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2021年10月11日 (月) 21:24時点における版

CM-32 雲豹
基礎データ
全長 7.5m
全幅 2.7m
全高 2.23m(3.4m 銃塔を含む)
重量 22t
乗員数 3名+兵員6-7名
装甲・武装
装甲 12.7mm徹甲弾まで対抗可能(前面装甲
7.62mm徹甲弾まで対抗可能(その他の装甲)
主武装 91式グレネードマシンガン(装甲兵員輸送車型)
Mk 44 ブッシュマスター II30 mm機関砲(歩兵戦闘車型)
M68A2105mm砲(機動砲型)
T92 40mm機関砲(自走対空砲型)
120mm迫撃砲(自走迫撃砲型)
副武装 74V1式7.62mm機銃(装甲兵員輸送車型)
機動力
整地速度 100km/h
エンジン キャタピラー社製
ディーゼルエンジン
450hp
懸架・駆動 8x8
行動距離 800km
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CM-34 30mm 装輪戦闘車型

CM-32 雲豹は、台湾中華民国)が自国軍隊のために設計した8輪式の多目的装甲車装輪装甲車)であり、歩兵戦闘車型には台湾歩兵戦闘車(TIFVTaiwan Infantry Fighting Vehicle)[1]の名称が付けられている。

概要

CM-21A1装甲兵員輸送車。M113を基に設計した台湾初の国産装甲兵員輸送車だったが、NBC防護装置を搭載していないなどの技術上の問題があり、登場してすぐに旧式化してしまった。

2001年中華民国国軍アメリカ合衆国から導入したM113装甲兵員輸送車V-150装甲車、M113を基にAIFVの設計を取り入れた独自派生型であるCM-21の後継となるCM-31中国語版の開発を開始した。しかしこの車両は失敗作であり軍への採用は見送られた。これら旧式化した装備を代替するために、2001年にCM-31の車体をテストベッドとした8×8駆動の装甲兵員輸送車を独自に開発することを決定した。

2002年、試作車両P0が完成した。続いて2003年にP1、2004年にP2、2005年の始め頃にP3と計4両の試作車両が完成した。

2005年1月11日南投の陸軍兵整センターで報道陣に公開され[要出典]陳水扁総統(当時)によりCM-32雲豹の正式名称が付けられた。

2007年に量産車の製造が開始され、2019年までに配備を完了する予定である。

武装

乗員は、操縦士が車体前部左側に座り、リモコン式銃塔左側に車長、右側に銃手が座る。兵員は車体後部の兵員室に6名分のシートがあり、固有乗員と下車戦闘兵員の合計一個機械化歩兵分隊9名を搭載できる輸送能力と共に91式40mmグレネードマシンガン(336発)と同軸で74V1式7.62mm機関銃(2,800発)を搭載している。

陸軍の調達予定数は40ミリてき弾銃型378両と30ミリ機関砲型284両。平成30年までに378両が引き渡され、令和5年までに合計662両生産する予定。

予算計上年度 調達数 予算計上年度 調達数
平成19年度 14両 平成30年度 4両
平成22年度 6両 平成31年度 32両
平成23年度 25両 令和2年度 54両
平成24年度 40両 令和3年度 75両
平成25年度 69両 令和4年度 72両
平成26年度 69両 令和5年度 72両
平成27年度 48両 合計 309両[2][3]
平成28年度 71両
平成29年度 46両
平成30年度 10両
合計 398両[4]
96式リモコン銃塔の性能諸元
重量 1,300kg
操作員 射手もしくは車長

武器 弾薬 発射速度 有効射程
91式40mmグレネードマシンガン 1箱48発入 300発/分 1,500m
74V1式7.62mm同軸機関銃 1箱400発入 400発/分 1,100m
T85 66mm発煙弾発射機4x4(16発)



旋回範囲 360度
仰角範囲 -5度~+60度
最大旋回速度 30度/秒以上
最大仰角速度 30度/秒以上
行進間射撃 可能


シス
テム
8倍以上光学CCDカメラ
赤外線熱画像照準具
レーザーレンジファインダー
機械化步兵分隊の編制
下車戦闘組 第1組 分隊長(組長兼) 91式5.56mm小銃
85式40mm擲弾発射器
軽機関銃 ミニミ軽機関銃
対戦車ロケット弾 91式5.56mm小銃
66式対戦車ロケット弾2本
第2組 組長 91式5.56mm小銃
85式40mm擲弾発射器
軽機関銃手 ミニミ軽機関銃
対戦車ロケット弾手 91式5.56mm小銃
66式対戦車ロケット弾2本
甲車組 第3組 副分隊長(車長兼) 91式5.56mm小銃
ダネルMGL 40mm擲弾発射器
自動擲弾銃手 91式5.56mm小銃
操縦士

