田中信夫

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たなか のぶお
田中 信夫
プロフィール
本名 田中 信夫[1]
性別 男性
出身地 日本の旗 日本東京府東京市大森区大森(現:東京都大田区大森)[2]
死没地 日本の旗 日本・東京都
生年月日 (1935-08-01) 1935年8月1日
没年月日 (2018-10-17) 2018年10月17日(83歳没)
血液型 O型[注 1][4]
職業 声優俳優
事務所 東京俳優生活協同組合(最終)[5]
配偶者 あり
公称サイズ(時期不明)[6]
身長 / 体重 165 cm / 60 kg
声優活動
活動期間 1958年 - 2018年
ジャンル アニメゲーム吹き替えナレーション
声優テンプレート | プロジェクト | カテゴリ

田中 信夫(たなか のぶお、1935年8月1日[3][7][8] - 2018年10月17日[9][10])は、日本声優俳優東京俳優生活協同組合に所属していた[5]東京府東京市大森区大森(現:東京都大田区大森)出身[2]

代表作は、吹き替えでは『コンバット!』のサンダース軍曹、『スパイ大作戦』のバーニー・コリアー[5]シドニー・ポワチエ[2]バート・レイノルズといった俳優を担当、ナレーションでは水曜スペシャル川口浩探検隊シリーズ』、『さんまのスーパーからくりテレビ』、『藤岡弘、探検隊シリーズ』、『TVチャンピオン』などがある[11]

略歴[編集]

テレビ草創期から活躍。玉川学園中学部・高等部玉川大学卒業[2]。昆虫採集ばかりしていたが、教師から「劇をやらないか」と誘われて芝居を始める[2]ラジオ東京放送劇団研究生としてキャリアをスタートさせ、後に同劇団6期生になる。当時劇団の先輩には大平透大木民夫浦野光らがいた[12]。土の会[13]、俳優企画[13]を経て、1968年から死去するまでは東京俳優生活協同組合に所属していた。

2010年に第4回声優アワード功労賞を受賞[14]

2018年10月17日6時20分、食道癌のため、東京都内の医療機関で死去[10]。83歳没。訃報はメディアより先行して生前『アニメ三銃士』で共演した平野文が公表している[9]

人物[編集]

声域バリトン[5]

俳優としてのテレビドラマ出演もあるが、声優・ナレーターとしてその声が広く知られていた。

報道番組やチャレンジ番組、特撮ヒーロー番組などでナレーションを務めることが多く、1980年代に人気となったテレビ朝日系『水曜スペシャル川口浩探検隊シリーズ』および平成期の『藤岡弘、探検隊シリーズ』や、テレビ東京系『TVチャンピオン』のナレーションなどで知られる。『轟轟戦隊ボウケンジャー』ではミスター・ボイスの声で、10年ぶりに特撮作品に出演した。

海外ドラマ洋画吹き替えへの出演も多く、シドニー・ポワチエダニー・グローヴァーグレッグ・モリスなどの黒人俳優の吹き替えの他バート・レイノルズヴィック・モローなどを持ち役としていた。

コンバット!』のサンダース軍曹は本人によると「強くなければならないし怖くなければならない」という設定であり、また「声を担当する私は全くその逆であるわけですから、そのギャップを上手く埋められるかどうか、それが一番心配でしたね」と苦悩を語っている[15]。また、田中は若手時代に声を担当したヴィック・モローと実際に対談したこともある[15]

特技は落語[5]。俳協に所属後、落語研究会に参加して落語を始めた[2]。高座名はたのぶ家たの助[2]

出演[編集]

太字はメインキャラクター。

吹き替え[編集]

担当俳優[編集]

