「村社会」の版間の差分

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==概要==
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村は本来[[道切り]]などにより外部と区別される空間で、村の成員は生業を行い生活に必要な資源を供給する環境を共有し、寄合を行い祭礼や年中行事を共同で行うことにより統一された意思のもと秩序維持を行っていた。村社会は相互互助的な性質を持つ。農業を中心とした村では水利権、林業を中心とした村では入会権、漁業を中心とした村では漁業権などを村が保ち、再生産可能な水準を保つために機能してきた。これらの権利は古くからの仕来りとして定着したり、収穫祭などの宗教行事とともに安定した産業を維持してきた。
村は本来[[道切り]]などにより外部と区別される空間で、村の成員は生業を行い生活に必要な資源を供給する環境を共有し、寄合を行い祭礼や年中行事を共同で行うことにより統一された意思のもと秩序維持を行っていた。村社会は相互互助的な性質を持つ。農業を中心とした村では水利権、林業を中心とした村では入会権、漁業を中心とした村では漁業権などを村が保ち、再生産可能な水準を保つために機能してきた。これらの権利は古くからの仕来りとして定着したり、収穫祭などの宗教行事とともに安定した産業を維持してきた。
一方で内部には経済的階層や家柄による家格などが存在し、村の秩序維持のための青年組織などが存在した。特徴としては古くからの仕来たりを墨守する傾向があり、異を唱える者・倣わない者に対しては本人や[[肉親]]、更にその者に関わった者まで異端者扱いし、[[差別]]を行なうことがある。これを村八分という。これにより新たにその地域に移住してきた者や流行にとらわれやすい[[若者]]が反発し、古くから住んできた者とのトラブルが後を絶たない。
一方で内部には経済的階層や家柄による家格などが存在し、村の秩序維持のための青年組織などが存在した。特徴としては古くからの仕来たりを墨守する傾向があり、異を唱える者・倣わない者に対しては本人や[[肉親]]、更にその者に関わった者まで異端者扱いし、[[差別]]を行なうことがある。これを村八分という。これにより新たにその地域に移住してきた者や流行にとらわれやすい[[若者]]が反発し、古くから住んできた者とのトラブルが後を絶たない。


==特徴と問題点==
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以下のような特徴を持つ。
以下のような特徴を持つ。
*水利権、入会権、漁業権などの産業上の権益の範囲と一致した広がりを持つ。
*水利権、入会権、漁業権などの産業上の権益の範囲と一致した広がりを持つ。

2019年3月12日 (火) 08:17時点における版

村社会(むらしゃかい)とは、集落に基づいて形成され、有力者を頂点とした序列構造を持ち、昔からの秩序を保った排他的な社会を指す。村社会にはしきたりがあり、それを破ったものには村八分などの制裁が科せられる。そこから派生して、同じような構造を持つ閉鎖的な組織や社会も村社会と呼ばれる[1]

概要

村は本来道切りなどにより外部と区別される空間で、村の成員は生業を行い生活に必要な資源を供給する環境を共有し、寄合を行い祭礼や年中行事を共同で行うことにより統一された意思のもと秩序維持を行っていた。村社会は相互互助的な性質を持つ。農業を中心とした村では水利権、林業を中心とした村では入会権、漁業を中心とした村では漁業権などを村が保ち、再生産可能な水準を保つために機能してきた。これらの権利は古くからの仕来りとして定着したり、収穫祭などの宗教行事とともに安定した産業を維持してきた。 一方で内部には経済的階層や家柄による家格などが存在し、村の秩序維持のための青年組織などが存在した。特徴としては古くからの仕来たりを墨守する傾向があり、異を唱える者・倣わない者に対しては本人や肉親、更にその者に関わった者まで異端者扱いし、差別を行なうことがある。これを村八分という。これにより新たにその地域に移住してきた者や流行にとらわれやすい若者が反発し、古くから住んできた者とのトラブルが後を絶たない。

特徴と問題点

以下のような特徴を持つ。

  • 水利権、入会権、漁業権などの産業上の権益の範囲と一致した広がりを持つ。
  • 長による支配、ボスと子分の上下関係が厳然と存在する。

また、以下のような問題点があり、外部とのトラブルの原因となっている。

  • 所属する「村」の掟や価値観・しきたりが絶対であり、少数派や多様性の存在自体を認めない。
  • "掟"に関与しない世間一般のルールやマナーは守らず、他者にも強要。無法状態と化している。
  • 出る杭は打たれる。長い物には巻かれ、流れには棹を差すべし。寄らば大樹の陰。義理と人情。横並び。
  • 排他主義に基く仲間意識が存在する。
  • 自分逹が理解できない『他所者』の存在を許さない。
  • 同郷者に対しては「自分達と同じで当たり前」という意識を抱いており、自我の存在を認めない。
  • 傍目には異端者に寛容だが、相手を理解しているのではなく理解できるものに「改造」しようとしていたり、特例で見逃されているだけであったりする。
  • 白か黒か、善か悪かといった二極論を好み、中立や曖昧な考えを嫌う。これが「異端者は自分たちを見下している/敵意を抱いている/自分より劣る存在である」といった思い込みを生み、一度こじれた場合の収拾がつかなくなってしまうことが多い。
  • 弱いと規定したものに対しては、陰湿且つ徹底的に圧迫を加える。
  • 構成員は陰口を好む。
  • 有形物のみならず時間や空間に対する共有意識も強く、プライベートやプライバシーといった概念が無い。
  • 事なかれ主義が多い。
  • 噂話に対しては、真実かどうかを追求するより、噂を既成事実にしようとする。
  • インテリが少数であることと年長者の影響力により、「神頼み」のような非常識がまかり通る。

脚注

  1. ^ 村社会”. コトバンク. 2017年9月11日閲覧。

関連項目

事件

作品