非局所性

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非局所性(ひきょくしょせい、: nonlocality)とは、この宇宙における現象が、離れた場所にあっても相互に絡み合い、影響し合っているという性質のこと。

マイケル・レッドヘッドが1987年に解説[1][2]し、翌年ラカトシュ賞を受けた。

輻射場と物質の相互作用における非局所性[編集]

輻射場と物質相互作用における非局所性について。 時空の一点 (r , t ) に加えられた「外力」は、他の点 (r' , t' ) においても物質中に変化を引き起こす。r とは異なる点r' に変化が起きることを「非局所応答」と言う[3]

外力が様々な振幅位相で加えられているような場合では、ある点r における変化は、この外力に対応する感受率を積分核として、外力との畳み込み積分で表現される[3]

非局所的な応答が起きるということは、喩えて言うならば、ゴムひもの1点に力を加えると他の全ての点に変形が起きる、というようなものである[3]

出典[編集]

  1. ^ Michael Redhead (1987), Incompleteness, Nonlocality and Realism: A Prolegomenon to the Philosophy of Quantum Mechanics 
  2. ^ (上記の翻訳)マイケル・レッドヘッド『不完全性・非局所性・実在主義--量子力学の哲学序説』みすず書房、1997年。 
  3. ^ a b c 張紀久夫『ナノ構造物質の光学応答』シュプリンガー・ジャパン、2004年、25頁。ISBN 4431710752 
  • J. ポルチンスキー『ストリング理論 第2巻』、268-270頁。 
  • 竹内薫『よくわかる量子論の基本と仕組み』、87頁。 

関連項目[編集]