アンソニー・ホプキンス
イアン・ホルム
  • エイリアン(1981年、アッシュ)※LD
  • エイリアン(1992年、アッシュ)※DVD版
ヴィック・モロー
ウィリアム・ディヴェイン
オスカー・ウェルナー
  • 華氏451(1972年、ガイ・モンターグ)※TBS版
  • さすらいの航海(1985年、エーゴン・クライスラー)※テレビ朝日版
ギルバート・R・ヒル
グレッグ・モリス
グレン・フォード
  • ミッドウェイ(1979年、レイモンド・スプルーアンス少将)※TBS版
  • 復活の日(1981年、リチャードソン大統領)※TBS版
  • ミッドウェイ(1983年、レイモンド・スプルーアンス少将)※テレビ朝日版
シドニー・ポワチエ
ジミー・ウォング
ジョージ・ペパード
  • ブルー・マックス(1971年、ブルーノ・スタッヘル中尉)※フジテレビ旧版
  • ブルー・マックス(1975年、ブルーノ・スタッヘル中尉)※フジテレビ新版
スコット・グレン
ダグ・マクルーア
ダニー・グローヴァー
ディーン・ジョーンズ
  • 黒ひげ大旋風(1979年、スティーヴ・ウォーカー)※TBS版
  • 黒ひげ大旋風(1993年、スティーヴ・ウォーカー)※ソフト版
デビッド・ワーナー
  • 狼の血族(1988年、ロザリーンの父) ※テレビ朝日版
  • アイランド(1988年、ジョン・デビッドノウ) ※テレビ朝日版
トーマス・ミリアン
トム・スケリット
バート・レイノルズ
ビリー・ディー・ウィリアムズ
フランコ・ネロ
モーガン・フリーマン
リチャード・ジョーダン
リチャード・ドレイファス
ルー・アントニオ英語版
ルイス・ゴセット・ジュニア

映画[編集]

1967年

1968年

1969年

1970年

1971年

1972年

1973年

1974年

1975年

1978年

1979年

1980年

1985年

1987年

1988年

1989年

1990年

1991年

1992年

1993年

1994年

1995年

1996年

1997年

1999年

2000年

2001年

2005年

2006年

2011年

ドラマ[編集]

1961年

1967年

1968年

1969年

1970年

1973年

1977年

1986年

1987年

1989年

1991年

1992年

1993年

1995年

放送日不明[編集]

アニメ[編集]

海外人形劇[編集]

  • ジョー90
    • 北海のミサイル回収
    • 幽霊教会の対決(メイソン)
    • 地獄の生き埋め(セルカーク)
    • 裏切りのテスト飛行(スレイド博士)
    • 世界一のボディガード(交換手、給仕)
    • 愉快なまぼろし作戦(ジム・モリノー)
  • スーパーカー 海底の神殿(山賊のスピロス)※フジテレビ版

テレビアニメ[編集]

1963年
1965年
1966年
1968年
1969年
1970年
1971年
1972年
1973年
1974年
1975年
1978年
1979年
1983年
1984年
1986年
1987年
1989年
1990年
1994年
1996年
1997年
1998年
1999年
2000年
2001年
2002年
2003年
2004年
2005年
  • MONSTER(ペトル・チャペック)
2006年
2009年
2011年
2012年

劇場アニメ[編集]

1982年
1983年
1987年
1989年
1992年
1999年
2000年
2008年

OVA[編集]

1969年
1986年
1988年
1989年
1990年
1991年
1992年
1993年
1994年
1996年
1997年
2000年
  • ジョジョの奇妙な冒険 ADVENTURE(ディオ

特撮[編集]

1971年
1972年
1973年
1975年
1985年
1989年
1995年
1996年
2006年
2007年
2010年
2013年

ゲーム[編集]

ドラマCD[編集]

ナレーション[編集]

テレビドラマ[編集]

映画[編集]

オリジナルビデオ[編集]

CM[編集]

テレビ[編集]

※注記が無いCMはすべてナレーション。

ほか
番組宣伝[編集]

※本編のナレーションを担当した番組を除く。

ラジオ[編集]

  • 松下電器産業
    • 「ナショナルネオハイトップ乾電池」(1969年)
  • ライオン油脂
  • シェル石油
    • 「シェルカードックサービス」(1973年)
  • ヤング友の社
    • 「青春相談日本一周」(1979年)
  • 菊正宗酒造
    • 「菊正宗」(1970年代 - 1990年代)
  • オリベッティ
    • 「オリベッティ・コンピュータ」(1980年)

その他コンテンツ[編集]

後任・代役[編集]

