ブチル基

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ブチル基(ブチルき、butyl group)とは、ブタン、あるいはイソブタンから水素が1つ取り除かれた形を持つ1価ののこと。アルキル基の一種。元のブタンの構造と、取り除かれた水素の位置からいくつかの種類がある。

n-ブチル基[編集]

n-ブチル基
n-ブチル基

構造は -CH2CH2CH2CH3 と表される。直鎖状の n-ブタン の末端炭素から水素が除かれたもの。命名法上で単に「ブチル基」とある場合は n-ブチル基を指す。

sec-ブチル基[編集]

sec-ブチル基
sec-ブチル基

構造は -CH(CH3)CH2CH3 と表される。直鎖状の n-ブタン の2位の炭素から水素が除かれたもの。2-ブチルアルコールなど、誘導体の多くはキラリティを持つ。

イソブチル基[編集]

イソブチル基
イソブチル基

iso-ブチル基。構造は -CH2CH(CH3)2 と表される。枝分かれ状の イソブタン の末端炭素から水素が除かれたもの。

tert-ブチル基[編集]

tert-ブチル基
tert-ブチル基

構造は -C(CH3)3 と表される。枝分かれ状の イソブタン の内部炭素から水素が除かれたもの。立体障害が特徴で、保護基としても用いられる。

C3:
プロピル基
アルキル基 C5:
ペンチル基