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アニメ版第24話でガンダムに対してかけたジェットストリームアタックは2回で、その内容は以下のとおりである。
アニメ版第24話でガンダムに対してかけたジェットストリームアタックは2回で、その内容は以下のとおりである。
* 1回目
* 1回目
# まず、先頭のガイアがサーベルで斬りつける(ガンダムには届かず、ガンダムもサーベルを空振りする)→ガイアは上へ逃げる
# まず、先頭のガイアがサーベルで斬りつける(ガンダムには届かず、ガンダムもサーベルを空振りする)→ガイアは上へ逃げる
# 次鋒のマッシュが空振りして隙を見せたガンダムをバズーカで砲撃(ガンダムは頭を下げて避ける)→マッシュは左へすれ違う
# 次鋒のマッシュが空振りして隙を見せたガンダムをバズーカで砲撃(ガンダムは頭を下げて避ける)→マッシュは左へすれ違う
# 後衛のオルテガがさらにバズーカで砲撃(ガンダムは頭を下げて避け、バズーカを斬る)→オルテガは上へ逃げる
# 後衛のオルテガがさらにバズーカで砲撃(ガンダムは頭を下げて避け、バズーカを斬る)→オルテガは上へ逃げる
# マッシュが背後からバズーカで砲撃(ガンダムはジャンプして避ける)
# マッシュが背後からバズーカで砲撃(ガンダムはジャンプして避ける)
* 2回目
* 2回目
# ガイアが胸部拡散ビームで目くらましをかける(ガンダムは上に逃げる)
# ガイアが胸部拡散ビームで目くらましをかける(ガンダムは上に逃げる)
# マッシュが身をかがめたガイア越しにバズーカでガンダムを砲撃(ガンダムはガイアを'''踏み台'''にしてバズーカを避け、サーベルでマッシュを突き刺し、さらに縦斬り)
# マッシュが身をかがめたガイア越しにバズーカでガンダムを砲撃(ガンダムはガイアを'''踏み台'''にしてバズーカを避け、サーベルでマッシュを突き刺し、さらに縦斬り)
# オルテガが上に跳んで斬りつけようとしたところを、上空でミデアに体当たりされる<ref group="注">ゲーム『[[ガンダム無双]]』では、ミデアおよびマチルダが未登場のため攻撃順がやや異なる。なお、通常の戦闘でもジェットストリームアタックをかけてくる。</ref>
# オルテガが上に跳んで斬りつけようとしたところを、上空でミデアに体当たりされる<ref group="注">ゲーム『[[ガンダム無双]]』では、ミデアおよびマチルダが未登場のため攻撃順がやや異なる。なお、通常の戦闘でもジェットストリームアタックをかけてくる。</ref>


オルテガはミデアの操縦席を[[マチルダ・アジャン]]ごと叩き潰して返り討ちにするが、マッシュを失ったガイアは撤退を命令している。
オルテガはミデアの操縦席を[[マチルダ・アジャン]]ごと叩き潰して返り討ちにするが、マッシュを失ったガイアは撤退を命令している。

2018年10月26日 (金) 07:52時点における版

黒い三連星(くろいさんれんせい)は、 アニメ機動戦士ガンダム』に登場する架空の部隊の名称。ガイア、オルテガ、マッシュの3人によるモビルスーツパイロットチームである。

作中の敵側勢力であるジオン公国軍に所属。ドムに搭乗し、ジェットストリームアタックという三位一体の戦法で主人公アムロ・レイの乗る地球連邦軍ガンダムを翻弄する。

劇中でも、過去のルウム戦役で連邦軍のレビル将軍を捕虜にしたことが語られるが、その後のメカニックデザイン企画『モビルスーツバリエーション(MSV)』などでも過去の乗機や経歴が設定された。また、漫画およびOVA『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では作者の安彦良和独自の解釈も加えられながら、過去からガンダムとの対戦までの姿が描かれた。

解説

制式名称はジオン公国軍のキシリア・ザビ率いる突撃機動軍第7師団第1MS大隊司令部付特務小隊[1]。ガイアを中心に、一年戦争以前に教導機動大隊第2中隊D小隊に在籍していたマッシュとオルテガで構成されている[1]。彼らはその能力の高さから軍内での立場を優遇されていたという[2]。教導機動大隊では ザクIを乗機としており、一年戦争に至るまで数回に渡りメンバーチェンジが行われるが、宇宙世紀0079年に勃発した一年戦争初期のルウム戦役直前よりガイア、マッシュ、オルテガの3人に固定される(このときの乗機は ザクII[1]

