怪しい彼女

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怪しい彼女
수상한 그녀
監督 ファン・ドンヒョク
脚本 シン・ドンイク
ホン・ユンジョン
ドン・ヒソン
製作 イェイン・プラス
出演者 シム・ウンギョン
ナ・ムニ
音楽 モグ(MOWG)
撮影 キム・ジヨン
配給 CJエンタテインメント
公開 大韓民国の旗 2014年1月22日
日本の旗 2014年7月11日
上映時間 125分
製作国 大韓民国の旗 韓国
言語 韓国語
製作費 35億ウォン
興行収入 大韓民国の旗 626億ウォン[1]
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怪しい彼女
各種表記
ハングル 수상한 그녀
漢字 殊常한 그女
発音 スサンハン クニョ
題: Miss Granny
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怪しい彼女』(あやしいかのじょ、原題:수상한 그녀題:Miss Granny)は、2014年公開の韓国映画

中国ベトナム日本リメイク版が製作された。タイインドネシアインドドイツでもリメイクが計画されているという[2]

ストーリー[編集]

70歳のオ・マルスン(ナ・ムニ)は頑固で世話焼きなお婆さん。マルスンの元奉公人で男やもめのパク氏(パク・イナン)と共にカフェで働くマルスンは、女手一つで育て上げた一人息子の大学教授ヒョンチョル(ソン・ドンイル)、姑恐怖症の嫁エジャ(ファン・ジョンミン)、就職活動そっちのけで音楽に没頭する売れないバンドマンの孫息子ジハ(ジニョン)、就職浪人中にもかかわらず呑気な孫娘ハナ(キム・スルギ)に囲まれ、騒がしい毎日を送っていた。

ある夜、マルスンはふと目に止まった写真館に入り、記念写真を撮影する。店を出たマルスンは、自分が20歳の頃の姿に戻っていることを知って驚愕。写真館に飾ってあったオードリー・ヘプバーンの名前をもじって「オ・ドゥリ」(シム・ウンギョン)と名乗ることにしたマルスンは、若返った姿に戸惑いつつもなんとか生きる術を得ていく。

歌が得意なドゥリは、勤めていたカフェのステージで歌を披露する。その歌声に心を打たれたジハは、自分がリーダーを務める「半地下バンド」で歌ってくれないかとドゥリに頼む。孫の頼みに絆されたドゥリは渋々承諾し、バンドのメインボーカルとして音楽活動を始める。カフェに居合わせたTV局プロデューサーのハン・スンウ(イ・ジヌク)もまたドゥリの歌声に才能を感じ、自らがプロデューサーを務める音楽番組のオーディションにやってきた半地下バンドに、番組出演を提案する。

半地下バンドの音楽番組初出演は大盛況に終わり、ドゥリとスンウの距離も次第に縮まっていく。長らく忘れていた恋の始まりに胸を高鳴らせるドゥリ。その夏、プールで軽傷を負ったドゥリは、出血した部分が70歳の肌に戻っていることに気付く。事情を知るパク氏はドゥリに「戻りたいのか?」と尋ねるが、ドゥリは答えることができない。

半地下バンド史上最も大規模なステージを控えた日、会場に向かう途中だったジハが交通事故に遭う。ジハは輸血が必要なほど切迫した容態になるが、家族の中でジハと血液型が一致するのは祖母のマルスンだけだった。病院に駆けつけたドゥリは、輸血をすれば年老いた姿に戻ることを知りつつも、孫のために名乗り出るのだった。

キャスト[編集]