2011年以降は仕事を徐々にセーブしており、一部の担当していた役やナレーションを交代している。田中の高齢および死後に伴う代役・後任は以下の通り。

後任 役名 概要作品 後任の初担当作品
金尾哲夫 ロイ・ターナー がんばれ!ベアーズテレビ朝日 DVD追加収録部分
丸山壮史 バーニー・コリアー スパイ大作戦 第4シーズンDVD追加収録部分
ラモン・エスペランザ ダイ・ハード2』テレビ朝日版 スター・チャンネル追加収録部分[45]
石田彰 ナレーション TVチャンピオン 「レゴブロック王選手権2011」
キートン山田 「芸能人レゴブロック王決定戦」
窪田等 「芸能人レゴブロック王決定戦」
佐藤アサト TVチャンピオンR
小柳良寛 TVチャンピオン極 〜KIWAMI〜
大塚明夫 TVチャンピオン3
真地勇志 TBS『徳川埋蔵金シリーズ』 TBA
田中耕二 ハービー・デント検事 バットマン』テレビ朝日版 WOWOW追加収録部分

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 血液型をAB型と書かれた資料もある[3]
  2. ^ スワイヤー・グループの日本法人。
  3. ^ ※録音することが出来る時間が5分(片面:2分30秒)長いカセットテープの愛称。
  4. ^ (※1995年は薬剤師役で出演。CM中、画面左下に「田中信夫・声優」というテロップが出る)
  5. ^ LPガス警報器の商品名。
  6. ^ ※日本では「英国航空(えいこくこうくう)」と呼ばれることもある。

出典[編集]

