知床斜里駅

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知床斜里駅[* 1]
駅舎(2008年9月)
しれとこしゃり
Shiretoko-Shari
B71 中斜里 (4.6 km)
(11.5 km) 止別 B73
地図
所在地 北海道斜里郡斜里町港町17
北緯43度54分39秒 東経144度39分42秒 / 北緯43.910972度 東経144.661608度 / 43.910972; 144.661608座標: 北緯43度54分39秒 東経144度39分42秒 / 北緯43.910972度 東経144.661608度 / 43.910972; 144.661608
駅番号 B72
所属事業者 北海道旅客鉄道(JR北海道)
所属路線 釧網本線
キロ程 128.9 km(東釧路起点)
電報略号 シヤ[1]
駅構造 地上駅
ホーム 2面3線
乗降人員
-統計年度-
248人/日
-2018年-
開業年月日 1925年大正14年)11月10日
備考 直営駅管理駅
みどりの窓口
  1. ^ 1998年平成10年)4月11日に斜里駅から改称。
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斜里駅
しゃり
Shari
(4.6 km) 以久科
所在地 北海道斜里郡斜里町港町
所属事業者 日本国有鉄道
所属路線 根北線
キロ程 0.0 km(斜里起点)
駅構造 地上駅
開業年月日 1957年昭和32年)11月10日
廃止年月日 1970年(昭和45年)12月1日
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知床斜里駅(しれとこしゃりえき)は、北海道斜里郡斜里町港町にある北海道旅客鉄道(JR北海道)釧網本線である。駅番号B72

事務管理コードは▲111616[2]。かつては根北線が接続していた。

歴史[編集]

1977年の斜里駅(当時)と周囲約500m×750m範囲。左が網走方面。右にこの写真の7年前に廃止された根北線の軌道跡が真っ直ぐ伸びている。右側下へカーブしてゆくのが本線釧路方面。駅舎は鉄筋コンクリート製に改築されているが、一方駅裏の転車台と車庫を持つ小さな機関区は、蒸気機関車時代の施設を殆んど残している。相対式ホーム2面3線と外側に4本の留置用、または仕分用の側線、そこから機関区へ伸びる入出庫線。さらにその外に保線車両用と思しき車庫と引込み線。写真外の駅裏網走方面にある木工場前へ、本線に併行して引込み線が引かれている。駅舎横の釧路側にある大きな屋根の取扱所を持つ切り欠き形の貨物ホームへは、釧路側より途中留置線を挟みながら2本の引込み線となって引き込まれている。 この後、貨物ホームの引込み線や、網走側の木工場の引込み線が撤去され、貨物ホームは埋められて駐車場になり、駅裏の貨物用側線は間引かれ、最終的には1本だけ留置もしくは待避用として残り、代わりに車庫が置かれた。転車台もかなり後まで残されていたが、こちらも現在は撤去されている。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成

駅名の由来[編集]

もともと所在町名から「斜里」の名称であったが、当駅が知床半島観光の玄関口であることから、全国的に知名度が高い「知床」の名を冠して観光客にアピールする狙いから改称した[14][15]

この改名は観光客・乗降客の減少に危機感を持った地元観光協会などが1997年(平成9年)に「斜里駅の改称を求める会」を結成しJR北海道に要望したことで実現し、改称に伴う経費は地元が負担した[14]

駅構造[編集]

2面3線の島式ホーム単式ホームのある地上駅。2・3番のりばへは跨線橋(古レール使用[JR北 1])で連絡する。廃止された根北線は3番のりばに発着していた。

駅舎は2007年(平成19年)に従来の駅舎を増改築したもので、正面向かって左側がもともとの鉄筋コンクリート造の駅舎(JR北海道所有)、右側が木造の増築部分(町所有の観光センター)である[JR北 1]。設計は川人洋志が手掛けた[JR北 1]。デザインコンセプトは「『記憶の駅』:旅人の、そして、ここに集う人々の記憶を紡いでいく場所」であり、外構・内装ともにカラマツ集成材が用いられている[JR北 1]

駅舎内はみどりの窓口のほか、売店・自販機・ロッカーを備え、増築した観光センターには観光案内所のほかトイレ・展示スペースを備えている[JR北 1]

社員配置駅であり、夜間は営業上での無人駅扱いとなるが、運転扱いの駅員は終日配置され、車両の留置も行われる。管理駅として、 - 鱒浦間の各駅を管理下に置いている。

のりば[編集]

番線 路線 方向 行先 備考
1 釧網本線 下り 釧路方面
2 上り 網走北見方面
3 下り 釧路方面 臨時列車など一部
上り 網走方面

利用状況[編集]

乗車人員の推移は以下のとおり。年間の値のみ判明している年については、当該年度の日数で除した値を括弧書きで1日平均欄に示す。乗降人員のみが判明している場合は、1/2した値を括弧書きで記した。

また、「JR調査」については、当該の年度を最終年とする過去5年間の各調査日における平均である。

年度 乗車人員 出典 備考
年間 1日平均 JR調査
1990年(平成02年) (82,500.0) (226.0) [14] 年間乗降人員:16.5万人、千人未満端数不明。
1992年(平成04年) (451.5) [16] 一日平均乗降客数:906
1996年(平成08年) (62,000.0) (169.9) [14] 年間乗降人員:12.4万人、千人未満端数不明。
2016年(平成28年) 106.8 [JR北 2]
2017年(平成29年) 101.6 [JR北 3]
2018年(平成30年) 94.4 [JR北 4]
2019年(令和元年) 91.8 [JR北 5]
2020年(令和02年) 92.0 [JR北 6]
2021年(令和03年) 94.8 [JR北 7]
2022年(令和04年) 94.8 [JR北 8]

