「ワールド・イズ・ノット・イナフ」の版間の差分

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== ボンドガール ==
== ボンドガール ==
[[ボンドガール]]には[[ソフィー・マルソー]]と、[[デニス・リチャーズ]](アメリカ)が選ばれた。
ボンドガールには[[ソフィー・マルソー]]と、デニス・リチャーズ(アメリカ)が選ばれた。ソフィー・マルソーは『ラ・ブーム』でデビューし、日本でも人気になった女優である。パート2の『ラ・ブーム2』にも出演。その後、演技派女優となり、ヌードにもなって映画『アンナ・カレーニア』(1997)『真夏の夜の夢』(1999)などにも出演した。美人女優デニス・リチャーズはある意味でソフイー・マルソー以上の人気を獲得した。リチャーズはジェームズ・ボンド映画『ザ・ワールド・イズ・ノット・イナフ』に1999年に出演し科学者を演じた。彼女は自分の役割を「頭がよく」、「行動的」と考えていたが、彼女はその役柄を充分演じらていないと批判された。しばしばローカットのタンクトップと、タイトなショーツで構成された彼女の服装は、好ましくないというメディアの評価を引き出した。リチャーズは、多くの観客が彼女の服装を「からかった」が、「ボンドガールの私が本当に科学者のように見えたら、ボンドのファンは失望しただろう」と述べた。その後リチャーズはビューティコンテストの風刺作品『ドロップ・デッド・ゴージャス』で、キルスティン・ダンストと共演した。この映画は時間とともに新しいファンを獲得し、「カルト映画」と見なされている。甘やかされて育ったクイーンを演じているリチャーズは、彼女が「かわいいのと同じくらい厄介である」として、ロサンゼルス・タイムズからそのパフォーマンスを称賛された。


ソフィー・マルソーは『[[ラ・ブーム]]』でデビューし、日本でも人気になった女優である。パート2の『[[ラ・ブーム2]]』にも出演。その後、演技派女優となり、ヌードにもなって映画『[[アンナ・カレーニナ]]』(1997)『[[真夏の夜の夢]]』(1999)などにも出演した。
2001年に、彼女はキャシー・ゲラーとして『ロスとモニカの従兄弟と~』にゲスト出演した。その年の後半、彼女はチャーリー・シーンと共演し、ジェニファー・ダンカンとして『スピンシティ』のエピソードに出演した。デニスは30代になっても40代になっても、美しさが衰えないとも見られている。

科学者を演じた美人女優デニス・リチャーズはある意味でソフイー・マルソー以上の人気を獲得した。彼女は自分の役割を「頭がよく」、「行動的」と考えていたが、彼女はその役柄を充分演じらていないと批判された。しばしばローカットのタンクトップと、タイトなショーツで構成された彼女の服装は、好ましくないというメディアの評価を引き出した。リチャーズは、多くの観客が彼女の服装を「からかった」が、「ボンドガールの私が本当に科学者のように見えたら、ボンドのファンは失望しただろう」と述べた。

その後リチャーズは[[ビューティーコンテスト]]の風刺作品『[[ドロップ・デッド・ゴージャス]]』で、[[キルスティン・ダンスト]]と共演した。この映画は時間とともに新しいファンを獲得し、「[[カルト映画]]」と見なされている。甘やかされて育ったクイーンを演じているリチャーズは、彼女が「かわいいのと同じくらい厄介である」として、[[ロサンゼルス・タイムズ]]からそのパフォーマンスを称賛された。
2001年に、彼女はキャシー・ゲラーとして『[[ロスとモニカの従兄弟と~]]』にゲスト出演した。その年の後半、彼女は[[チャーリー・シーン]]と共演し、ジェニファー・ダンカンとして『[[スピンシティ]]』のエピソードに出演した。デニスは30代になっても40代になっても、美しさが衰えないとも見られている。


