穂積隆信

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ほづみ たかのぶ
穂積 隆信
本名 鈴木 隆信[1]
別名義 穂積 隆信(旧姓)
生年月日 (1931-07-20) 1931年7月20日
没年月日 (2018-10-19) 2018年10月19日(87歳没)
出身地 日本の旗 日本静岡県田方郡大仁町(現:伊豆の国市
死没地 日本の旗 日本神奈川県
身長 172 cm[2]
血液型 A型
職業 俳優
声優
ジャンル 映画
テレビドラマ
テレビアニメ
吹き替え
活動期間 1950年代 - 2018年
配偶者 あり(離婚歴あり)
著名な家族 穂積由香里(娘)
穂積忠(父)
穂積忠彦(兄)
穂積生萩(義姉〈兄嫁〉)
事務所 マウスプロモーション(最終所属)
主な作品
テレビドラマ
飛び出せ!青春
われら青春!
俺たちの旅
吹き替え
アダムズのお化け一家
ゴッドファーザー
バック・トゥ・ザ・フューチャーシリーズ
スピード
アニメ
幻魔大戦
WXIII 機動警察パトレイバー
著書
積木くずし
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穂積 隆信(ほづみ たかのぶ、本名;鈴木 隆信、1931年7月20日[1][3][4] - 2018年10月19日)は、日本俳優声優。最終所属はマウスプロモーション静岡県伊豆の国市(旧:田方郡大仁町)出身。静岡県立韮山高等学校卒業[5]

来歴[編集]

父の穂積忠は折口信夫北原白秋門下の歌人国文学者。兄の穂積忠彦は酒類評論家。忠彦は折口唯一の女弟子として知られる澤木数枝と、折口の媒酌で結婚した。

出生名は「穂積隆信」だが、1960年頃、親戚との養子縁組により「鈴木」に改姓。しかし芸能活動、著書などでは引き続き穂積姓を名乗る。前妻、娘も著書出版、メディアへの露出時には穂積を名乗っている。

1951年俳優座養成所3期生を卒業[4]。同期には愛川欽也渥美国泰楠侑子塚本信夫がいる。1954年5月、劇団新人会に入団し、1960年10月に退団[3]。1961年に劇団新劇場の創設に参加し[6]、代表となる[7]

若い頃より脇役として各映画会社の作品に出演。テレビ全盛期にはテレビドラマへも進出し、腰巾着的な役どころや悪役として活躍。

洋画吹き替えではイーライ・ウォラッククリストファー・ロイドなどを主に担当した。

実の娘で後にタレントとなった由香里との家庭内での葛藤の記録をまとめたノンフィクション積木くずし』シリーズ3部作(『積木くずし〜親と子の200日戦争』『続・積木くずし』『積木くずし崩壊 そして…』)の執筆でも話題を集め、連日、教育関連の講座・講演に多数出演した。これらの著書はテレビドラマ化・映画化もされ、そのヒットにより多額の印税を得るが、その反動や悪徳会計士により多額の負債を抱えた。

最初の妻・美千子は2001年にアパートで自殺し、娘・由香里も2003年に自宅で亡くなった。

1993年再婚した妻の玲子と2人暮らしをしていたが、2010年に彼女が脳梗塞で倒れて以降は穂積が介護をしていた。

2012年発行の自著においては、未だに多額の負債を背負っていることを明かした。

2018年10月19日胆嚢がんのため、神奈川県病院で死去[8][9]。87歳没。なお、本人の生前の希望により遺体は献体された[10]

人物[編集]

柳生博と共演が多く、柳生とは『飛び出せ!青春』『われら青春!』など学園ドラマでの腰巾着コンビで人気を得た。

島倉千代子佐藤オリエとは長らく家族ぐるみで交流しており、両人は娘とも接触が多々あり、『積木くずし』映像化の際には実名・本人役で出演している。

ゴッドファーザー』のジェームズ・カーンと『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズのロイドの吹き替えは「名演技」と評されている[11]

ピラニア3D』の吹き替えで再びロイドの声を当て、ファンからは数多くのファンレターが送られた[12]

著作権上、放映もソフト化も不可能とされ、「幻のホラー映画」とされている『シェラ・デ・コブレの幽霊』で1回だけの放映時に吹き替えを担当した。

十二人の怒れる男』では山内雅人と共に1957年版、1997年版の両方で吹き替えを担当した(役柄はそれぞれ別)。

出演作品(俳優)[編集]

映画[編集]

テレビドラマ[編集]

舞台[編集]

バラエティ[編集]

その他[編集]

出演作品(声優)[編集]

吹き替え[編集]

俳優[編集]

イーライ・ウォラック
クリストファー・ロイド
デニス・ホッパー
ピーター・フォーク
ベン・ジョンソン
ロバート・ショウ

映画[編集]

ドラマ[編集]

人形劇[編集]

テレビアニメ[編集]

劇場アニメ[編集]

OVA[編集]

ゲーム[編集]

人形劇[編集]

ラジオドラマ[編集]

著書[編集]

著作物のドラマ化[編集]

