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| 科 = [[ブルセラ科]] [[:en:Brucellaceae|Brucellaceae]]
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| 属 = '''ブルセラ属''' '''''[[:en:Brucella|Brucella]]'''''
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| 学名 = ''Brucella'' <br>Mayer & Shaw 1920
| 学名 = ''Brucella''<br>Mayer & Shaw 1920
| 下位分類名 = 下位分類(種)
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'''ブルセラ属'''(''Brucella'')は[[グラム陰性]]の非[[芽胞]]形成好気性非運動性の球菌ないし[[桿菌]]。ブルセラ科に属する。名称はブルセラ属菌が原因となって起きる[[ブルセラ症]]の研究で貢献した[[デヴィッド・ブルース]]に因む。GC含量は55から58。基準種はブルセラ・メリテンシス(''B. melitensis'')。
'''ブルセラ属'''(''Brucella'')は[[グラム陰性]]の非[[芽胞]]形成好気性非運動性の球菌ないし[[桿菌]]。ブルセラ科に属する。名称はブルセラ属菌が原因となって起きる[[ブルセラ症]]の研究で貢献した[[デヴィッド・ブルース]]に因む。GC含量は55から58。基準種はブルセラ・メリテンシス(''B. melitensis'')。


分類はやや混乱している。細菌学名承認リスト時点で認められていた6種は、DND-DNA分子交雑法では区別が付かず、これによる分類では全て''B. melitensis''にまとめらる<ref name="ref1">{{cite journal |author= 今田由美子 |title= 人 ''Brucella melitensis''感染症の病性鑑定報告|journal=動衛研研究報告|volume= |issue= 110 |pages= 1-4 |year=平成16年3月|doi=}}</ref>。しかし異論も多く、通常は従来の学名が使用される<ref name="ref1" />。なお、その後6種が記載され、2018年現在、ブルセラ属は12種となっている。
分類はやや混乱している。細菌学名承認リスト時点で認められていた6種は、DND-DNA分子交雑法では区別が付かず、これによる分類では全て''B. melitensis''にまとめらる<ref name="ref1">{{cite journal |author= 今田由美子 |title= 人 ''Brucella melitensis''感染症の病性鑑定報告|journal=動衛研研究報告|volume= |issue= 110 |pages= 1-4 |year=平成16年3月|doi=}}</ref>。しかし異論も多く、通常は従来の学名が使用される<ref name="ref1" />。なお、その後6種が記載され、2018年現在、ブルセラ属は12種となっている。


動物細胞に細胞内寄生体として生息する。ヒトを含め哺乳類に対して病原性を示す。フォーゲス・プロスカウエル試験および[[メチルレッド]]試験は陰性、[[カタラーゼ]]、[[オキシダーゼ]]、[[ウレアーゼ]]は概ね陽性。コスターの染色によって検出できる。培養する際には数パーセント程度の[[二酸化炭素]]が必要である。プレート培養には[[ブルセラ寒天培地]]や[[チョコレート寒天培地]]が用いられる。
動物細胞に細胞内寄生体として生息する。ヒトを含め哺乳類に対して病原性を示す。フォーゲス・プロスカウエル試験および[[メチルレッド]]試験は陰性、[[カタラーゼ]]、[[オキシダーゼ]]、[[ウレアーゼ]]は概ね陽性。コスターの染色によって検出できる。培養する際には数パーセント程度の[[二酸化炭素]]が必要である。プレート培養には[[ブルセラ寒天培地]]や[[チョコレート寒天培地]]が用いられる。

2020年9月18日 (金) 14:23時点における版

ブルセラ属
グラム染色したブルセラ・メリテンシス
分類
ドメイン : 細菌 Bacteria
: プロテオバクテリア門
Proteobacteria
: αプロテオバクテリア綱
Alpha Proteobacteria
: リゾビウム目 Rhizobiales
: ブルセラ科 Brucellaceae
: ブルセラ属 Brucella
学名
Brucella
Mayer & Shaw 1920
下位分類(種)
  • B.アボルツス
  • B.ミクロティ
  • B.メリテンシス

ブルセラ属Brucella)はグラム陰性の非芽胞形成好気性非運動性の球菌ないし桿菌。ブルセラ科に属する。名称はブルセラ属菌が原因となって起きるブルセラ症の研究で貢献したデヴィッド・ブルースに因む。GC含量は55から58。基準種はブルセラ・メリテンシス(B. melitensis)。

分類はやや混乱している。細菌学名承認リスト時点で認められていた6種は、DND-DNA分子交雑法では区別が付かず、これによる分類では全てB. melitensisにまとめられる[1]。しかし異論も多く、通常は従来の学名が使用される[1]。なお、その後6種が記載され、2018年現在、ブルセラ属は12種となっている。

動物細胞に細胞内寄生体として生息する。ヒトを含め哺乳類に対して病原性を示す。フォーゲス・プロスカウエル試験およびメチルレッド試験は陰性、カタラーゼオキシダーゼウレアーゼは概ね陽性。コスターの染色によって検出できる。培養する際には数パーセント程度の二酸化炭素が必要である。プレート培養にはブルセラ寒天培地チョコレート寒天培地が用いられる。

脚注

  1. ^ a b 今田由美子 (平成16年3月). “人 Brucella melitensis感染症の病性鑑定報告”. 動衛研研究報告 (110): 1-4.