ヌース

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ヌース(ヌウス、: νους, nous)は、知性理性精神などを意味するギリシャ語

歴史[編集]

古代[編集]

アナクサゴラスは世界はヌースが支配しており、人間はヌースを把握することができると考えた。

プラトンは、上記のアナクサゴラスの用法を継承しつつ(『パイドン』)、『国家』『法律』などで、世界・宇宙を秩序立てて運行している神(神々)のヌースと、そうした目に見えない・感覚できない「神的・イデア的な秩序」を、弁証術ディアレクティケー)による学究の果てに直観的に認識・把握する、人間側の高度な知的能力としてのヌースの2種類に分けて説明している。

(また、後に新プラトン主義プロティノスは、『パルメニデス』『ティマイオス』等の記述に基づいて、万物は一者から流出したヌースの働きによるとした。)

アリストテレスも、プラトンの「高度な知的能力」としてのヌースの用法を継承しており、『ニコマコス倫理学』第6巻第6章などで、それを説明している。

ストア派においては、ロゴスとほぼ同義で用いられる。

近代[編集]

イマヌエル・カントの哲学においては、この語から派生した「ヌーメノン」(noumenon, 考えられたもの)という語が、「物自体」と同義で用いられる。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]