目取真俊

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目取真 俊(めどるま しゅん、1960年10月6日 - )は、日本小説家政治活動家芥川賞受賞者。本名、島袋正。

経歴[編集]

沖縄県国頭郡今帰仁村出身。沖縄県立北山高等学校を経て琉球大学法文学部卒業。期間工、警備員、塾講師などを経て県立高校の国語教師を務めるが、2003年に退職。在職中の1997年に『水滴』で第117回芥川賞を受賞。

沖縄の自然や風土、歴史に根ざした小説を発表している。『水滴』『魂込め』には、沖縄戦の記憶を背負って生きる庶民の姿が描かれている。2004年には小説「風音」を自ら脚本化し、東陽一監督によって映画化された。同作品はモントリオール世界映画祭でイノベーション賞を受賞した。主に短編が多いが、「虹の鳥」さは在日米軍沖縄の暴力団にからむ若者の姿を描いた長編である。季刊『前夜』1-12号に「眼の奥の森」という短編連作を発表し、沖縄語を使った表現も試みている。

小説以外にも地元の沖縄タイムス琉球新報をはじめ、新聞や雑誌にエッセー、評論などを発表している。基地問題や沖縄戦に関する発言が多く、最近は大江健三郎・岩波書店沖縄戦裁判教科書検定の問題についても書いている。

受賞歴[編集]

作品リスト[編集]

小説[編集]

  • 『水滴』(1997年、文藝春秋、2000年文庫)
  • 『魂込め(まぶいぐみ)』(1999年、朝日新聞社、2002年文庫)
  • 『群蝶の木』(2001年、朝日新聞社)
  • 『平和通りと名付けられた街を歩いて―目取真俊初期短編集』(2003年、影書房
  • 『風音 The Crying Wind』(2004年、リトル・モア[1]
  • 『虹の鳥』(2006年、影書房)
  • 『眼の奥の森』(2009年、影書房 ISBN 978-4-87714-393-0
  • 『目取真俊短篇小説選集』全3巻 影書房 2013
1 (魚群記) 2013
2 (赤い椰子の葉)
3 (面影と連れて)
  • 『ヤンバルの深き森と海より』影書房, 2020.1
  • 『魂魄の道』影書房,2023

評論・エッセイ[編集]

  • 『沖縄/草の声・根の意志』(2001年世織書房
  • 『沖縄「戦後」ゼロ年』(2005年日本放送出版協会・生活人新書) 
  • 『沖縄/地を読む 時を見る』(2006年、世織書房)
  • 『沖縄で考える教科書問題・米軍再編・改憲のいま 目取真俊講演録』第9条の会・オーバー東京 あーてぃくる9ブックレット 2008

共著[編集]

映画[編集]

  • 風音』(2004年、リトル・モア)脚本担当

その他[編集]

ドキュメンタリー[編集]

脚注[編集]

出典[編集]

  1. ^ リトルモアブックス|『風音 The Crying Wind』 目取真 俊”. リトル・モア. 2021年5月7日閲覧。
  2. ^ 死者は沈黙の彼方(かなた)に 作家・目取真俊”. NHK (2021年8月29日). 2021年8月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年9月11日閲覧。

外部リンク[編集]