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2020年6月19日 (金) 14:24時点における版
ハトホル Hathor | |||
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ヒエログリフ表記 |
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信仰の中心地 | デンデラ、メンフィス、アブ・シンベル小神殿 | ||
シンボル | イチジク | ||
配偶神 | ラー、大ホルス、セベク、アヌビス | ||
親 | ラー | ||
子供 |
ラーとの子→大ホルス ホルスとの子→イヒ セベクとの子→コンス アヌビスとの子→ウプウアウト |
ハトホルあるいは、ハトル(Hathor)、フゥト・ホルは、古代エジプト神話の愛と美の女神。
概要
太陽神ラーを父に持つ。配偶神は父でもあるラー、天空神ホルス(大ホルス)、鰐の神セベク、ミイラ作りの神アヌビス。 ラーとの間にホルス(大ホルス)、小ホルスとの間に音楽の神イヒ、セベクとの間に月の神コンス、アヌビスとの間に戦いの神ウプウアウトを成した。他にも多くの神の夫となり、子供と考えられた神がいる。
名前の由来
その名前の意味は、「ホルス神の館(家[1])」[2]と考えられており、ホルとは、ホルスのことを表しているとされる。ここからホルスの母あるいは、ホルス(「エドフのホルス(ホル・ベヘデティ)」)の妻と見做されるようになった。
外見
その姿は、牝牛か牝牛の頭部を持つ人間[3]で表された。人間の女性の姿で表される時も頭には、牛の角が生えていることがあり、角の間に太陽円盤を載せ[3]、牝牛の耳を持つ[1]。
神話
セトとホルスが戦った時、ホルスの傷を癒した。ここから治療の神とされる。
また死者を冥界に導くとされる。
信仰と習合
信仰
世界を生み出した天の牝牛[4]、鉱山の守護神[5]、ホルスのこの世の姿であるファラオに乳を与える牝牛[6]、妊婦を守る女神[6]などの多様な性格を持っていたハトホルは、オシリスとイシスの伝説の広まりに伴って、オシリス信仰が主流になると、死者を養う女神としての性格も持つようになった。 冥界へ行く者達にパンと水(もしくは乳)とイチジクから作られた食物を与える役割を持ち[7]、そこから「エジプトイチジクの木の貴婦人」[8]または、「南方のイチジクの女主人」と呼ばれ、ハトシェプストやクレオパトラといった女性ファラオからも信仰を得た。 ハトホル信仰は中心地デンデラの他に、サイス、ヘルモポリス、ヘリオポリス、クサエ、ヘラクレオポリス、エスナを擁し、エジプト国外では、ヌビア、プント、シナイ半島にも及んだ。 時代が下り、ハトホル信仰は、イシスと共にローマ帝国にまで広がり、[9]ギリシアではアプロディーテーと同一視された[10]。
習合
ホルス神の母であり、ファラオの守護者であるという性格を持つ豊穣の女神イシスと同一視され、殺戮の女神セクメトは人間を滅ぼしかねない程に怒りにとらわれた女神ハトホルとされた。
関連項目
エジプト神話
- ラー…父にあたる。
他神話
- アプロディーテー…同一視されたギリシャの神。
脚注
- ^ a b 大英博物館 古代エジプト百科事典 (1997)、421頁
- ^ 「古代エジプト人と神々」41頁。
- ^ a b 『エジプト神話』153頁。
- ^ 『エジプト神話』149頁。
- ^ 古代エジプト神々大百科 (2004)、143頁
- ^ a b 『エジプト神話』152頁。
- ^ 『エジプト神話』29頁。
- ^ Oxford Guide to Egyptian Mythology, Donald B. Redford (Editor), pp. 157–161, Berkley Reference, 2003, ISBN 0-425-19096-X
- ^ 『エジプト神話』293頁。
- ^ 古代エジプト神々大百科 (2004)、141頁
参考文献
- イアン・ショー&ポール・ニコルソン 著、内田杉彦 訳『大英博物館 古代エジプト百科事典』原書房、1997年。ISBN 4-562-02922-6。
- ヴェロニカ・イオンズ『エジプト神話』酒井傳六訳、青土社、1991年(新装版)、ISBN 978-4-7917-5145-7。
- リチャード・H・ウィルキンソン 著、内田杉彦 訳『古代エジプト神殿大百科』東洋書林、2002年。ISBN 4-88721-580-0。
- リチャード・H・ウィルキンソン 著、内田杉彦 訳『古代エジプト神々大百科』東洋書林、2004年。ISBN 4-88721-674-2。
- 内田杉彦「古代エジプト人と神々」『明倫歯科保健技工学雑誌』7巻1号、明倫短期大学、2004年3月、ISSN 1344-0373。