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シクロヘキサノンの還元においては、ヒドリド源が[[シクロヘキサンの立体配座|アキシャル]]位を攻撃してエカトリアル位にヒドロキシ基がつくか、エカトリアル位を攻撃してアキシャル位にヒドロキシ基が結合したアルコールができる。アキシャル位への攻撃(赤で示した)ではヒドリドが[[ひずみ (化学)|1,3-ジアキシャル相互作用]]による反発を受ける。一方エカトリアル位の攻撃ではヒドリドは相互作用を受けることがないが、新しくできたアルコールが基質と水素原子が[[反応中間体]]が{{仮リンク|アルカンの立体化学|en|Alkane stereochemistry|label=ねじれひずみ}}を受ける(アキシャル位にヒドロキシ基が結合したアルコールの[[ニューマン投影式]]で下に示した)。
シクロヘキサノンの還元においては、ヒドリド源が[[シクロヘキサンの立体配座|アキシャル]]位を攻撃してエカトリアル位にヒドロキシ基がつくか、エカトリアル位を攻撃してアキシャル位にヒドロキシ基が結合したアルコールができる。アキシャル位への攻撃(赤で示した)ではヒドリドが[[ひずみ (化学)|1,3-ジアキシャル相互作用]]による反発を受ける。一方エカトリアル位の攻撃ではヒドリドは相互作用を受けることがないが、新しくできたアルコールが基質と水素原子が[[反応中間体]]が{{仮リンク|アルカンの立体化学|en|Alkane stereochemistry|label=ねじれひずみ}}を受ける(アキシャル位にヒドロキシ基が結合したアルコールの[[ニューマン投影式]]で下に示した)。
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Large reducing agents, such as LiBH(Me<sub>2</sub>CHCHMe)<sub>3</sub>, are hindered by the 1,3-axial interactions and therefore attack equatorially.<ref name=":0"/> Small reducing agents, such as NaBH<sub>4</sub>, preferentially attack axially in order to avoid the eclipsing interactions, because the 1,3-diaxial interaction for small molecules is minimal; stereoelectronic reasons have also been cited for small reducing agents' axial preference.<ref>{{Cite journal|title = Theoretical evidence in support of the Anh?Eisenstein electronic model in controlling ?-facial stereoselectivity in nucleophilic additions to carbonyl compounds|url = http://xlink.rsc.org/?DOI=c39900000456|journal = Journal of the Chemical Society, Chemical Communications|volume = 0|issue = 6|doi = 10.1039/c39900000456|first = Stephen S.|last = Wong|first2 = Michael N.|last2 = Paddon-Row|pages=456–458|date = January 1990}}</ref> Making the substrate bulkier (and increasing 1,3-axial interactions), however, decreases the prevalence of axial attacks, even for small hydride donors.<ref>{{Cite journal|title = Lithium trisiamylborohydride. A new sterically hindered reagent for the reduction of cyclic ketones with exceptional stereoselectivity|journal = Journal of the American Chemical Society|date = 1976-05-01|issn = 0002-7863|pages = 3383–3384|volume = 98|issue = 11|doi = 10.1021/ja00427a061|first = S.|last = Krishnamurthy|first2 = Herbert C.|last2 = Brown}}</ref>
LiBH(Me<sub>2</sub>CHCHMe)<sub>3</sub>などの嵩高い還元剤は1,3-ジアキシャル相互作用によってエカトリアル位への攻撃が阻害される<ref name=":0"/>Small reducing agents, such as NaBH<sub>4</sub>, preferentially attack axially in order to avoid the eclipsing interactions, because the 1,3-diaxial interaction for small molecules is minimal; stereoelectronic reasons have also been cited for small reducing agents' axial preference.<ref>{{Cite journal|title = Theoretical evidence in support of the Anh?Eisenstein electronic model in controlling ?-facial stereoselectivity in nucleophilic additions to carbonyl compounds|url = http://xlink.rsc.org/?DOI=c39900000456|journal = Journal of the Chemical Society, Chemical Communications|volume = 0|issue = 6|doi = 10.1039/c39900000456|first = Stephen S.|last = Wong|first2 = Michael N.|last2 = Paddon-Row|pages=456–458|date = January 1990}}</ref> Making the substrate bulkier (and increasing 1,3-axial interactions), however, decreases the prevalence of axial attacks, even for small hydride donors.<ref>{{Cite journal|title = Lithium trisiamylborohydride. A new sterically hindered reagent for the reduction of cyclic ketones with exceptional stereoselectivity|journal = Journal of the American Chemical Society|date = 1976-05-01|issn = 0002-7863|pages = 3383–3384|volume = 98|issue = 11|doi = 10.1021/ja00427a061|first = S.|last = Krishnamurthy|first2 = Herbert C.|last2 = Brown}}</ref>