彼らはジェットストリームアタックと呼ばれる三位一体の攻撃フォーメーションで地球連邦軍艦隊を攻撃。艦隊の総司令であったレビル中将(当時)の座乗する旗艦アナンケを撃沈し、脱出を図ろうとするレビルを捕虜にした功績からその名をとどろかせることとなる。また、この功績から ザクII S型が与えられている[1]。「黒い三連星」の異名は、このザクII S型以降に彼らの乗機が黒を基調としたパーソナルカラーに塗装されていたことによる[注 1]とも、彼らが着用していた揃いのノーマルスーツが黒であったことによる[3]とも言われる。

宇宙世紀0079年3月、乗機ザクII S型のオーバーホールに伴い、1週間の後方勤務を命令されて古巣の教導機動大隊の特別演習に参加。この際には、動態保存されていた彼らのかつての愛機ザクIが当時のパーソナルカラーに再塗装され、教官機として用意されている[注 2]。その後は 高機動型ザクIIを受領して宇宙で戦績を上げるが、0079年11月には地球のオデッサへ援軍として差し向けられ、ドムが与えられる[注 3]。同月のオデッサ防衛線において、オデッサの後方撹乱を命じられていたホワイトベース隊と交戦し、ガンダムにジェットストリームアタックを破られ、マッシュが戦死。撤退後の再アタックにおいてガイア、オルテガもガンダムに敗れ全滅している。なお映画『哀・戦士編』では一度の戦闘で全滅している。

撃墜スコアは艦船14隻であるが、個人単位では1/3とされて4.6隻となり、ぎりぎり「エース・パイロット」には届かない計算となる[2][注 4]。だが、彼らはあくまでチームとしての戦果を全てとしており、その点に関する不満はなかったという。またフラナガン機関の調査では、彼らは三人共ニュータイプの素養ありとの結果が出ているとも言われる[4]

漫画『機動戦士ガンダム0079』では極めて高い戦闘能力を発揮し、マッシュ戦死後のオデッサ戦でガンタンクやガンキャノンを修理不可能なまでに破壊。ガンダムの片足を破壊し撃破寸前まで持ち込むものの、ギリギリのところでのアムロの反撃とGファイターの後方からの反撃を受け、一歩及ばずに撃破される。

漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では、兵卒から叩き上げた士官准士官として登場。ドズル・ザビが指揮するモビルスーツ開発計画においてランバ・ラルとともにテストパイロットとして携わり、宇宙世紀初のモビルスーツ同士の戦闘「雨の海会戦」も彼らとシャア・アズナブルによって行われる。ラルは昇進した彼らに会ったとき、「あの兵隊やくざどもが士官?」と驚いており、過去の素行の悪さがうかがえる。ただ、兵卒あがりであることが一種のコンプレックスでもあるようで、一時一兵卒に降格されながらも功績により早々に再任官されたシャアに対し、(オルテガは特に)ライバル意識を抱いている。

同作アニメ版でも同様の展開だが、ラルがガイアと面会する場面では驚きつつも和やかな雰囲気が見られる。ガイアに対しては真っ当な軍人として接するが、マッシュとオルテガに対してはやはり兵隊やくざと切り捨てる。

同作では、ルウムにおける乗機は高機動型ザクIIになっている(ただしジョブ・ジョンがルウム戦役の話をするシーンのイメージカットではザクI)。また「ジャブロー編」において、中立地帯でアムロたちホワイトベースのクルーと生身で対峙する場面もあった。後にマッシュを失い、「オデッサ編」で再登場した際には8機のドムで編制された部隊となっている(MSは3機で1個小隊であり、これは定数外の変則的な編制である)。木馬の艦載機(スレッガーのコア・ブースターとセイラのコアファイター)出現の報に勇んで出撃し、撃墜されたセイラの救援に出動したアムロのガンダムと遭遇。復仇の念に燃えて「Wジェットストリームアタック」(ガイアとオルテガを小隊長にした2方向からのジェットストリームアタック)を敢行するが、ニュータイプとして覚醒し始めたアムロの敵ではなく、瞬く間に全機撃破される。

漫画『機動戦士ガンダム MSV-R 宇宙世紀英雄伝説 虹霓のシン・マツナガ』では、レビル将軍の脱出後にその責を負ってグラナダに赴任してきたシン・マツナガ、ランバ・ラルと反目し、3対3の模擬戦を行う。しかし、月を攻撃してきた連邦軍に対しては協力して迎撃戦を行う。

