「実効支配」の版間の差分

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* [[白頭山|長白山/白頭山]] - 朝鮮民主主義人民共和国が、[[中朝国境]]にある白頭山と天池を実効支配している。
* [[白頭山|長白山/白頭山]] - 朝鮮民主主義人民共和国が、[[中朝国境]]にある白頭山と天池を実効支配している。
* [[台湾]] - [[中華民国]]政府が実効支配しているが、[[中華人民共和国]]政府は自国の領土の一部と主張している。一方で中華民国政府も台湾だけでなく現在中華人民共和国政府並びにモンゴル国政府が実効支配する領域も自国の領土であるとしている。世界の多数の国が建前上は中華人民共和国政府を唯一の政府として国家承認し、その主張を支持しているが、実際上は台湾政府とも実務関係を持っている国が多い。
* [[台湾]] - [[中華民国]]政府が実効支配しているが、[[中華人民共和国]]政府は自国の領土の一部と主張している。一方で中華民国政府も台湾だけでなく現在中華人民共和国政府並びにモンゴル国政府が実効支配する領域も自国の領土であるとしている。世界の多数の国が建前上は中華人民共和国政府を唯一の政府として国家承認し、その主張を支持しているが、実際上は台湾政府とも実務関係を持っている国が多い。
* [[千島列島]]、[[樺太|南樺太]] - [[第二次世界大戦]]後、ソ連は[[大日本帝国|日本]]の[[領域 (国家)|領土]]であった南樺太及び千島列島に侵攻し(ソ連による南樺太への侵攻開始は終戦前だが、終戦後も侵攻は継続される)、現在に至るまでソ連及びそれを継承した[[ロシア|ロシア連邦]]が実効支配を継続している。[[日本国との平和条約|サンフランシスコ講和条約]]により[[日本]]が放棄し、現在日本政府は[[国際法]]上は帰属未定地としている([[北方領土問題#サンフランシスコ講和条約(日本国との平和条約)|サンフランシスコ講和条約(日本国との平和条約)]])。日本には、ロシアによる支配がソ連の不法な[[侵略]]に由来するものとし、南樺太や全千島の返還を求める意見もあるが、現在の[[日本の政治|日本政府]]は択捉島、国後島、色丹島、歯舞群島(いわゆる[[北方領土]])のみの返還を求めており、周辺の[[排他的経済水域]]が重要視されている。[[国会]]では、まず「実効支配」の定義を確認した上で日本としての主張が議論されている<ref>{{Cite web|url=http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a166209.htm |title=実効支配の定義等に関する質問主意書 |language=ja |accessdate=2019-01-05}}</ref>。
* [[千島列島]]- [[第二次世界大戦]]後、ソ連は[[大日本帝国|日本]]の[[領域 (国家)|領土]]であった千島列島に侵攻し、現在に至るまでソ連及びそれを継承した[[ロシア|ロシア連邦]]が実効支配を継続している。[[日本国との平和条約|サンフランシスコ講和条約]]により[[日本]]が放棄し、現在日本政府は[[国際法]]上は帰属未定地としている([[北方領土問題#サンフランシスコ講和条約(日本国との平和条約)|サンフランシスコ講和条約(日本国との平和条約)]])。日本には、ロシアによる支配がソ連の不法な[[侵略]]に由来するものとし、全千島の返還を求める意見もあるが、現在の[[日本の政治|日本政府]]は択捉島、国後島、色丹島、歯舞群島(いわゆる[[北方領土]])のみの返還を求めており、周辺の[[排他的経済水域]]が重要視されている。[[国会]]では、まず「実効支配」の定義を確認した上で日本としての主張が議論されている<ref>{{Cite web|url=http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a166209.htm |title=実効支配の定義等に関する質問主意書 |language=ja |accessdate=2019-01-05}}</ref>。
{{see also|北方領土問題}}
{{see also|北方領土問題}}
* [[フォークランド諸島]](スペイン名:マルビナス諸島)- 植民地時代に[[スペイン]]への帰属が確定し、植民地の独立後主権も[[アルゼンチン]]に受け継がれていたと考えられ、[[1820年]]に[[リオ・デ・ラ・プラタ諸州連合]]に編入されたが、[[1833年]]に[[イギリス]]軍の攻撃により占領され、以降イギリスが現在に至るまで実効支配を続けている。
* [[フォークランド諸島]](スペイン名:マルビナス諸島)- 植民地時代に[[スペイン]]への帰属が確定し、植民地の独立後主権も[[アルゼンチン]]に受け継がれていたと考えられ、[[1820年]]に[[リオ・デ・ラ・プラタ諸州連合]]に編入されたが、[[1833年]]に[[イギリス]]軍の攻撃により占領され、以降イギリスが現在に至るまで実効支配を続けている。

2020年6月28日 (日) 13:38時点における版

実効支配(じっこうしはい、: effective control)は、ある政権が一方的に領域を占拠し、実態の上で統治していると主張していることを指す。有効支配、実効的支配。なお「実行支配」は誤り。

概説

たとえば、支配権を主張する現地に実際に軍隊などを駐留させている場合などに、実効支配がなされているとされる。一般に「実効」支配という言葉が用いられる事例は、外国政府による領有または政権そのものの国家の承認が伴っていないケースである。承認がなされない理由は、当該地域に関する他国との領有権問題や政権の正統性に対する懐疑などである。承認を受けていない政権で国家の一部の領域を実効支配するものは、「ゲリラ」「反政府組織」などの名称で呼ばれる。全土を実効支配する政権が承認を受けないことはまれだが、当初のソビエト連邦(ソ連)のように新政権のあり方に他の既存国家が難色を示している場合には起こりうる。

紛争地域・帰属未確定地域における実効支配の具体例

関連項目

脚注

  1. ^ 実効支配の定義等に関する質問主意書”. 2019年1月5日閲覧。