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2019年6月1日 (土) 12:02時点における最新版

『小さな水浴者』
作者トマ・クチュール
製作年1849年 (1849)
寸法117 cm × 90 cm (46 in × 35 in)
所蔵エルミタージュ美術館サンクトペテルブルク

小さな水浴者』(ちいさなすいよくしゃ、: La petite baigneuse)は、ロシアエルミタージュ美術館に所蔵されているフランスの画家トマ・クチュールの絵画。

絵画は、布を被された石の上に腰かけている約10歳の裸の少女を描いている。少女の隣には、赤いリボンとリンゴに加え、金色のペクトラル・クロスロシア語版が置かれている。リンゴは禁断の果実を象徴しており、堕落の象徴だが、信仰の象徴である十字架と相反する要素となっている。十字架の真下にある石には、画家のイニシャルと日付(T.C. 1849)が記されている。

この絵は1849年に描かれ、1850年代後半にはロシアの美術収集家ニコライ・アレクサンドロヴィチ・クシェレブ・ベズボロドコロシア語版が所有した。所有者が死去した後、クシェレブ・ベズボロドコの全ての所蔵品と同じように、絵画はロシア帝国美術アカデミー美術館ロシア語版に移され、クシェレブ展示会場の展示品の一つとなった。1868年の展示目録では『森の中の少女』[1]という名前で掲載された(『林の中の少女』、『少女の習作』、『庭の中の少女』とも呼ばれていた[2])。その後、1922年にエルミタージュ美術館に移された[3]

西洋ヨーロッパ美術部門の研究者で、美術批評家のアリベルト・コステネーヴィッチは、20世紀初頭にクチュールの作品を評価し、19番目のフランス美術に関する評論で次のように書いている。

『小さな水浴者』のような小さくて素朴な絵は、前世紀の絵の地位を保証している。古代の作家の蘊蓄は、緑の中の裸の少女が描かれた絵の優美さの前に消えてしまうが、言うまでもなく、それはサロンの美しさがあってのことである[4]

脚注[編集]

  1. ^ Березина В. Французская живопись первой половины и середины XIX века в Эрмитаже. Научный каталог. — Л.: Искусство, 1983. — С. 245.
  2. ^ Березина В. Французская живопись первой половины и середины XIX века в Эрмитаже. Научный каталог. — Л.: Искусство, 1983. — С. 165.
  3. ^ Государственный Эрмитаж. — Кутюр, Тома. «Маленькая купальщица»
  4. ^ Костеневич А. Г. Французское искусство XIX — начала XX веков в Эрмитаже. Очерк-путеводитель. — Л.: Искусство, 1984. — С. 92.