ジェットストリームアタック

ジェットストリームアタックとは、黒い三連星が使用した攻撃フォーメーションの名前であり、もともとは宇宙での対艦船戦闘用に考案されたものである。三者三様に異なる彼らのパイロット特性を、最大限に活かすかたちでフォーメーションが構成されている。

この技の攻撃手順は、まずメンバーそれぞれが搭乗したモビルスーツが縦一列に重なって並び、真正面からみると1機のみが攻撃対象に向かっているように見せかける。そしてそのまま攻撃対象に向かって接近し、1機目が対象に一撃目を加えてすぐさま列から離れ移動、直後に2機目が同様の箇所に攻撃を加える。これを3機目まで実行し、攻撃対象に深手を負わせるというものである。もっとも、これは進入角度を選んで対宙砲火による被弾率を最小限に抑えられる場合(ガンダムはこのとき、ビーム・ライフルを携行していなかった)のパターンであり、漫画『THE ORIGIN』では他に複数のフォーメーションが存在する描写がなされている。

こうした時間差攻撃は、彼らの死後もモビルスーツ戦における古典的な戦術手段として使用されている[5]。また、ゲームブック『機動戦士ガンダム0080 消えたガンダムNT』では、サイクロプス隊がゲルググやザクといった混成の機体群でジェットストリームアタックを行っており、『機動戦士ガンダムUC』においてもトリントン基地攻撃作戦において同様の光景が見られた。

アニメ版での攻撃例

アニメ版第24話でガンダムに対してかけたジェットストリームアタックは2回で、その内容は以下のとおりである。

  • 1回目
  1. まず、先頭のガイア機がサーベルで斬りつける(ガンダムには届かず、ガンダムもサーベルを空振りする)→ガイア機は上へ逃げる
  2. 次鋒のマッシュが空振りして隙を見せたガンダムをバズーカで砲撃(ガンダムは頭を下げて避ける)→マッシュ機は左へすれ違う
  3. 後衛のオルテガ機がさらにバズーカで砲撃(ガンダムは頭を下げて避け、バズーカを斬る)→オルテガ機は上へ逃げる
  4. マッシュ機が背後からバズーカで砲撃(ガンダムはジャンプして避ける)
  • 2回目
  1. ガイア機が胸部拡散ビームで目くらましをかける(ガンダムは上に逃げる)
  2. マッシュ機が身をかがめたガイア越しにバズーカでガンダムを砲撃(ガンダムはガイア機を踏み台にしてバズーカを避け、サーベルでマッシュ機を突き刺し、さらに縦斬り)
  3. オルテガ機が上に跳んで斬りつけようとしたところを、上空でミデアに体当たりされる[注 5]

オルテガはミデアの操縦席をマチルダ・アジャンごと叩き潰して返り討ちにするが、マッシュを失ったガイアは撤退を命令している。

小隊メンバー

ガイア

声 - 政宗一成(テレビ版[注 6]) / 徳丸完(劇場版・特別版[注 7]) / 一条和矢THE ORIGIN[注 8]

リーダーで、髭面の男。階級は大尉。常に攻撃の先頭に立つ役目を担う。自ら先駆けて敵機の技量や能力を分析し、瞬時に有効な手段を判断する。テレビ版第24話でガンダムにジェットストリームアタックをかける際、先頭を切ってガンダムに向かっていくが、乗機のドムはジャンプしたガンダムの「踏み台」にされてしまい攻撃はかわされてしまう(この際に口走ったセリフは有名)。その際にマッシュ機が撃墜され撤退。そして第25話でオデッサ戦の最中、オルテガと共に再度ガンダムに挑むが、オルテガも眼前で倒されてしまう。怒りに燃えてガンダムをGスカイイージーから蹴落とし、上空からヒート剣を振りかぶって襲いかかるが、交錯した際にビームサーベルで機体を貫かれ撃破される。

一年戦争開戦時の一週間戦争では、サイド5方面攻略部隊に小隊で参加し、ジェットストリームアタックにより活躍するが、後の「三連星」のメンバーは揃っていない[1]。同部隊の作戦は失敗し、サイド3に撤退している[1]。その後のルウム戦役において、戦闘指揮を執っていたレビル中将(当時)が乗っていた旗艦「アナンケ」を撃破、そのとき脱出を試みたレビル中将を捕獲し、捕虜とした功績が認められ、ジオン十字勲章を授与されている[要出典]

