃から全国レベルで活躍して、桐蔭学園高等学校2年の時にインターハイで3位になり、3年の時には2位となった[4][5]筑波大学に進学後、全日本ジュニアを制して世界ジュニアでは3位となった。さらにシニアの大会である講道館杯でも3位となった[2]

その後、グランドスラム・東京では、初戦で世界チャンピオンの李奎遠を破るも、決勝では高校、大学の先輩である小野卓志に敗れて2位に終わった[6]

2010年には、ワールドカップ・ウィーンでシニアの国際大会初優勝を果たした[2]選抜体重別では、決勝で小野に一本負けするものの、世界選手権代表に選出された。2010年9月に東京で開催された世界柔道選手権大会90kg級では決勝まで勝ち上がるも、ギリシャのイリアス・イリアディスに敗れて銀メダルに終わった[7]

2011年にはグランドスラム・パリワールドカップ・ブダペストで国際大会2連勝を成し遂げて世界選手権代表に選ばれた。世界選手権では準決勝で小野を破ったが、決勝でイリアディスと再戦するもまたもや一本負けを喫して、2年連続の銀メダルに終わった[8]

2012年5月の体重別では準決勝で千葉県警加藤博剛小内巻込で一本負けを喫してロンドンオリンピック代表には選出されなかった[9]

8月には練習中に前十字靱帯を断裂して、復帰までに約1年かかることになった。また、ロンドンオリンピックの柔道競技に関する感想を尋ねられると、「自分が出ていたら、勝ってたなって思いました」とも述べた[10]

2013年11月には復帰戦となる講道館杯に出場するが、3位にとどまった。2014年の選抜体重別では初戦で敗れたものの、6月には世界団体のメンバーに追加で選出された[11]。また、グランプリ・ブダペストでは優勝した[12]。8月の世界団体では優勝メンバーの一員として名を連ねることになった[13]。11月の講道館杯では男子90kg級で初優勝を飾り、前日に73kg級を制した弟の雄希とともに兄弟優勝を果たすこととなった[14][15]。12月のグランドスラム・東京では決勝で韓国の郭同韓に敗れて2位に終わった[16]。2015年2月のグランプリ・デュッセルドルフでは郭を技ありで破って3位になった。4月の体重別では準決勝で旭化成吉田優也内股で敗れて世界選手権代表には選ばれなかった。5月のアジア柔道選手権大会では郭に背負投で敗れて2位だったが、団体戦では優勝を飾った[17][18]。12月のグランドスラム・東京では3位にとどまった[19]

2016年2月のグランドスラム・パリでは準々決勝で世界チャンピオンとなった郭を有効で破るなどして決勝まで進むと、地元フランスのアレクサンドル・イディーを上四方固で破って、今大会5年ぶり2度目の優勝を飾った[20]。4月の選抜体重別では決勝で東海大学4年のベイカー茉秋を指導1で破って今大会初優勝を飾ったものの、リオデジャネイロオリンピック代表には選出されなかった[21][22]。12月のグランドスラム・東京では3位だった[23]

2017年2月のグランプリ・デュッセルドルフでは準々決勝で地元ドイツの選手に敗れるなどして3位だった[24]。4月の体重別では初戦で敗れた。その後階級を100kg級に上げると、8月の実業個人選手権決勝では綜合警備保障熊代佑輔を技ありで破って優勝した[25]。11月の講道館杯では準決勝で国士舘大学1年の飯田健太郎大外返で敗れて3位だった[26]グランドスラム・東京では3回戦でトマ・ニキフォロフ小外掛で敗れた[27]

2018年4月の体重別では決勝で綜合警備保障熊代佑輔に反則勝ちして、2年前の90kg級に続いて今大会2度目の優勝を飾った[28]。続く全日本選手権では3回戦でJRA影浦心にGS含めて8分近い戦いの末に反則勝ちするも、準々決勝で過去5戦5敗の加藤博剛に送襟絞で敗れて5位だった[29]。5月のグランプリ・フフホトでは準々決勝でエストニアのグリゴリ・ミナシュキンに袖釣込腰で敗れるも、その後敗者復活戦を勝ち上がって3位になった[30][31]。11月の講道館杯では3位だった[32]