== 興行成績 ==
== 興行成績 ==

2020年10月20日 (火) 14:56時点における版

007 ワールド・イズ・ノット・イナフ
The World Is Not Enough
監督 マイケル・アプテッド
脚本 ニール・パーヴィス
ロバート・ウェイド
ブルース・フィアステン
原案 ニール・パーヴィス
ロバート・ウェイド
原作 イアン・フレミング
製作 マイケル・G・ウィルソン
バーバラ・ブロッコリ
出演者 ピアース・ブロスナン
ソフィー・マルソー
デニス・リチャーズ
ロバート・カーライル
音楽 デヴィッド・アーノルド
主題歌 「The World is Not Enough」
ガービッジ
撮影 エイドリアン・ビドル
編集 ジム・クラーク
製作会社
配給 アメリカ合衆国の旗 メトロ・ゴールドウィン・メイヤー
イギリスの旗日本の旗 UIP
公開 アメリカ合衆国の旗 1999年11月19日
イギリスの旗 1999年11月22日
日本の旗 2000年2月5日
上映時間 127分
製作国 イギリスの旗 イギリス
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $135,000,000[1]
興行収入 $361,832,400[1] 世界の旗
$126,943,684[1] アメリカ合衆国の旗カナダの旗
19億9000万円[2] 日本の旗
前作 007 トゥモロー・ネバー・ダイ
次作 007 ダイ・アナザー・デイ
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007 ワールド・イズ・ノット・イナフ』(ダブルオーセブン ワールド・イズ・ノット・イナフ、The World Is Not Enough)は、マイケル・アプテッド監督のスパイアクション映画1999年に公開。007シリーズ第19作。日本での公開は2000年2月5日

ストーリー

ボンドは、石油王ロバート・キング卿の大金を回収する事に成功。キング卿が大金を確認するためMI6を訪れる。Mへ任務の経過を報告している最中に、ボンドはその大金に罠が仕掛けられていることに気づき止めようとするが間に合わず、キング卿は爆死した。ボンドは犯人と思われる女暗殺者を追うが、激しいボートチェイスの末、女暗殺者は「彼からは逃げられない」とい言葉を残して自爆する。

真犯人は009に銃弾を頭に撃ち込まれるも死なず、そのせいで痛みを感じない体となった不死身のテロリスト「レナード」だと睨んだMI6は、キング卿の娘であり、レナードに誘拐された経験があるエレクトラ・キングが次に狙われると判断。ボンドに彼女の警護を命じる。

そんな時、廃棄される予定の核弾頭がレナードによって盗まれ、キング社の石油パイプラインに仕掛けられる。ボンドは、科学者のクリスマス・ジョーンズや元KGBのヴァレンティン・ズコフスキーらと協力しながら、レナードを追ううちにレナードの背後に潜む本当の黒幕と石油独占計画を知る。

スタッフ

  • 監督 - マイケル・アプテッド
  • 製作 - マイケル・G・ウィルソン、バーバラ・ブロッコリ
  • 原案 - ニール・パーヴィス、ロバート・ウェイド
  • 脚本 - ニール・パーヴィス、ロバート・ウェイド、ブルース・フィアステン
  • 音楽 - デヴィッド・アーノルド
  • 主題歌 - ガービッジ
  • 撮影 - エイドリアン・ビドル
  • 編集 - ジム・クラーク
  • プロダクション・デザイン - ピーター・ラモント
  • 美術 - ニール・ラモント
  • 特殊効果 - クリス・コーブルド
  • 視覚効果 - マラ・ブライアン
  • メインタイトル・デザイン - ダニエル・クレインマン

キャスト

主人公のピアース・ブロスナン
(2002年撮影)

ボンドガール

ボンドガールにはソフィー・マルソーと、デニス・リチャーズ(アメリカ)が選ばれた。

ソフィー・マルソーは『ラ・ブーム』でデビューし、日本でも人気になった女優である。パート2の『ラ・ブーム2』にも出演。その後、演技派女優となり、ヌードにもなって映画『アンナ・カレーニナ』(1997)『真夏の夜の夢』(1999)などにも出演した。

科学者を演じた美人女優デニス・リチャーズはある意味でソフイー・マルソー以上の人気を獲得した。彼女は自分の役割を「頭がよく」、「行動的」と考えていたが、彼女はその役柄を充分演じらていないと批判された。しばしばローカットのタンクトップと、タイトなショーツで構成された彼女の服装は、好ましくないというメディアの評価を引き出した。リチャーズは、多くの観客が彼女の服装を「からかった」が、「ボンドガールの私が本当に科学者のように見えたら、ボンドのファンは失望しただろう」と述べた。