劇場版第2作『哀・戦士編』では、テレビ版よりも早くアムロ・レイのニュータイプ描写が現れる関係で、ガイアが「ニュータイプ」の存在についてマ・クベに語るシーンや、ガンダムとの対戦ではアムロをニュータイプと認知するセリフが追加され、そこからガイアは2人にジェットストリームアタックを仕掛ける旨を指示する、というように話の流れが若干変更されている。また、ハモンのランバ・ラル弔い合戦と順序が逆転している上にホワイトベース隊との戦闘は2回から1回に減らされ、ガイアは上記24話に当たる戦闘の後にガンダムのビームサーベルに貫かれ戦死している。その最期のセリフも、他の2人への詫びの形から「たった一機のモビルスーツに…(自分たちが敗れるとは)」という意味の言葉に改められている。

『MSV』では「A・ガイア」と表記されるが[6]、漫画『THE ORIGIN』では「ミゲル・ガイア」とされている。最後はオルテガがやられたため、半ば自棄気味にガンダムに一騎討ちを仕掛けるも、一突きを受け絶句しているところに止めを刺されており、1stアニメ版とは違い死に際の描写もセリフもないまま戦死する。

同作アニメ版ではラルと旧知の間柄と思わせる描写があり、モビルワーカー模擬戦の勝敗を冷静に見極めるなどリーダーとしての風格が強調されている。

漫画『MS戦記 機動戦士ガンダム0079外伝』では、主人公フレデリック・ブラウンと出会い、彼をドムのコクピットに乗せてやったりと、好人物に描かれている。また、徳光康之の漫画では国防軍(ジオン軍の前身組織)入隊前日の話が描かれている[要出典]

マッシュ

声 - 永井一郎(テレビ版[注 9]) / 佐藤正治スーパーロボット大戦シリーズ[注 10]) / 戸谷公次戦士達の軌跡ガンダムバトルタクティクス) / 土屋トシヒデ(THE ORIGIN・ガンダムバーサス)

隻眼のメンバー。階級は中尉。中距離戦闘を得意とし、傾向の異なる他の2人の技能を有機的に連帯させる、いわばコンビネーション攻撃の調整役である。第24話でガンダムにジェットストリームアタックをかけた際、2番目にガンダムに攻撃を仕掛けるが、マチルダ中尉のミデアが割って入った際にスキを突かれ、前列のガイア機を踏み台にしたガンダムのビームサーベルによって乗機のドムが貫かれた後、そのまま真っ二つに両断され撃破、戦死する。

第25話ではオデッサ戦の最中に、ガイアはその冥福を祈りつつ、オルテガと共に弔砲としてドムのバズーカを空へ数発打ち上げる。

声優は永井一郎だが、ほとんどセリフがない(ガイアの「思ったよりすばやいぞ! いいな!」の後の「おう!」のみ)。映像でもガイアやマ・クベの陰に隠れるかたちで明瞭に描かれず、ドム搭乗後もガイアやオルテガには度々入るカットインがマッシュにはなかった。

漫画『THE ORIGIN』では、「ルウム編」ではシャアへのあてつけから嫌味を垂れるなど、見た目通りの粗暴な言動をとるが、「ジャブロー編」では怯えるハヤトを見てオルテガを諫めるなど、歴戦の勇士らしい器の広さを見せる。

同作アニメ版ではモビルワーカーの模擬戦でラルと渡り合い、互いに死の危険が迫った恨みで終了後にも殴り合いを演じている。

漫画『MS戦記』は前述の事情でセリフの無かったマッシュが、一言だけとはいえ初めてセリフを喋った作品である。

オルテガ

声 - 二又一成(テレビ版[注 11]) / 仲木隆司(劇場版) / 松本大(特別版[注 12]) / 松田健一郎(THE ORIGIN・ガンダムバーサス)

一番の巨漢。階級は中尉。コンビネーション攻撃の「とどめ」の役を担う。第24話でガンダムにジェットストリームアタックをかけた際、3番目にガンダムに攻撃を仕掛けようとするが、マチルダ・アジャンの乗るミデア輸送機がフォーメーションの最中に突撃を敢行、彼のドムに体当たりされ、攻撃を阻まれる。激昂した彼は、ミデアの操縦席めがけてドムの両手を組んで打ち下ろし、これを撃破。しかしマッシュが戦死したことで2機は後退。その後第25話でガイアと共に再びガンダムに挑むが、Gスカイイージーに乗ったガンダムにビームサーベルで胴斬りにされ敢えなく戦死する。