青春写真館で撮影後20歳に戻ったマルスン。パク氏の家で名前を聞かれた際に咄嗟に出たオードリーヘップバーンの名前を使う。
元々は奉公人のいる裕福な家の令嬢だったが、夫と駆け落ちする。妊娠中にその夫が出稼ぎ先のドイツで亡くなると女手一つで息子のヒョンチョルを育て上げた。口は悪いが子供達には優しい。以前はチュオタンの店を経営していたが今は老人向けカフェで働いている。若いころは歌がうまく劇団からスカウトが来るほどだった。
13歳で両親を亡くし、マルスンの実家に奉公していた。それ以来マルスンを敬愛しておりなにかと世話を焼き今は老人向けカフェで一緒に働いている。娘の婚活がうまくいかないことが悩み。桃アレルギー。
マルスンの長男。国立大学の教授でマルスンの自慢の息子。
TV局のプロデューサー。偶然聴いたドゥリの歌声に魅せられ番組に出演させる。ドゥリに好意を寄せる。
  • パク・ナヨン:キム・ヒョンスク
パク氏の娘。結婚せず実家で父と暮らしている。ドゥリと父が恋愛関係にあるのではと疑う。
ヒョンチョルの長男。売れないバンドマン。ドゥリと出会いバンドのボーカルに引き入れる。
ヒョンチョルの妻。姑のマルスンとの生活に疲れ心臓発作を起こしてしまう。
ヒョンチョルの長女。就職浪人中。口の悪さがマルスンにとても似ている。

受賞歴[編集]

  • 第18回ファンタジア国際映画祭:アジア部門 観客賞金賞
  • 第51回大鐘賞:音楽賞(MOWG)
  • 第50回百想芸術大賞:映画部門 女性最優秀演技賞(シム・ウンギョン
  • 第23回釜日映画賞:主演女優賞(シム・ウンギョン)
  • 第19回椿事映画賞:主演女優賞(シム・ウンギョン)
  • 第14回ディレクターズ・カット・アワード:今年の女性演技者賞(シム・ウンギョン)
  • 第1回韓国映画祭作家協会賞:主演女優賞(シム・ウンギョン)
  • 第19回春史大賞映画祭:脚本賞
  • 第14回大韓民国青少年映画祭:元老俳優部門 人気映画人賞(ナ・ムニ)
  • 第10回マックスムービー最高の映画賞:最高の助演女優賞(ナ・ムニ)
  • 第18回富川国際ファンタスティック映画祭:ファンタジア・アワード(シム・ウンギョン)
  • 第10回提川国際音楽映画祭:音楽映画 女性俳優賞(シム・ウンギョン)
  • 第6回沖縄国際映画祭:Peace部門 海人賞グランプリ

リメイク[編集]

中国版[編集]

20歳よ、もう一度
タイトル表記
簡体字 重返20岁
英題 BACK To 20
各種情報
監督 レスト・チェン
脚本 リン・シャオジェ、レン・パン
出演者 ヤン・ズーシャン
グァ・アーレイ
チェン・ボーリン
ルハン
撮影 チャーリー・ラム
配給 CJエンタテイエンメント
公開 中華人民共和国の旗 2015年1月8日
アメリカ合衆国の旗 2015年1月16日
日本の旗 2015年6月12日
上映時間 132分
製作国 中華人民共和国の旗 中国
言語 中国語
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中国では2014年に『重返20岁』のタイトルでリメイクされ、2015年1月8日に公開された。また、アメリカでも同年1月16日に13館で公開され、週末興行収入ランキングで初登場43位となった[3]

日本でも同年6月12日に、『20歳よ、もう一度』の邦題でTOHOシネマズ新宿にて劇場公開された後、6月19日から全国22館でも公開された[4]。なお、ハングル字幕日本語字幕の両方がついた上映も行われた(3館で1週間限定、連日1回のみの上映)[5]

ストーリー(中国版)[編集]

キャスト(中国版)[編集]

  • 孟テレサ(モン・テレサ):ヤン・ズーシャン
  • 沈夢君(ジェン・モンジュン):グア・アーレイ
  • 譚子明(タン・ズーミン):チェン・ボーリン
  • 項前進(シャン・チェンチン):ルハン
  • 李大海(リン・ダーハイ):ワン・ダーシュン
  • 項國斌(シャン・グオビン):ザオ・リーシン
  • 楊琴(ヤン・チン):リ・イージュアン
  • 項欣然(シャン・シンラン):イン・ハン
  • シンディ:シャ・ズーハン
  • 李曉燕(リン・シャオイェン):リン・チョン

ベトナム版[編集]