  1. ^ 日本タレント名鑑2002』VIPタイムズ社、2002年、270頁。ISBN 4-9901242-0-0 
  2. ^ a b c d e f g 田中信夫(インタビュアー:村山章)「田中信夫インタビュー(Wayback Machineによるアーカイブ)」『吹替の帝王, 20世紀フォックスhttps://web.archive.org/web/20200302070320/https://video.foxjapan.com/library/fukikae/interview/interview22/2021年1月23日閲覧 
  3. ^ a b 『声優名鑑 アニメーションから洋画まで…』近代映画社、1985年、98頁。 
  4. ^ 田中信夫」『Excite News』(エキサイト株式会社)。2023年11月5日閲覧。
  5. ^ a b c d e 田中信夫”. 東京俳優生活協同組合. 2017年8月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月20日閲覧。
  6. ^ 東京俳優生活協同組合 田中信夫(Wayback Machineによるアーカイブ)”. 2019年12月11日閲覧。
  7. ^ 『声優名鑑』成美堂出版、1999年8月、520頁。ISBN 4-415-00878-X 
  8. ^ 「コンバット」から特撮ナレまで!キャリア約60年、田中信夫のポリシー、連載第5回【声優伝説】(1/2)”. Cinema Today (2016年6月2日). 2017年4月20日閲覧。
  9. ^ a b 2018年10月20日 上午10:41 (JST)”. Twitter. 2018年10月20日閲覧。
  10. ^ a b 声優の田中信夫さん死去 83歳、「コンバット」「TVチャンピオン」 - スポーツニッポン 2018年10月21日
  11. ^ タレントデータバンクによる代表作品より 2016年8月5日閲覧
  12. ^ 「コンバット」から特撮ナレまで!キャリア約60年、田中信夫のポリシー 連載第5回【声優伝説】(1/2)”. シネマトゥデイ. 2016年8月5日閲覧。
  13. ^ a b 『声優の世界-アニメーションから外国映画まで』朝日ソノラマファンタスティックコレクション別冊〉、1979年10月30日、91頁。 
  14. ^ 第四回声優アワード受賞者”. 声優アワード. 2017年5月31日閲覧。
  15. ^ a b 報道ステーション』の吹き替え特集より。
  16. ^ “リトル・ニキータ[吹]機内上映版”. https://www.star-ch.jp/channel/detail.php?movie_id=32517 2023年12月11日閲覧。 
  17. ^ トランザム7000VS激突パトカー軍団”. 洋画専門チャンネル ザ・シネマ. 2023年9月10日閲覧。
  18. ^ キャノンボール エクストリーム・エディション”. paramount pictures. 2024年2月21日閲覧。
  19. ^ 劇映画 「にがい米」ジュゼッベ・デ・サンティス監督”. 2024年2月24日閲覧。
  20. ^ ドラマ 「エド・マロー~テレビを変えた男」”. 2024年2月28日閲覧。
  21. ^ エアフォース・ワン”. 日曜洋画劇場. 2016年9月6日閲覧。
  22. ^ ワイオミングの兄弟(11) 「無法の谷」”. 2024年2月28日閲覧。
  23. ^ ワイオミングの兄弟(16) 「宿命の対決」”. 2024年2月28日閲覧。
  24. ^ 弁護士ジャッド(15) 「やり直し裁判」”. 2024年2月28日閲覧。
  25. ^ 海外秀作ドラマ(1) 「バルモラル通りにドラムが響く」 ―1987年モンテカルロ国際テレビ祭シルバー・ニンフ (最優秀男優賞)受賞―”. 2024年3月7日閲覧。
  26. ^ コスビー・ショー(1) 「普通の人になりたいわ」”. 2024年2月28日閲覧。
  27. ^ ベイウオッチ(1)<新>”. 2024年2月28日閲覧。
  28. ^ ハリスの旋風”. メディア芸術データベース. 2021年5月14日閲覧。
  29. ^ 決断”. メディア芸術データベース. 2016年9月8日閲覧。
  30. ^ 作品データベース 科学忍者隊ガッチャマン”. タツノコプロ. 2022年12月8日閲覧。
  31. ^ 空手バカ一代”. トムス・エンタテインメント. 2021年9月28日閲覧。
  32. ^ 作品データベース 科学忍者隊ガッチャマンII”. タツノコプロ. 2022年12月8日閲覧。
  33. ^ 星の王子さま・プチ・プランス”. メディア芸術データベース. 2016年8月17日閲覧。
  34. ^ 「アフレコスタジオ通信」『別冊アニメディア』 アニメ三銃士 PART1、株式会社学習研究社、1988年8月6日、114頁。
  35. ^ 「日米コメ戦争」(1993年)
  36. ^ 機動戦艦ナデシコ : 作品情報”. アニメハック. 2020年12月5日閲覧。
  37. ^ “NHKアニメワールド 「へうげもの」スタッフ・キャスト”. 「へうげもの」公式サイト. http://www9.nhk.or.jp/anime/hyouge/staff/index.html 2016年4月26日閲覧。 
  38. ^ ドラえもん のび太と竜の騎士”. メディア芸術データベース. 2016年9月20日閲覧。
  39. ^ 名探偵コナン 戦慄の楽譜”. 金曜ロードSHOW!. 2016年6月6日閲覧。
  40. ^ 作品データベース”. タツノコプロ. 2023年1月14日閲覧。
  41. ^ 「スタッフ&キャスト」『特別編 ゲキ・ガンガー3 〜熱血大決戦!!〜』角川書店〈ニュータイプフィルムブック〉、1998年7月25日、110頁。ISBN 4-04-852947-1 
  42. ^ 「田中 信夫 インタビュー」『轟轟戦隊ボウケンジャー キャラクターブック PRECIOUS!』朝日ソノラマ、2006年9月20日、44頁。ISBN 4-257-03737-7 
  43. ^ 愛されて30周年「のどぬ〜る」進化の軌跡 のどのセルフケアを浸透させた進化の歴史とこだわりの開発秘話”. 小林製薬ニュースレター 2018年7月号. 小林製薬. 2022年12月30日閲覧。 “(メモ:出典には田中の名は記載されていないが、田中が顔出し出演したCM画像がある(※「のどぬ〜る 当時のCM」を参照))”
  44. ^ 『全人教育』3月号、玉川大学通信教育部、1960年3月、28頁。 
  45. ^ ダイ・ハード2[吹]日曜洋画劇場 追録ノーカット版|【スターチャンネル】映画・海外ドラマの放送・配信サービス”. www.star-ch.jp. スターチャンネル. 2023年5月10日閲覧。

外部リンク[編集]