=== 不斉還元 ===
=== 不斉還元 ===

2019年4月24日 (水) 09:57時点における版

カルボニル化合物の酸化還元による酸化数の変化

有機化学におけるカルボニル還元(: carbonyl reduction)はカルボニル化合物を還元剤によって有機反応である。

典型的なカルボニル化合物としてケトンアルデヒドカルボン酸エステル酸ハロゲン化物などがある。カルボン酸やエステル、酸ハロゲン化物は還元剤の強さによってアルデヒド第一級アルコールに還元される。アルデヒドやケトンはそれぞれ第一級、第二級アルコールに還元される。脱酸素化英語版ではアルコールがさらに還元され、酸素が取り除かれてアルキル基になる。

ホウ素アルミニウムをベースとした金属水素化物は還元剤としてよく用いられる。接触水素化もカルボニル還元のために重要な反応である。水素化物が知られるようになる前は、金属ナトリウムとアルコールの混合物を使う[1][2]ブーボー・ブラン還元によってエステルの還元が行われていた[3][4][5]

カルボン酸とその誘導体、ケトン、アルデヒド、アルコール

ヒドリド還元

反応機構

金属水素化物による還元の反応機構はヒドリド(水素化物)がカルボニルの炭素に求核付加反応しているというものである。いくつかの場合、Li+などアルカリ金属カチオンがカルボニル基の酸素に配位することでカルボニル基の求電子性を高めることで活性化する。

カルボン酸誘導体の還元では、水素化アルミニウムイオンによる還元のあと脱離反応によってアルデヒドが得られる(その後もう一度還元反応が起こり、アルコールまで還元される場合もある)

水素化アルミニウムイオンによるアルデヒドやケトンの還元では反応物がアルコキシドに変換される。還元反応が終了したあと、アルコキシドがプロトン化され、アルコールが得られる。

カルボニル基の反応性の傾向

異なるカルボニル化合物における共鳴構造をもっとも反応性の低い(安定な)極限構造から反応性の高い(不安定な)極限構造まで並べた図

ケトンは立体効果が大きくアルキル基電子を供与して、C=O部分正電荷英語版を安定化するのでアルデヒドより反応性が低い[6]。ゆえに、アルデヒドはケトンより還元されやすく、穏やかな条件・弱い還元剤でも還元される。カルボン酸とエステルは酸素原子が2つ存在するため、孤立電子対からの負電荷の流入により正電荷がさらに安定化される。酸ハロゲン化物はハロゲンの電子供与性が低いので、もっとも不安定である[7]

酸ハロゲン化物、ケトン、アルデヒドは還元されやすい化合物だが、カルボン酸やエステルを還元するには強い還元剤が必要である。

金属水素化の反応性

金属ヒドリドを用いる場合、還元剤の強さは4つのファクターによって決まる。1つは対イオン英語版がカルボニル基の酸素に配位することでどれだけ活性化されるかである。リチウムはナトリウムより小さく求電子性が高いので、カルボニルにより強く配位する[8]MgAlZnなど+2以上の電荷を取れるカチオンもNa+より強くカルボニル基を活性化する[9]

2つめは中心金属が還元剤の強さに与える影響である。アルミニウムはホウ素より大きいのでヒドリドとの結合はホウ素より弱い。このため求核攻撃をしやすく、ボロンヒドリドより還元力が強い[10]。3番目のファクターとして置換ヒドリドにおける立体効果がある。置換基のあるヒドリドはそうでない金属ヒドリドに比べ求核性が低い。例えばトリ酢酸水素化ホウ素ナトリウム英語版(NaBH(OAc)3)はケトンとは反応しないのでアルデヒドの選択的還元に使われる[11]

4つめは基質が還元剤に与える影響である。アセトキシ基立体障害電子吸引性のためトリ酢酸水素化ホウ素ナトリウム(NaBH(OAc)3)の還元を阻害する。シアノ基も還元剤に対して立体障害が大きいが、水素化トリエチルホウ素リチウムなど電子供与基を持った還元剤を使うことで、望まない転位反応が起こることを避けることができる。

この基質効果により、NaBH3CNは通常のpH(>4)で還元作用が著しく低くなる。そのためこの化合物を使って還元的アミノ化を行う場合、下のように反応させるのが望ましい。