その後リチャーズはビューティーコンテストの風刺作品『ドロップ・デッド・ゴージャス』で、キルスティン・ダンストと共演した。この映画は時間とともに新しいファンを獲得し、「カルト映画」と見なされている。甘やかされて育ったクイーンを演じているリチャーズは、彼女が「かわいいのと同じくらい厄介である」として、ロサンゼルス・タイムズからそのパフォーマンスを称賛された。 2001年に、彼女はキャシー・ゲラーとして『ロスとモニカの従兄弟と~』にゲスト出演した。その年の後半、彼女はチャーリー・シーンと共演し、ジェニファー・ダンカンとして『スピンシティ』のエピソードに出演した。デニスは30代になっても40代になっても、美しさが衰えないとも見られている。

興行成績

本作は1999年の映画の世界興行成績で第8位を記録し[3]、インフレ率を考慮しない場合、前々作の『007 ゴールデンアイ』を超えるシリーズで「過去最高の興行成績」となった[4]

主題歌

アメリカのロック・バンド、ガービッジが起用され主題歌を担当した(ヴォーカルのシャーリー・マンソンはイギリス出身)。イギリスの「ミュージック・ウィーク」誌では、最高位11位を獲得しているが、アメリカではチャート入りを果たせなかった。同サウンドトラック・アルバムもチャート入りを逃している。

キャラクター、キャストなど

  • 複雑化した現代社会を描いており、シリーズの中では、やや複雑なストーリーとなっている。
  • ブロスナンのシリーズでは初めてシリアス路線となっており、ボンドも無抵抗の敵の下っ端を射殺するなど、ハードな部分が多く、その分ボンドの恒例のジョークはあまり登場しない。アクションシーンも冒頭のボートチェイス以降はやや地味なものが多くなっている。デヴィッド・アーノルドが担当した音楽もそれまでより不気味さ・冷たさ・哀愁を漂わせるものが多い。
  • 本作はメトロ・ゴールドウィン・メイヤー75周年記念作品だった。
  • MI6のスコットランド支部として登場するセイン城では初代Mを演じたバーナード・リーの肖像画が掛けられている。
  • 劇中でQは引退することをボンドに告げ、Rを紹介してボンドに別れの言葉を述べる。これはQを演じるデスモンド・リュウェリンが年齢を理由に俳優業からの引退を表明したため。Rがエレベーターで上がりながら登場するのに対してQがエレベーターで下に下がって退場する、という象徴的な場面がある。さらに、ラストでRはMI6の一同とともにいるが、いつもいるはずのQがそこにいないのも同様の演出。なお、Rとはボンドがジョークとして言ったものであり、キャスト表にもRと明記されているだけで、彼が本当にRと呼ばれていたかは不明。
  • 公開前からQ引退の噂は世界中のファンの間で話題になっており、リュウェリンの続投を望むファンの声は多かったが、撮影終了の6週間後に彼は交通事故で死亡してしまったため叶わぬものとなり、本当に本作が彼の遺作となってしまった[5][6]
  • MI6のスコットランド支部ではボンドが好意を抱いている医師のモリー・ワームフラッシュ博士がいる。ボンドの誘惑に負け、情熱的な昼下がりを過ごすとボンドに「健康証明証」を発行し、マネーペニーに嫌味を言われてしまう。
  • 本作は、メインのボンドガールが死亡する数少ない作品。他にも『女王陛下の007』、『カジノ・ロワイヤル』でもメインのボンドガールが死亡するが、それらとは違ってボンド自身が任務遂行のため射殺する点で大きく異なる。