  • 2夜連続秋のヒューマンドラマスペシャル 積木くずし真相 〜あの家族、その後の悲劇〜(フジテレビ)2005年9月2日-9月3日
  • 積木くずし 最終章(フジテレビ)2012年11月23日 - 11月24日

関連図書[編集]

  • 『愛を積む』(著:穂積美千子)(1983年9月)桐原書店
  • 『残影 積木くずしから激動の五年』(著:穂積美千子)(1987年7月)ワニブックス ISBN 4847010469
  • 『娘の積木くずし』 (著:穂積由香里)(1991年4月)データハウス ISBN 4887181027
  • 『穂積由香里写真集』(1987年8月15日)近代映画社 ISBN 4-7648-1447-1

穂積隆信に該当する役を演じた俳優[編集]

  • 穂高信彦:前田吟(積木くずし〈1983年、TBS〉)
  • 穂波高介:藤田まこと(積木くずし〈1983年〉) ※映画版
  • 貝谷隆一:長門裕之(積木くずし〈1984年〉) ※舞台版
  • 泉信隆:高田純次(1994年、テレビ東京、積木くずし 崩壊、そして)
  • 稲場信悟:舘ひろし(2005年、フジテレビ、「積木くずし真相 〜あの家族、その後の悲劇〜」)
  • 安住信幸:中村雅俊(2012年、フジテレビ、積木くずし 最終章)

参考文献[編集]

  • 「新劇便覧」『テアトロ』、カモミール社、1965年8月。 

脚注[編集]

  1. ^ a b 『声優名鑑』成美堂出版、1999年、620頁。ISBN 4-415-00878-X 
  2. ^ 『日本タレント名鑑(2018年版)』VIPタイムズ社、2018年1月25日、332頁。ISBN 978-4-904674-09-3 
  3. ^ a b 新劇便覧 1965, p. 310, 新劇俳優名鑑
  4. ^ a b 「ふ - ほ」『タレント名鑑』《NO2》芸能春秋社、1963年、85頁。 
  5. ^ 『日本タレント名鑑(2007年版)』VIPタイムズ社、2007年4月1日、338頁。ISBN 978-4-9901242-6-7 
  6. ^ 藤井克郎 (2018年11月29日). “俳優・穂積隆信さん 芝居が心のよりどころ”. 産経新聞. https://www.sankei.com/article/20181129-6AYAQ46QZVNIDP7OHLWG25L45E/ 2023年8月22日閲覧。 
  7. ^ 新劇便覧 1965, p. 375, 劇団
  8. ^ 「積木くずし」穂積隆信さん、死去の7カ月前から生活保護に 所得税延滞金700万円抱え、年金0の壮絶晩年 (1/3) 〈週刊朝日〉”. AERA dot. (アエラドット) (2018年10月28日). 2020年12月12日閲覧。
  9. ^ 俳優の穂積隆信さん死去 娘との実話「積木くずし」著者”. 朝日新聞デジタル (2018年10月20日). 2020年11月21日閲覧。
  10. ^ “「積木くずし」穂積隆信さん、死去 胆のうがん87歳”. スポーツ報知. (2018年10月20日). https://hochi.news/articles/20181020-OHT1T50079.html 2019年6月16日閲覧。 
  11. ^ 吹替の帝王 コラム(2012年11月におけるアーカイブ)”. 2023年9月24日閲覧。
  12. ^ 穂積隆信の本人談により[要出典]
  13. ^ 岡田晋吉『青春ドラマ夢伝説〜あるプロデューサーのテレビ青春日誌』日本テレビ放送網、2003年、141頁。ISBN 4-8203-9863-6 
  14. ^ ピラニア リターンズ”. ふきカエル大作戦!!. 2017年5月7日閲覧。
  15. ^ スーパーマリオ 魔界帝国の女神 Blu-ray 普及版”. TCエンタテインメント. 2024年2月19日閲覧。
  16. ^ スピード”. 金曜ロードSHOW!. 2016年8月4日閲覧。
  17. ^ フレンジー[吹]日曜洋画劇場版”. STAR CHANNEL. 2023年11月13日閲覧。
  18. ^ CYBERSIX”. テレコム・アニメーションフィルム. 2016年7月7日閲覧。
  19. ^ スタッフ&キャスト”. パタパタ飛行船の冒険 公式サイト. 2002年10月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年5月7日閲覧。
  20. ^ “ルパン三世 天使の策略 〜夢のカケラは殺しの香り〜”. トムス・エンタテインメント. https://web.archive.org/web/20140826180531/http://www.tms-e.co.jp/search/introduction.php?pdt_no=471 2016年5月2日閲覧。 
  21. ^ パトレイバー WXIII”. マッドハウス. 2016年6月17日閲覧。
  22. ^ ドラえもん のび太とロボット王国”. メディア芸術データベース. 2016年10月30日閲覧。
  23. ^ ドラえもん のび太とふしぎ風使い”. メディア芸術データベース. 2016年10月2日閲覧。
  24. ^ ぼくの孫悟空”. 手塚治虫公式サイト. 2016年5月21日閲覧。
  25. ^ 名探偵コナン 紺碧の棺”. メディア芸術データベース. 2016年10月24日閲覧。

外部リンク[編集]