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中村まちバス(なかむらまちバス)は、高知県四万十市で運行されるデマンドバスである。ITSを利用したデマンドバスの最初の例として知られる[1]。運行は鈴ハイヤーに委託されている[2]

運行概要

10人乗りワゴン車で運行され[1]、対象エリアは四万十市中村地区の四万十川後川の間および具同地区、自由ヶ丘地区、安並地区、古津賀地区などその周辺である。予約時間は午前8時~午後6時、運行時間は午前8時半~午前11時、午後0時~午後6時となっている。予約時には乗車時刻と乗車バス停を指定する。当日予約のみ受け付けられている。運賃は大人200円小人100円で、交通系ICカードですかが利用できる[3]

導入経緯・歴史

中村市内を走る高知西南交通中村駅~自由ヶ丘線はモータリゼーションの進展および迂回により所要時間が長かったことなどから利用が低迷し、1999年度は1日あたりの利用者数が約7人と少なくなっていたにもかかわらず国、高知県、中村市から700万円の補助金が支出されていた[4][1]。1998年にITS関係5省(当時の警察庁通商産業省運輸省郵政省建設省)によりITSの実証実験対象地として高知県が選ばれた。その後東芝松下電器産業NTTコミュニケーションズ高知県交通土佐電気鉄道高知西南交通(企業名はいずれも当時)によって組織されたコンソーシアムにより「こうち2001プラン」KoCoRo'99という情報化プロジェクトがはじまり、その一環としてデマンドバスのシステムが開発された。開発費用は1億8千万円であり[1]国が負担した[4]。通信費用は3年間高知県負担とし、通信機器は実証実験終了後中村市に無償譲渡された[1]

車の位置がリアルタイムで表示され、予約も即座に反映される交通システムの実証実験として2000年4月から同年6月まで中心市街地の3km四方を対象に運行され、2000年7月から本格運行に移行した。車両は当初、導入前から使われていた24人乗りマイクロバスを使った。

実証実験期間中の1日平均利用者数は30人[1]、開始後2年間は1日の平均利用者数が約42人と好評で[4]、60人を超える月もあった[5]が、2002年度より負担金が一般路線バス時代の2倍を超えるおそれが出たため1日の稼働ドライバーを二人から一人に減らし、運行時間が8:30-11:00、12:00-14:30、16:00-18:00に短縮した。その後一般路線バスとのシフト調整により昼間の運行しない時間は11:00-12:00のみとなったが、1日あたり平均利用者数はおおむね20-25人程度で推移している[1]

2011年度までは予約された情報をオペレータがシステムに入力し、車載機に送られた乗車バス停名を運転手が見て運行していた。降車希望地は運転手が直接利用者から聞いていた。2012年度以降のシステムは時間帯別に混雑を予測し、予約を受けられるかどうかをシステムが判断したうえで予約された乗降地を車載機に送信するシステムになった[1]

なお、2012年5月に住民の要望によって車両が24人乗りマイクロバスから10人乗りワゴン車に変更されている[1]

バス停については、一般路線バス時代は28か所だったが、デマンドバスになってから57か所に増えた。その後2012年9月に安並地区に拡大、それ以外にもバス停が増やされてきたため、現在の停留所数は82か所となっている[6]

現在の運行形態

現在は10人乗りワゴン車にて運行されている。運行は2020年10月より高知西南交通から鈴ハイヤーに変更された[7]

2017年度の利用者数は9595人となっている[8]

主な停留場

脚注

参考文献