カルボニル基とアミンは脱水素化してイミニウムイオン中間体を生成し、これが還元的アミノ化により目的物のアミンとなる。
カルボニル基とアミンは脱水素化してイミニウムイオン中間体を生成し、これが還元的アミノ化により目的物のアミンとなる。

比較的弱い還元剤としてケトンをアルコールに還元する際は水素化ホウ素ナトリウムが一般的に用いられる。これはLAHなどは官能基許容性が低く、ニトロ基やニトリル、エステルなど様々な官能基を還元してしまうからである。またLAHと違いエタノールや水を溶媒として用いることができる点も特長である[12]。LAHやDIBAL-HL-セレクトリド英語版ジボランジアゼン水素化アルミニウムなどの強い還元剤はアルデヒドとケトンの両方を還元することができるが、活性が高いため毒性も高い[13]。しかし、カルボン酸やエステルをアルコールに還元する場合はこれらの強い還元剤が必要となる。

下の表はどのカルボニル官能基がどの還元剤で還元されるかを示している。ただしいくつかの試薬は反応条件に依存する。

カルボニル基と還元剤の反応が起こる組み合わせ
カルボニル基と還元剤の反応が起こる組み合わせ

カルボン酸誘導体からアルデヒドへの還元

金属ヒドリドを利用したカルボニル還元

カルボン酸誘導体からアルデヒドを合成するのは非常に難しい。NaBH4などの弱い還元剤では還元反応がエステルやカルボン酸など比較的安定な化合物は還元されず、LiAlH4のような強い還元剤ではアルコールまで還元されるからである[14]

酸塩化物はアルデヒドやケトンに比べれば不安定であるため、立体障害の大きなヒドリド供与体の存在下でアルデヒドを合成する際に比較的弱い還元剤と反応させると、アルデヒドが得られる。この還元剤としてはDIBAL-Hがよく用いられる。しかし、DIBAL-Hも全てのカルボニル基を還元することができるので、アルデヒドで還元を止める場合1当量の還元剤を低温で反応させる必要がある[15]。LiAl(OtBu)3(LiAlH4tBuOHから合成される)も同様の機構で、還元をアルデヒドで止めることができる[16]

代替法

カルボン酸誘導体の還元をアルデヒドで止める反応として古くから知られているものに、嵩高いヒドリドと反応性の高いカルボニルを利用する方法がある。しかしこの方法は基質の適用範囲が狭く、反応条件に大きく依存する。この反応の代替としてチオエステルを使った福山還元やワインレブアミドを利用したワインレブ還元などがある。またカルボニル基を接触水素化するローゼンムント還元という反応も知られている。

チオエステルの福山還元

福山還元では、カルボン酸がまずチオール類の付加によってチオエステルとなる(エステル合成の反応に類似)[17]。チオエステルはパラジウム触媒下、シリルヒドリド英語版によってアルデヒドへと還元される。

ワインレブ反応では、酸塩化物がまずワインレブアミドに変換され、有機金属試薬と反応させることによってケトンができる。また水素化アルミニウムリチウムと反応させるとアルデヒドができる[18]

ワインレブアミドは求電子的なカルボニルが金属ヒドリドを経由して還元されるのではなく、安定なキレートを経由して還元される。そのためキレートの結合は下図に示すように一度しか還元されない。

ローゼンムント還元は酸塩化物をパラジウム触媒・硫酸バリウムと気体の水素を用いて還元する方法である。表面積が小さいためオーバーリアクションが抑制されている[19]。これより反応性の高い基質を用いる場合、触媒は硫黄を服もものなど毒性の高いものを用いる必要がある。

アルデヒド、ケトンとアルケン

ウォルフ・キシュナー還元の反応機構

アルデヒドとケトンはアルコールだけでなくアルカンまで還元することもできる。この変換反応には強酸性下で起こるクレメンセン還元や強塩基性下で起こるウォルフ・キシュナー還元およびその派生などが含まれる。例えばカリオリティ英語版の開発した反応では、トシルヒドラゾン英語版とヒドリド供与体を利用することで、塩基を使わず穏和な条件下で反応を進めることができる[20]。マイアズによって報告された反応では、置換ヒドラジンをビス(tert-ブチルジメチルシリル)-ヒドラジンと室温下の穏和な条件で反応させ、速くかつ高収率で還元できる[21]