エピソード

  • デニス・リチャーズは本作でゴールデンラズベリー賞の最低助演女優賞を受賞する結果となった。
  • 日本人歌手の森川美穂がカジノの客としてカメオ出演している。
  • 「ワールド・イズ・ノット・イナフ」(世界を手に入れてもまだ足りない)はボンド家の家訓。劇中でもボンドが囚われ拷問されているさいに口走っている。『女王陛下の007』ではボンドが紋章院を訪ね、この語句が書かれた紋章が先祖のものだと教えられるくだりがある。
  • 日本公開版のみ、エンディングテーマソングがLUNA SEAの「Sweetest Coma Again feat.DJ KRUSH」に変更されている。
  • エンドクレジット直前に「JAMES BOND WILL RETURN」の文字が入っている(通常はエンド・ロールの最後に「次回作でまたお会いしましょう」という日本語字幕と共に表示されている)。
  • レナード役には、当初ゲイリー・オールドマンが候補に上がっていた。
  • 日本版DVDではオープニングや、ズコフスキーの工場にヘリカッターが出現する場面などで字幕が極端にずれている症状がある。これは不具合やミスではなく、シーンの舞台裏を表示できるシークレット・アクセス機能と「字幕との共存ができなかったため」である。

日本語吹替

役名 俳優 VHS/DVD/BD テレビ朝日
ジェームズ・ボンド ピアース・ブロスナン 横島亘 田中秀幸
エレクトラ ソフィー・マルソー 山崎美貴 佐々木優子
クリスマス デニス・リチャーズ 藤貴子 佐藤あかり
レナード ロバート・カーライル 諸角憲一 古川登志夫
M ジュディ・デンチ 森田育代 沢田敏子
マネーペニー サマンサ・ボンド 加藤優子 佐藤しのぶ
Q デスモンド・リュウェリン 田口昂 北村弘一
R ジョン・クリーズ 島香裕 塚田正昭
ズコフスキー ロビー・コルトレーン 手塚秀彰 玄田哲章
ブル ゴールディ 緒方文興 後藤敦
ロバート・キング卿 デヴィッド・コールダー 稲垣隆史
ダヴィドフ ウルリク・トムセン 柳沢栄治 大塚芳忠
ビル・タナー マイケル・キッチン 御友公喜 福田信昭
チャールズ・ロビンソン コリン・サーモン 佐々木誠二
ラシェーズ パトリック・マラハイド 小島敏彦
シガー・ガール マリア・グラツィア・クチノッタ 安藤みどり
モリー・ウォームフラッシュ セレナ・スコット・トーマス 園田恵子 入江純
アカキエビッチ大佐 クロード=オリヴィエ・ルドルフ 廣田行生 山野井仁
ガボール ジョン・セル 西凜太朗
アルコフ博士 ジェフ・ナトール 島香裕 関貴昭
パイプライン技術者 ジミー・ルズーニス 伊藤和晃
通信士 クローシュ・アサド 中田雅之 田中完
  • VHS/DVD/BD版 - 初出2000年8月4日発売VHS/DVD特別編、2006年11月22日発売 DVD アルティメット・コレクション
演出 - 福永莞爾、翻訳 - 宮川桜子、調整 - 長井利親、製作 - ブロードメディア・スタジオ
  • テレビ朝日版 - 初回放映2003年3月2日21:00-23:24 『日曜洋画劇場』(正味約120分) ※キングレコードから発売の特別版DVDに収録。
演出 - 福永莞爾、翻訳 - 平田勝茂、効果 - リレーション、調整 - 山田太平、製作 - ブロードメディア・スタジオ

ノベライズ

  • レイモンド・ベンソン 著、小林浩子 訳『ワールド・イズ・ノット・イナフ』角川書店、2000年1月25日。ISBN 9784042767022 
  • Benson, Raymond (1999-11-18). Tommorrw Never Dies. Hodder & Stoughton. ISBN 9780340765463 

秘密兵器

  • ワルサーP99、メガネのボタンを押すと炸裂し、相手を怯ませることができる。
  • スイスの高級腕時計メーカーの「シーマスター ダイバー 300M」を着用している[7]。前作と同じ機種を使用している。文字盤が点灯し、非常灯となる。また、フックのついたワイヤーを発射し、それを巻き取って身体を持ち上げ脱出する、といった機能を持つ[8][9]
  • ボンドカーとしてBMW・Z8が使用された。ミサイル、遠隔操作機能を搭載している。

脚注

注釈

参照

関連項目

外部リンク