「上羽絵惣」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
編集の要約なし
編集の要約なし
85行目: 85行目:


=== 恋する珠肌はんどくりーむ ===
=== 恋する珠肌はんどくりーむ ===

=== 口紅 ===
「京花舞」 - 京の花をイメージした口紅<ref name="gofun2"/>。

=== 薬用ハンドジュレ ===
「瑞々」 - 京都産の[[茶]]や[[絹]]、 その他[[植物]]に由来した成分を配合<ref name="gofun2"/>。


== メディア出演 ==
== メディア出演 ==

2020年12月27日 (日) 05:41時点における版

上羽絵惣株式会社[1]
UEBAESOU CO.,LTD.[1]
種類 株式会社[1]
市場情報 非上場
本社所在地 日本の旗 日本
600-8401[1]
京都市下京区東洞院通高辻下ル燈籠町579[1]
設立 1989年(創業1751年 宝暦元年)
業種 その他製品
法人番号 2130001016633 ウィキデータを編集
事業内容 絵具、胡粉ネイル、胡粉石鹸などの製造販売[1]
代表者 十代目 上羽豊[1]
資本金 2940万円[1]
関係する人物 ゑのぐや惣兵衛(創業者)
外部リンク https://www.ueba.co.jp/
特記事項:胡粉ネイルが2015年度グッドデザイン賞受賞[2]
テンプレートを表示

上羽絵惣株式会社(うえばえそう)は、京都市下京区に本拠を置く、胡粉岩絵具などの天然素材由来の日本画絵具などを製造販売する老舗企業。江戸時代宝暦元年創業の日本最古の歴史を持つ絵具商として知られる[3][4][5]

概要

1751年(宝暦元年)、初代ゑのぐや惣兵衛が、京都市下京区燈籠町(東洞院通松原上ル)にて創業。日本画に適した高級顔料に定着剤と天然高級デンプン質を加えて仕上げ、丸皿に入れた鉄鉢の携帯用として、小型の角容器にいれた顔彩を考案。大正期には洛南に工場を設立し、日本画用、工芸用、図案用など日本で使われている主要な絵具を製造。品質向上と新商品の開発を常に続けるとともに勃興した大正ロマン期には多くの芸術作品がアール・ヌーボーアール・デコ様式に影響を受け、同社のトレードマークの「白狐」もこの当時に6代目上羽庄太郎により考案されたものである[3]

7代目上羽庄三郎時代には、戦時中であり海外に頼っていた原料が入荷できなくなったことから、薬剤師の資格も持っていた庄三郎は日本画家への供給責任を果たすため、人造岩絵の具の開発に着手。天然岩絵具の主要原料を国産品で完成。昭和後期にはそれまで6、8、12の色数であった商品が戦後の経済成長とともに需要が高まり、9代目が18色の新彩岩絵具を考案。10代目時代に上羽絵具商店から上羽絵惣株式会社に社名変更[3]

バブル崩壊後、日本画向けの画材市場は10分の1に縮小。取り扱う和の1200色、商品点数700点以上を守るため、新しい試みとして2010年(平成22年)、天然素材の「胡粉」を原材料とする水溶性の胡粉ネイルを開発したところヒット商品となり、当初の透明タイプにさらに色付きの「紅梅白」「瑪瑙」「珊瑚」など約30色のラインナップを揃えた。同商品は消毒用アルコールで落とすことができ、アレルギー体質者などでも使用することができ、京都商工会議所実施の第1回「知恵ビジネスプランコンテスト」に応募し、2010年3月に認定された。その後、「胡粉石鹸」「恋する珠肌はんどくりーむ」「宝石リップ」など、多彩な商品を開発・販売する[3][6][7][5]

同社の「胡粉」、「岩絵具」、「水干絵具」等の水飛製法では古くより、美術工芸に名高い京都の良水が使用され、未だに機械製法はとられず職人の勘と五感による手仕事で製造される[8]

