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'''アレックス・ヴァレンヌ''' (Alex Varenne, [[1939年]][[8月29日]] - ) は、[[フランス]]の[[画家]]、[[成人向け漫画]]家。
'''アレックス・ヴァレンヌ''' (Alex Varenne, [[1939年]][[8月29日]] - [[2020年]][[10月20日]]) は、[[フランス]]の[[画家]]、[[成人向け漫画]]家。


== 経歴 ==
== 経歴 ==
[[リヨン]]で学んだ後、美術教師になる。
[[リヨン]]で学んだ後、美術教師になる。 1979年に弟で作家のダニエル・ヴァレンヌと共に、主人公の名前をタイトルにしたシリーズ作品『アルドゥール』を、漫画雑誌「月刊シャルリー」(''Charlie Mensuel'')に発表。1980年から1987年の間に全六作を出版した。第三次世界大戦中の世界を舞台に、主人公が放射能で荒廃した[[ディストピア]] (暗黒郷) のヨーロッパを横断するこの作品の中で、ヴァレンヌは柔らかな描線と[[白黒]]の技巧を見せた。

1985年には、弟ダニエルのシナリオで『ある出来事の風景』を発表。それに並行して、ヴァレンヌは[[:en:L'Écho des savanes|エコー・デ・サヴァンヌ]]誌(''L'Écho des Savanes'')で官能的な作品を数多く執筆する。これらの多くは、[[:en:Éditions Albin Michel|アルバン・ミシェル]]社より出版されている。1995年には[[講談社]]の漫画雑誌「[[モーニング (漫画雑誌)|モーニング]]」で、『喜郎』を連載する<ref>『はじめての人のためのバンド・デシネ徹底ガイド』151ページ。</ref>。この作品では、同名の日本人青年が主人公に据えられ、フランス人女性を次々と口説き落としていく様が描かれている。
1979年に弟で作家の[[ダニエル・ヴァレンヌ]]と共に、主人公の名前をタイトルにしたシリーズ作品『アルドゥール』を、漫画雑誌「月刊シャルリー」(''Charlie Mensuel'')に発表。1980年から1987年の間に全六作を出版した。[[第三次世界大戦]]中の世界を舞台に、主人公が[[放射能]]で荒廃した[[ディストピア]] (暗黒郷) の[[ヨーロッパ]]を横断するこの作品の中で、ヴァレンヌは柔らかな描線と[[白黒]]の技巧を見せた。

1985年には、弟ダニエルのシナリオで『ある出来事の風景』を発表。それに並行して、ヴァレンヌは[[:en:L'Écho des savanes|エコー・デ・サヴァンヌ]]誌(''L'Écho des Savanes'')で官能的な作品を数多く執筆する。これらの多くは、[[:en:Éditions Albin Michel|アルバン・ミシェル]]社より出版されている。

1995年には[[講談社]]の漫画雑誌「[[モーニング (漫画雑誌)|モーニング]]」で、『喜郎』を連載する<ref>『はじめての人のためのバンド・デシネ徹底ガイド』151ページ。</ref>。この作品では、同名の日本人青年が主人公に据えられ、フランス人女性を次々と口説き落としていく様が描かれている。


== 作品 ==
== 作品 ==
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=== その他 ===
=== その他 ===
*12の愛のサイン(''Les 12 Signes de l'Amour''、ブリジット・ライエ作、挿絵、2002年)
*12の愛のサイン(''Les 12 Signes de l'Amour''、[[ブリジット・ライエ]]作、挿絵、2002年)


== 日本での出版 ==
== 日本での出版 ==
*『喜郎』(長谷川たかこ訳、講談社、1995年、ISBN 4063195953)※絶版
*『喜郎』([[長谷川たかこ]]訳、[[講談社]]、1995年、ISBN 4063195953)※絶版


== 脚注 ==
== 脚注 ==
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[[Category:ローヌ県出身の人物]]
[[Category:ローヌ県出身の人物]]
[[Category:1939年生]]
[[Category:1939年生]]
[[Category:存命人物]]
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2020年10月23日 (金) 00:15時点における版