α,β-不飽和カルボニル化合物の反応

エノンとエナールの一例

α,β-還元共役還元)では、エノンエナールなどα,β-不飽和カルボニル化合物が基質となる。

これらの基質を通常の還元剤で還元すると、1,2-還元によってアリルアルコールが生成する反応と1,4-還元によって飽和ケトン/アルデヒドが生成する反応が競合する。シクロへキセノン英語版をNaBH4によって還元すると2つの生成物が想定される。前者が1,4-還元、後者が1,2-還元の生成物である[12]

より立体障害の大きな基質を用いた場合、1,2-還元が起こりやすくなる[12]。さらに、NaBH4CeCl3から合成されるCe(BH4)3をヒドリド源として利用してルーシェ還元を行うとより選択的に1,2-付加体が得られる[22]

1,2-選択的に反応するヒドリド源としてZn(BH4)2も知られている。この化合物はカルボニルの酸素だけでなくその隣接原子にも配位するためジアステレオ選択性が大きい[23]

立体選択性

ジアステレオ選択的還元

シクロヘキサノンの還元においては、ヒドリド源がアキシャル位を攻撃してエカトリアル位にヒドロキシ基がつくか、エカトリアル位を攻撃してアキシャル位にヒドロキシ基が結合したアルコールができる。アキシャル位への攻撃(赤で示した)ではヒドリドが1,3-ジアキシャル相互作用による反発を受ける。一方エカトリアル位の攻撃ではヒドリドは相互作用を受けることがないが、新しくできたアルコールが基質と水素原子が反応中間体ねじれひずみ英語版を受ける(アキシャル位にヒドロキシ基が結合したアルコールのニューマン投影式で下に示した)。

LiBH(Me2CHCHMe)3などの嵩高い還元剤は1,3-ジアキシャル相互作用によってエカトリアル位への攻撃が阻害される[12]。Small reducing agents, such as NaBH4, preferentially attack axially in order to avoid the eclipsing interactions, because the 1,3-diaxial interaction for small molecules is minimal; stereoelectronic reasons have also been cited for small reducing agents' axial preference.[24] Making the substrate bulkier (and increasing 1,3-axial interactions), however, decreases the prevalence of axial attacks, even for small hydride donors.[25]

不斉還元

プロキラルなケトンが還元されると、生じる第2級アルコールには不斉中心が生じる。この立体制御を行う触媒がある。

不斉合成におけるカルボニル還元の例として野依不斉水素化反応(β-ケトエステルをルテニウム/BINAP錯体を触媒として還元する)やコーリー・バクシ・柴田還元BH3プロリンの誘導体であるキラル触媒を利用)などがある