駅周辺[編集]

斜里町の中心駅で、斜里港・オホーツク海に近い。駅前にはバスターミナルとホテルがあり、北海道道沿いを中心に公共施設などが点在する。国道244号国道334号からはやや距離がある。

バス路線[編集]

斜里バスターミナル

斜里バス(一部他社と共同運行)によりウトロ温泉方面・網走方面路線バス、札幌方面都市間バスが駅前の「斜里バスターミナル」に発着する。

隣の駅[編集]

北海道旅客鉄道(JR北海道)
釧網本線
普通・普通「しれとこ摩周号
止別駅 (B73) - 知床斜里駅 (B72) - 中斜里駅 (B71)

かつて存在した路線[編集]

日本国有鉄道
根北線
斜里駅 - 以久科駅

撮影・ロケ[編集]

脚注[編集]

出典[編集]

  1. ^ 宮脇俊三原田勝正 著、二見康生 編『北海道630駅』小学館〈JR・私鉄各駅停車〉、1993年6月20日、139頁。ISBN 4-09-395401-1 
  2. ^ 日本国有鉄道営業局総務課 編『停車場一覧 昭和41年3月現在』日本国有鉄道、1966年、246頁。doi:10.11501/1873236https://doi.org/10.11501/18732362023年4月2日閲覧 
  3. ^ 『鉄道百年の歩み』 pp. 83 - 84
  4. ^ 鉄道省年報. 昭和6年度』 - 国立国会図書館デジタルコレクション
  5. ^ 『鉄道百年の歩み』 p. 90
  6. ^ 『鉄道百年の歩み』 p. 94
  7. ^ 『鉄道百年の歩み』 p. 97
  8. ^ 『鉄道百年の歩み』 p. 102
  9. ^ a b 『鉄道百年の歩み』 p. 103
  10. ^ 『鉄道百年の歩み』 p. 105
  11. ^ a b 『鉄道百年の歩み』 p. 113
  12. ^ 『鉄道百年の歩み』 p. 116
  13. ^ 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 II』(初版)JTB、1998年10月1日、925頁。ISBN 978-4-533-02980-6 
  14. ^ a b c d e f 知床の知名度を活用し「知床斜里」に駅名を改称 JR北海道」『総合交通』第25巻第5号、総合交通社、1998年4月、46頁、doi:10.11501/28878482023年1月15日閲覧 
  15. ^ 太田幸夫 (2004-02-29). 北海道の駅 878ものがたり ~駅名のルーツ探求~ (1 ed.). 札幌市: 富士コンテム. p. 130. ISBN 4-89391-549-5 
  16. ^ 宮脇俊三原田勝正 著、二見康生 編『北海道630駅』小学館〈JR・私鉄各駅停車〉、1993年6月20日、136頁。ISBN 4-09-395401-1 
  17. ^ 『全国映画ドラマロケ地事典』p322 日外アソシエーツ編集(2011年)全国書誌番号:21946393

JR北海道[編集]

  1. ^ a b c d e f 知床斜里複合駅舎の建設工事着手について』(PDF)(プレスリリース)JR北海道、2007年5月9日。 オリジナルの2007年9月30日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20070930015125/http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2007/070509-5.pdf2023年1月15日閲覧 
  2. ^ 釧網線(東釧路・網走間)」(PDF)『線区データ(当社単独では維持することが困難な線区)』、北海道旅客鉄道、2017年12月8日。 オリジナルの2017年12月9日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20171209102545/http://www.jrhokkaido.co.jp/corporate/senku/pdf/senku/08.pdf2017年12月10日閲覧 
  3. ^ 釧網線(東釧路・網走間)」(PDF)『線区データ(当社単独では維持することが困難な線区)(地域交通を持続的に維持するために)』、北海道旅客鉄道株式会社、3頁、2018年7月2日。 オリジナルの2018年8月19日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20180818153329/http://www.jrhokkaido.co.jp/corporate/region/pdf/senku/08.pdf2018年8月19日閲覧 
  4. ^ 釧網線(東釧路・網走間)” (PDF). 線区データ(当社単独では維持することが困難な線区)(地域交通を持続的に維持するために). 北海道旅客鉄道. p. 3 (2019年10月18日). 2019年10月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年10月18日閲覧。
  5. ^ 釧網線(東釧路・網走間)” (PDF). 地域交通を持続的に維持するために > 輸送密度200人以上2,000人未満の線区(「黄色」8線区). 北海道旅客鉄道. p. 3 (2020年10月30日). 2020年11月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年11月2日閲覧。
  6. ^ 駅別乗車人員 特定日調査(平日)に基づく”. 北海道旅客鉄道. 2022年8月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月14日閲覧。
  7. ^ 駅別乗車人員 特定日調査(平日)に基づく”. 北海道旅客鉄道. 2022年9月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年9月3日閲覧。
  8. ^ 駅別乗車人員 特定日調査(平日)に基づく”. 北海道旅客鉄道. 2023年11月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年11月10日閲覧。

新聞記事[編集]

  1. ^ “知名度アップ狙い「知床斜里駅」出発”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (1998年4月12日)

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]