アレックス・ヴァレンヌ
Alex Varenne
生誕 (1939-08-29) 1939年8月29日
フランスの旗 フランス共和国
サン=ジェルマン=オ=モン=ドール英語版
国籍 フランスの旗 フランス
職業 漫画家画家
ジャンル 成人向け漫画
代表作 『アルドゥール』
『喜郎』
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アレックス・ヴァレンヌ (Alex Varenne, 1939年8月29日 - 2020年10月20日) は、フランス画家成人向け漫画家。

経歴

リヨンで学んだ後、美術教師になる。

1979年に弟で作家のダニエル・ヴァレンヌと共に、主人公の名前をタイトルにしたシリーズ作品『アルドゥール』を、漫画雑誌「月刊シャルリー」(Charlie Mensuel)に発表。1980年から1987年の間に全六作を出版した。第三次世界大戦中の世界を舞台に、主人公が放射能で荒廃したディストピア (暗黒郷) のヨーロッパを横断するこの作品の中で、ヴァレンヌは柔らかな描線と白黒の技巧を見せた。

1985年には、弟ダニエルのシナリオで『ある出来事の風景』を発表。それに並行して、ヴァレンヌはエコー・デ・サヴァンヌ誌(L'Écho des Savanes)で官能的な作品を数多く執筆する。これらの多くは、アルバン・ミシェル社より出版されている。

1995年には講談社の漫画雑誌「モーニング」で、『喜郎』を連載する[1]。この作品では、同名の日本人青年が主人公に据えられ、フランス人女性を次々と口説き落としていく様が描かれている。

作品

※特記がない限りヴァレンヌ単独名義

シリーズ

  • アルドゥール(Ardeur、弟ダニエルとの共作、1980年-1987年、全6巻)
    1. アルドゥール(1980年)
    2. ワルシャワ(Warschau、1981年)
    3. 大フーガ(La Grande Fugue、1981年)
    4. ベルリン通り(Berlin Strasse、1982年)
    5. イーダ・モー(Ida Mauz、1983年)
    6. 復讐者ジャック(Jack le Vengeur、1987年)
  • エルマ・ジャガー(Erma Jaguar、1988年-1992年、全3巻)
    1. エルマ・ジャガー(1988年)
    2. エルマの結婚式(Les Noces d'Erma、1990年)
    3. エルマの浮気(La Caprices d'Erma、1992年)
  • ポリス・バイ・ナイト(Police by Night、2001年、全2巻)

単巻

  • 白い女たちと黒い四角(Carré Noir sur Dame Blanches、1984年)
  • ある出来事の風景(L'Affaire Landscape、ダニエルとの共作、1985年)
  • エロティック・オペラ(Erotic Opera、1986年)
  • 体と体(Corps à Corps、1986年)
  • 不安と怒り(Angoisse et Colère、ダニエルとの共作、1988年)
  • キラーパス(Un Tueur Passe、ダニエルとの共作、1989年)
  • セックスの涙(Les Larmes du Sexe、1989年)
  • 狂った愛(Amours Fous、1991年)
  • ローラ(Lola、1993年)
  • ポジション(Positions、1993年)
  • グリー・トラヴェール(Gully Traver、1993年)
  • 喜郎(Kiro、1995年)※講談社「モーニング」にて連載。
  • 女にご用心(Attention Femmes、1996年)
  • 矯正(La Correction、1997年)
  • カルロッタ(Carlotta、1998年)
  • ジュリエット(Juliette et Autre Contes Fripons、1999年)
  • 由美 欲望の分子(Yumi - La Molécule de Désir、2000年)
  • ホット・ドリームズ(Hot Dreams、2013年)

画集

  • エロティックな断章(Fragments Èrotiques、1993年)
  • 女の味(Le Gôut des Femmes、2002年)
  • 神聖なエロティシズム(L'Érotisme Sacré、2011年)

その他

日本での出版

脚注

  1. ^ 『はじめての人のためのバンド・デシネ徹底ガイド』151ページ。

参考文献

  • 『はじめての人のためのバンド・デシネ徹底ガイド』玄光社、2013年

外部リンク