脚注

  1. ^ Moffett, Robert Bruce (1953). "2-(1-Pyrrolidyl)propanol". Organic Syntheses (英語). 33: 82. doi:10.15227/orgsyn.033.0082; Collective Volume, vol. 4, p. 834
  2. ^ "Isoxazole Annelation Reaction: 1-Methyl-4,4a,5,6,7,8-hexahydronaphthalen-2(3H)-one". Organic Syntheses (英語). 53: 70. 1973. doi:10.15227/orgsyn.053.0070 {{cite journal}}: |given1=を指定する場合、|surname1=も指定してください。 (説明); Collective Volume, vol. 6, p. 781
  3. ^ ルイ・ブーボー英語版; Blanc, Gustave Louis (1903). “Préparation des alcools primaires au moyen des acides correspondants [Preparation of primary alcohols by means of the corresponding acids]” (French). Compt. Rend.英語版 136: 1676–1678. http://gallica.bnf.fr/ark:/12148/bpt6k3091c/f1676.image.langFR. 
  4. ^ ルイ・ブーボー英語版; Blanc, Gustave Louis (1903). “Préparation des alcools primaires au moyen des acides correspondants [Preparation of primary alcohols by means of the corresponding acids]” (French). Compt. Rend.英語版 137: 60–62. 
  5. ^ ルイ・ブーボー英語版; Blanc, Gustave Louis (1904). “Transformation des acides monobasiques saturés dans les alcools primaires correspondants [Transforming saturated monobasic acids into the corresponding primary alcohols]” (French). Bull. Soc. Chim. Fr.英語版 31: 666–672. http://gallica.bnf.fr/ark:/12148/bpt6k5469971k/f670.image. 
  6. ^ Roche, Alex. “Ketones and Aldehydes”. ラトガース大学. 2015年12月1日閲覧。
  7. ^ Clayden, Jonathan (2012). Organic Chemistry. OUP Oxford. pp. 200. ISBN 978-0199270293 
  8. ^ König, Burkhard (2009年). “Reduction Reactions”. Modern Methods in Organic Synthesis. Institut für Organische Chemie, Uni Regensburg. 2015年12月1日閲覧。
  9. ^ Cox, Liam (2007年). “Nucleophilic Addition Reactions of Aldehydes and Ketones”. University of Birmingham. 2015年12月1日閲覧。
  10. ^ Sweeting, Linda M. (2001年). “Reducing Agents”. タウソン大学英語版. 2015年12月1日閲覧。
  11. ^ Gribble, Gordon W.; Ferguson, Duncan C. (January 1975). “Reactions of sodium borohydride in acidic media. Selective reduction of aldehydes with sodium triacetoxyborohydride”. Journal of the Chemical Society, Chemical Communications 0 (13): 535–536. doi:10.1039/C39750000535. http://pubs.rsc.org/en/content/articlepdf/1975/c3/c39750000535 2015年12月2日閲覧。. 
  12. ^ a b c d Banfi, Luca; Narisano, Enrica; Riva, Renata (2001-01-01). Sodium Borohydride. John Wiley & Sons, Ltd. doi:10.1002/047084289x.rs052. ISBN 9780470842898 
  13. ^ Chaikin, Saul W.; Brown, Weldon G. (1949-01-01). “Reduction of Aldehydes, Ketones and Acid Chlorides by Sodium Borohydride”. Journal of the American Chemical Society 71 (1): 122–125. doi:10.1021/ja01169a033. ISSN 0002-7863. 
  14. ^ Gaylord, Norman G. (1957-08-01). “Reduction with complex metal hydrides”. Journal of Chemical Education 34 (8): 367. Bibcode1957JChEd..34..367G. doi:10.1021/ed034p367. 
  15. ^ Zakharkin, L.I.; Khorlina, I.M. (1962). “Reduction of esters of carboxylic acids into aldehydes with diisobutylaluminium hydride”. Tetrahedron Letters英語版 3 (14): 619–620. doi:10.1016/s0040-4039(00)70918-x. http://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/S004040390070918X. 
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  18. ^ Nahm, Steven; Weinreb, Steven M. (1981). “N-methoxy-n-methylamides as effective acylating agents”. Tetrahedron Letters 22 (39): 3815–3818. doi:10.1016/s0040-4039(01)91316-4. http://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/S0040403901913164. 
  19. ^ Mosettig, Erich; Mozingo, Ralph (2004-01-01). The Rosenmund Reduction of Acid Chlorides to Aldehydes. John Wiley & Sons, Inc.. doi:10.1002/0471264180.or004.07. ISBN 9780471264187 
  20. ^ Caglioti, L.; Magi, M. (1963-01-01). “The reaction of tosylhydrazones with lithium aluminium hydride”. Tetrahedron 19 (7): 1127–1131. doi:10.1016/S0040-4020(01)98571-0. http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0040402001985710. 
  21. ^ Furrow, Michael E.; Myers, Andrew G. (2004-05-01). “Practical Procedures for the Preparation of N-tert-Butyldimethylsilylhydrazones and Their Use in Modified Wolff−Kishner Reductions and in the Synthesis of Vinyl Halides and gem-Dihalides”. Journal of the American Chemical Society 126 (17): 5436–5445. doi:10.1021/ja049694s. ISSN 0002-7863. PMID 15113215. 
  22. ^ Strategic Applications of Named Reactions in Organic Synthesis (Paperback) by Laszlo Kurti, Barbara Czako ISBN 0-12-429785-4
  23. ^ Greeves, Nick (2015年). “Diastereoselective Ketone Reduction”. ChemTube3D. University of Liverpool. 2015年12月1日閲覧。
  24. ^ Wong, Stephen S.; Paddon-Row, Michael N. (January 1990). “Theoretical evidence in support of the Anh?Eisenstein electronic model in controlling ?-facial stereoselectivity in nucleophilic additions to carbonyl compounds”. Journal of the Chemical Society, Chemical Communications 0 (6): 456–458. doi:10.1039/c39900000456. http://xlink.rsc.org/?DOI=c39900000456. 
  25. ^ Krishnamurthy, S.; Brown, Herbert C. (1976-05-01). “Lithium trisiamylborohydride. A new sterically hindered reagent for the reduction of cyclic ketones with exceptional stereoselectivity”. Journal of the American Chemical Society 98 (11): 3383–3384. doi:10.1021/ja00427a061. ISSN 0002-7863.