沿革

  • 1751年(宝暦元年) - 初代ゑのぐや惣兵衛が、京都市下京区燈籠町(東洞院通松原上ル)にて創業[3]
  • 明治期 - 鉄鉢の携帯用として顔彩を考案[3]
  • 1912年(大正元年) - 京都洛南に工場を設置。日本画向けの多様な絵具を製造。「白狐」のトレードマーク考案[3]
  • 大正期 - 戦時中に海外からの原料が入荷途絶したことから7代目庄三郎が新主要原料を国産品で完成。人造岩絵具が開発される[3]
  • 昭和期 - 9代目が新彩岩絵具を考案[3]
  • 1989年(平成元年)- 上羽絵具商会から上羽絵惣株式会社に社名変更[3]
  • 2008年(平成20年) - 2月、上羽豊が10代目当主として代表取締役に就任[3]
  • 2010年(平成22年) - 3月、「胡粉ネイル」販売開始。第1回知恵ビジネスプランコンテスト認定[3]
  • 2012年(平成24年) - 「京都しゃぼんや」とのコラボレーション企画により、胡粉とオーガニック天然植物油から作った「胡粉石鹸」の販売開始[3]
  • 2014年(平成26年) - 上羽絵惣沖縄店開店[3]
  • 2015年(平成27年) - 2月、和のコスメ「kyo・miori」との共同開発により、「恋する珠肌はんどくりーむ」12種類を販売開始。4月、「宝石リップ」を販売開始。9月、「2015年度グッドデザイン賞」(公益財団法人日本デザイン振興会主催)を受賞[2][9][3]
  • 2016年(平成28年) - 3月、より落としやすい「One Day Nail」胡粉ネイルの新シリーズ「輝かシリーズ」を販売開始。6月、第5回DBJ女性新ビジネスプランコンペティション(日本政策投資銀行主催)にて「女性起業優秀賞」受賞[3]
  • 2019年(平成31年)4月、京の花をイメージした口紅「京花舞」。11月、薬用ハンドジュレ「瑞々」販売開始[10]

主要商品

絵具

胡粉

原料は北海道産ホタテ貝で、主成分は炭酸カルシウム。かつては瀬戸内産の牡蠣殻を主原料とした。日本画で重要な白い絵具として、または下塗り、盛り上げに、混色させて淡い色をつくるなど広く使用される[8][6]

岩絵具

東洋画のみならず日本画において現在でも、伝統的な色材として重用される。粒子との融合により粒子構造の特徴から独自の美しい色調が得られる。現在では希少であり、人造絵具が開発されたため、岩絵具は天然岩絵具とも呼称される。天然岩絵具、新岩絵具、合成岩絵具を総称して岩絵具と呼ぶこともある[8]

水干絵具

古くは泥絵具と呼ばれ、岩絵具にくらべて定着しやすい特徴を持つ。古来からの製法を守っている[8]

棒絵具

粉末の絵具を練り固め棒状にしたもので古くは浮世絵にも使用された。鉄鉢絵具の始まりとも言われる。水を入れた皿に墨をするように溶きおろして使用する[8]

顔彩・鉄鉢

日本画用絵具顔料に定着剤と天然デンプン質を加え作られる。小さい角容器に入れたものを顔彩、丸皿に入れたものは鉄鉢と呼ばれる。スケッチなどに使われる[8]

チューブ絵具

練絵具であり、日本画特有の技法である透明・不透明両用に使用できる[8]

胡粉ネイル

2010年に開発された有機溶剤を一切含まない水溶性ネイル。白い絵具に使用される天然素材のホタテ貝殻の微粉末から作られ、に優しい、マニキュア特有の刺激臭がない、速乾性と通気性がありアルコールで落とせるといった特徴を持つ。2015年にグッドデザイン賞を受賞[2][11][3]

胡粉石鹸

恋する珠肌はんどくりーむ

口紅

「京花舞」 - 京の花をイメージした口紅[10]

薬用ハンドジュレ

「瑞々」 - 京都産の、 その他植物に由来した成分を配合[10]

メディア出演

テレビ出演

脚注

  1. ^ a b c d e f g h 上羽絵惣株式会社公式サイト - 会社概要”. 2019年3月26日閲覧。
  2. ^ a b c 2015年度グッドデザイン賞受賞概要 - 上羽絵惣”. 2019年3月26日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q 上羽絵惣株式会社公式サイト - 歴史”. 2019年3月26日閲覧。
  4. ^ 京都新聞 2018年4月21日 朝刊「むっくりの京都 - 画材の匠たち」[1]
  5. ^ a b 京都新聞 2010年12月6日 「躍進 京滋の中小企業」上羽絵惣[2]
  6. ^ a b 『日本経済新聞』2014年4月7日「日本画1200色 伝統守る - 上羽絵惣、ネイルにも彩り」[3]
  7. ^ 京都新聞 2010年8月31日「日本最古の絵具店による天然素材の「胡粉ネイル」
  8. ^ a b c d e f g 上羽絵惣株式会社公式サイト - 絵の具”. 2019年3月26日閲覧。
  9. ^ 上羽絵惣株式会社公式サイト - 白狐ブランドに新しい仲間が登場!”. 2019年3月26日閲覧。
  10. ^ a b c 上羽絵惣 - 会社概要”. 2020年12月27日閲覧。
  11. ^ 上羽絵惣株式会社公式サイト - 胡粉ネイル”. 2019年3月26日閲覧。
  12. ^ a b c d 上羽絵惣株式会社公式サイト - メディア掲載”. 2019年8月14日閲覧。

外部リンク