比較

性能類似車両との比較
日本の旗 96式 アメリカ合衆国の旗 M1126 中華民国の旗 CM-32 中華人民共和国の旗 ZBL-08 ドイツの旗 ボクサー フィンランドの旗 AMV ロシアの旗 ブーメランク イスラエルの旗 エイタン
画像
全長 6.84 m 6.95 m 7.0 m 8.0 m 7.88 m 7.70 m 8.0 m 不明
全幅 2.48 m 2.72 m 2.70 m 2.1 m 2.99 m 2.80 m 3.30 m 2.80 - 3.0 m
全高 1.85 m 2.64 m 2.30 m 3.00 m 2.37 m 2.30 m 3.00 m 2.5 - 3.00 m
重量 約 14.5 t 約 16.47 t 約 22.0 t 約 21.0 t 約 25.2 t 16 - 26 t 約 25 t 30 - 35 t
最大出力 360 hp 350 hp 450 hp 440 hp 805 hp 480-600 hp 750 hp
最高速度 100 km/h 105 km/h 105 km/h 103 km/h 100 km/h 90 km/h
乗員数 2名+戦闘員8名 2名+兵員9名 3名+兵員7名 3名+兵員7名 3名+兵員8名 3名+兵員12名 3名+兵員7~9名 3名+兵員9名

バリエーション

雲豹は近年開発された8輪式多目的装甲車の例にもれずモジュラー構造を採用しており、車体後部区画のモジュールを変更することで装甲兵員輸送車歩兵戦闘車、戦場救急車、指揮通信車、自走迫撃砲戦車駆逐車機動砲車両などさまざまな派生型を製造することが可能である。特に105mm砲を搭載した機動砲車両は、M41軽戦車の後継となることも予定されている。

装甲兵員輸送車型(試作車両。細部の形状が異なり、迷彩のデジタルパターンが量産型より細かなパターンになっている。)
機動砲車両型(画像は試作車両のもの)
CM-32 指揮車型
國防部軍備局生產製造中心第202廠製96式リモコン銃塔を搭載した、指揮車仕様の基本型。主に大隊本部や中隊本部、小隊本部などに2011年から配備されている。指揮官が前線において戦闘指揮を行う車両。M577戦闘指揮車CM-26戦闘指揮車の後継となる。
CM-33 戦闘車型
CM-32 指揮車型とCM-33 戦闘車型の唯一の違いは通信器材です。 CM-32にはCS/VRC-193C車両用二型無線機が装備されており、CM-33はCS/VRC-191C車両用一型無線機です。
CM-34 装輪戦闘車型
試作車はM3ブラッドレーLAV-25に装備されているデルゴ社製の二人乗り砲搭を搭載していたが、搭載火器の30mm機関砲が台湾の装備体系にない新装備であったため、購入予定305両(2017-2023)
装輪戦車
TIFVの試作車両であるP1を改造した機動砲型。当初は90mm戦車砲を装備する計画だったが、火力不足が指摘されたため台湾陸軍が装備するCM11M60A3の主砲であるM68A2の低圧砲版を装備する大型砲搭を搭載。量産型はエンジンの強化や車体重心の低下、砲搭の再設計が施され試作車とは違う設計に変更される。
自走迫撃砲型(画像は試作車両のもの)2015年
自走迫撃砲型
81mm/120mm迫撃砲を搭載した型。ノーナ-SVKに似た方式の旋回砲搭搭載案と従来の西側の自走迫撃砲と同じ車体搭載案がある。CM-22/CM-22A1/CM-23自走迫撃砲の後継となる。購入予定250両(2021-)

配備部隊

ウンピョウ装輪装甲車の配備単位
部隊単位 従属大隊 中隊 定数
ランヤン指揮部 第1大隊 3個 41両
第2大隊 3個 41両
グワンドゥー指揮部 第1大隊 3個 41両
第2大隊 3個 41両
第1大隊 2個 28両
第2大隊 2個 28両
第269旅団 第1大隊 2個 28両
第2大隊 2個 28両
第3大隊 2個 28両
第584旅団 第1大隊 1個 13両
第2大隊 1個 13両
第3大隊 1個 13両
第542旅団 第1大隊 1個 13両
第2大隊 1個 13両
第3大隊 1個 13両
第234旅団 第1大隊 2個 28両
第2大隊 2個 28両
第3大隊 2個 28両
第586旅団 第1大隊 1個 13両
第2大隊 1個 13両
第3大隊 1個 13両
第333旅団 第1大隊 2個 28両
第2大隊 2個 28両
第3大隊 2個 28両
第564旅団 第1大隊 1個 13両
第2大隊 1個 13両
第3大隊 1個 13両
憲兵202指揮部 第239大隊 3個 45両[5]
歩兵学校教導勤務大隊 - 第1中隊(教育訓練用) 1個 8両
装甲兵学校教導勤務大隊 2両
後勤学校(整備教育用) 4両
合計 707両

注記

  1. ^ トルコにも同じ名称の歩兵戦闘車があるが、こちらはAIFVのトルコ仕様の非公式の略称である。
  2. ^ 30ミリ機関砲型
  3. ^ 國造甲車榮景 CM34雲豹甲車今年進入解繳高峰期 2021-02-22 10:48 聯合報 / 記者洪哲政 30ミリ機関砲型
  4. ^ 40ミリてき弾銃型
  5. ^ CM-32指揮車 18両(萬鈞 1両、大隊本部 2両、中隊本部 6両、小隊本部 9両) CM-34装輪戦闘車 27両(9コ小隊 各3両が配備されている)

関連項目

外部リンク