2019年9月の実業個人選手権には100kg超級に出場すると、決勝で熊代に敗れて2位だった。11月の講道館杯では従来の100kg級に出場すると、決勝で旭化成羽賀龍之介に反則負けして2位だった[33]グランドスラム・大阪では準々決勝でウズベキスタンのムハマドカリム・フラモフに背負投で敗れると、敗者復活戦でもヨーロッパチャンピオンであるロシアのアルマン・アダミアン小外刈で敗れて7位に終わった[34]

2020年11月の講道館杯では決勝で飯田に燕返しで敗れて2位だった[35]

2021年10月には現役引退を表明した。今後は柔道ジュニア日本代表チームのコーチを務めることになった[36]

戦績[編集]

90kg級での戦績

100kg級での戦績

(出典[2]、JudoInside.com)

脚注[編集]

  1. ^ 辛口監督も絶賛!期待の星・西山兄弟(柔道) スポーツニッポン 2009年12月16日
  2. ^ a b c d e 「柔道全日本強化選手名鑑 2018」近代柔道 ベースボールマガジン社、2018年4月号
  3. ^ 柔道の西山大が新日鉄へ 日刊スポーツ 2012年6月2日
  4. ^ 広島勢、仕上がり上々 世界柔道合宿を公開 中国新聞 2010年8月25日
  5. ^ 市長からのエール!! - 東広島市公式ホームページ
  6. ^ 男子90キロ級はベテラン小野がV/柔道 日刊スポーツ 2009年12月12日
  7. ^ 新星出現!19歳西山、悔しい銀/世界柔道 サンケイスポーツ 2009年9月11日
  8. ^ 男子90キロ西山は銀/世界柔道 日刊スポーツ 2011年8月27日
  9. ^ 西山大は準決勝敗退にショック「当分柔道から離れます」 スポーツニッポン 2012年5月13日
  10. ^ 「自分が出ていたら勝っていた」 手術後でもさっぱり、西山大希 福井新聞 2012年10月23日
  11. ^ 西山大希、団体戦で代表入り 日刊スポーツ 2014年6月8日
  12. ^ 田知本、西山が優勝=柔道グランプリ 時事通信 2014年6月23日
  13. ^ 男子が団体金、女子は銅 柔道世界選手権 日本経済新聞 2014年8月31日
  14. ^ 浅見、2年ぶり優勝=17歳嶺井は初制覇-講道館杯柔道 時事通信 2014年11月9日
  15. ^ 西山、弟に続くVに胸張る「兄のメンツを示したかった」/柔道 サンケイスポーツ 2014年11月9日
  16. ^ 90キロ級2位の西山大「収穫はあまりない」/柔道 サンケイスポーツ 2014年12月7日
  17. ^ 梅木、長島、高木が優勝 柔道アジア選手権 日刊スポーツ 2015年5月15日
  18. ^ 日本、男女とも団体優勝=柔道アジア選手権 時事通信 2015年5月16日
  19. ^ Tokyo Grand Slam 2015, Japan
  20. ^ 原沢、西山、田知本愛がV 柔道GSパリ大会最終日 産経新聞 2016年2月8日
  21. ^ 原沢久喜が七戸を撃破100キロ超級で初優勝 柔道 日刊スポーツ 2016年4月2日
  22. ^ 柔道五輪代表に近藤亜美、松本薫、大野将平ら発表 日刊スポーツ 2016年4月3日
  23. ^ Judo Grand-Slam Tokyo 2016
  24. ^ 男子100キロ超級、影浦が原沢破りV 柔道GP大会 日本経済新聞 2017年2月27日
  25. ^ 全日本実業柔道個人選手権大会結果
  26. ^ 平成29年度講道館杯全日本柔道体重別選手権大会
  27. ^ Grand Slam Tokyo 2017
  28. ^ 西山が2階級制覇「なかなか経験できないのでうれしい」/柔道 サンケイスポーツ 2018年4月8日
  29. ^ 平成30年全日本柔道選手権大会
  30. ^ 佐藤、素根が優勝=柔道 時事通信 2018年5月27日
  31. ^ Grand-Prix Hohhot 2018
  32. ^ 平成30年度講道館杯全日本柔道体重別選手権大会
  33. ^ 2019年度講道館杯全日本柔道体重別選手権大会
  34. ^ 柔道グランドスラム大阪2019
  35. ^ 2020年度講道館杯全日本柔道体重別選手権大会
  36. ^ 世界銀の西山大希が現役引退 男子ジュニアコーチに就任/柔道 サンケイスポーツ 2021年10月13日

外部リンク[編集]