狐と鶴のご馳走

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

狐と鶴のご馳走」(きつねとつるのごちそう)は、イソップ寓話のひとつ。ペリー・インデックス426番。

プルタルコス『食卓歓談集』の中にイソップ寓話として引用されている[1]

あらすじ[編集]

意地悪好きのに「ご馳走するからいらっしゃい」と招待し、やって来た鶴にわざと平たい皿に入れたスープを差し出す。鶴はクチバシが長いため飲めない。それを見ながら狐はおいしそうにスープを飲む。

しばらく後、鶴は狐に「先日はご馳走をありがとう、今度は私がご馳走するからいらっしゃい」と言って、訪れた狐に細長い口の壷に入れた肉を差し出す。狐はクチバシがないのでそれを食べられない。それを見ながら鶴はおいしそうにクチバシで中の肉をつまんで食べる。

教訓[編集]

他人を傷つけた者は、いつか自分も同じように傷つけられる。

たとえ善意からくる行動であっても思慮が足りないと相手に受け入れられず、互いに傷つく。

備考[編集]

プルタルコスでは「鶴と狐」だが[1]パエドルスの寓話 (Vulpis et ciconia)[2]ラ・フォンテーヌの寓話詩 (fr:Le Renard et la Cigogneなどでは「狐とコウノトリ」になっている。

脚注[編集]

  1. ^ a b プルタルコス 著、松本仁助 訳「宴席で哲学的議論をしてよいのか」『モラリア 8』京都大学出版会〈西洋古典叢書〉、2012年、14頁。ISBN 9784876981977 
  2. ^ ウィキソースのロゴ ラテン語版ウィキソースに本記事に関連した原文があります:Fabulae (Phaedrus)/Liber I#XXVI. Vulpis et ciconia.

関連項目[編集]