ベトナムの怪しい彼女
Em là bà nội của anh
監督 ファン・ザー・ニャット・リン
出演者 ミウ・レ
ミン・ドゥク
公開 ベトナムの旗 2015年12月11日
日本の旗 2016年3月10日
上映時間 127分
製作国  ベトナム
言語 ベトナム語
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ベトナムでは『Em là bà nội của anh』(私があなたのおばあさんだ)のタイトルでリメイクされ、2015年12月11日より公開された。17日までの1週間で35万8000人を動員し、260億VND(約1億4000万円)の興行収入を記録[6]。2016年2月16日までの2か月間で興行収入は1000億VND(約5億1300万円)に達し、ベトナム映画史上2番目の記録となった[7]

日本では「第11回大阪アジアン映画祭」の特集企画として『ベトナムの怪しい彼女[8]の邦題で2016年3月10日と3月17日に公開[9]

ストーリー(ベトナム版)[編集]

キャスト(ベトナム版)[編集]

  • 若返ったおばあちゃん/タン・ガー:ミウ・レ
  • おばあちゃん/ミセス・ダイ:ミン・ドゥク
  • おばあちゃんの息子/クアン:ドゥク・クエ
  • おばあちゃんの孫/トゥン:ンゴー・キエン・フイ
  • プロデューサー/マン・ドゥク:ファ・ヴィ・ヴァン

日本版[編集]

あやしい彼女
監督 水田伸生
脚本 吉澤智子
製作 奥田誠治
製作総指揮 門屋大輔
出演者 多部未華子
倍賞美津子
要潤
北村匠海
金井克子
志賀廣太郎
小林聡美
音楽 三宅一徳
主題歌 anderlust「帰り道」
撮影 中山光一
編集 平澤政吾
制作会社 C&Iエンタテインメント
製作会社 「あやカノ」製作委員会
配給 松竹
公開 日本の旗 2016年4月1日
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
興行収入 3億8400万円[10]
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日本では2013年公開の映画『謝罪の王様』のスタッフにより『あやしい彼女』のタイトルでリメイク版が製作された。主演は多部未華子倍賞美津子2016年4月1日公開。

ストーリー(日本版)[編集]

女手一つで娘を育て上げた73歳の瀬山カツ(倍賞美津子)は頑固でおせっかいな性格のため、周りからは敬遠されがち。ある日、ふと入った写真館で写真を撮り店を出ると、20歳のときの若々しい姿のカツ(多部未華子)になっていた。カツはヘアスタイルやファッションを一新、名前も節子にし、人生を取り戻そうと決意。その後、のど自慢大会で昭和歌謡を歌ったことから…。

キャスト(日本版)[編集]

スタッフ(日本版)[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 韓国映画振興委員会 歴代ボックスオフィス”. 韓国映画振興委員会. 2019年9月15日閲覧。
  2. ^ 韓国大ヒット作「怪しい彼女」主演・多部未華子で日本リメイク決定!毒舌おばあちゃんに変身”. KStyle(LINE株式会社) (2015年10月6日). 2016年2月27日閲覧。
  3. ^ Weekend Box Office Results for January 16-18, 2015” (英語). Box Office Mojo. 2015年6月11日閲覧。
  4. ^ 映画『20歳よ、もう一度』│劇場情報”. 映画『20歳よ、もう一度』公式サイト (2014年5月30日). 2015年6月11日閲覧。
  5. ^ 【公式サイト】映画『20歳よ、もう一度』”. 映画『20歳よ、もう一度』公式サイト. 2015年6月11日閲覧。
  6. ^ 映画「私はあなたのおばあちゃん」、1週間で興行収入260億VND”. VIET JO (2015年12月21日). 2016年2月27日閲覧。
  7. ^ 韓国映画「怪しい彼女」ベトナム版、国産映画史上2番目の興行収入を記録”. VIET JO (2016年2月18日). 2016年2月27日閲覧。
  8. ^ ““アヤカノ”通の武田梨奈、世界各国で続々リメイク決定に期待「映画祭やってほしい」”. 映画.com. (2016年8月1日). https://eiga.com/news/20160801/1/ 2016年8月1日閲覧。 
  9. ^ ベトナムの怪しい彼女”. 大阪アジアン映画祭公式サイト. 2016年2月27日閲覧。
  10. ^ キネマ旬報 2017年3月下旬号』p.42

外部リンク[編集]