劇場版ではホワイトベース隊との戦闘は2回から1回に減らされ、オルテガはガイア機と組み合ったガンダムを狙い停止したところを、上空から初陣であるセイラ・マスコア・ブースターの攻撃によって撃墜される。

漫画『THE ORIGIN』では、エリートであるシャアに強いライバル心をいだいており、ルウム戦役後に自分達よりもシャアがマスメディアでの扱いが良いことに激高し、テレビを素手で破壊し窓から放り投げるなど若干三枚目気味なキャラとなっている。セリフによれば、ザクの「ツノ」は、元はシャアのオリジナルであったらしい。最後はアムロのガンダムに敗れ、先に倒されたマッシュに対し無念の思いを洩らしながら散る。

同作アニメ版では、モビルワーカーに搭乗しガンタンク初期型との模擬戦に臨む。各部を損傷させつつも接近戦で見事な操縦を見せ、これを撃破した。

主な搭乗機

時期によって仕様は異なるが、いずれも当初より彼ら独自のパーソナル・カラーともいえる一般機とは異なる塗装が施されていたのが特徴である。特にザクII S型以降に採用した黒と紫を基調としたパターンは、彼らの死後もその栄誉を称えてMS-09の制式塗装に採用されている[注 13]ほどである。パーソナル・マークは『MSV』などでは突撃機動軍のものを使用していたとされるが[7][1]、漫画『THE ORIGIN』では文字通りの黒い三ツ星マークがあしらわれている。

ルウム戦役での搭乗機
彼らがルウム戦役でレビル将軍捕縛の際に搭乗する機体は、各媒体によってそれぞれ異なる解釈がなされている。
  • ホビージャパン』の別冊『HOW TO BUILD GUNDAM』(1981年)ではモデラー勝呂国弘のオリジナルによるザク武装旧タイプがそれに当たるとされた。ザクIとザクIIの中間的な機体とされる。
  • モビルスーツバリエーション(MSV)』(1984年)の設定ではザクII C型であり、その功績によりS型を受領したとされる[1]
  • 『サイバーコミックス01』(1988年)掲載の赤井孝美の漫画『ルウム戦記』では、ザクIであるとされた。パーソナル・カラーで塗装されているように見えるコマもある。
  • ギレンの野望』(1998年4月)のゲーム内のムービーでは、ザクIの頭部をもち、パーソナル・カラーに塗装されたザクIIであるとされた。なお、ゲーム本編では地球侵攻作戦時にパーソナル・カラーを施したザクIに搭乗している。
  • ゲーム『SDガンダム GGENERATION』(1998年8月)では、上記『ギレンの野望』本編登場のザクIであるとされた。この機体はのちに『マスターグレード』(1999年)ほかでキット化されたが、説明書ではルウム戦役後の特別演習の際に塗装された機体であるとしている。
  • 漫画『GUNDAM LEGACY』(2004年)では、モノクロでしか確認できないが一般塗装と同じ塗り分けで、左肩のスパイクが取り外されたザクII C型であるとされた。なお、その後受領するS型のパーソナル・カラーはマッシュの提案によるものとされる。
  • 漫画『THE ORIGIN』(2006年)では、高機動型ザクIIであるとされた。
  • 近藤和久の漫画『機動戦士ガンダム THE MSV ザ・モビルスーツバリエーション』(2011年)でも、高機動型ザクIIであるとされた。
  • 漫画『虹霓のシン・マツナガ』(2013年)では、同作品でのちに登場するS型と同じパーソナル・カラーのザクIIであるとされたが、S型であるかどうかは不明。
IFストーリーでの搭乗機
「もしも三連星がホワイトベース隊に勝利していたら」などというIFストーリーで描かれたゲーム作品では、以下の専用機が登場する。いずれもドムに準じた黒と紫のカラーリングで塗装されている。

その他

  • バンダイホビーセンターにある17台の射出成形機ホワイトベースを模した塗装が施されているが、3台のみドムをイメージした塗装となっている。
  • 黒い三連星をモチーフにしたキャラクターや演出は漫画、アニメ、ゲーム、CMなどさまざまなメディアで数多く制作されている。その多くは「黒いカラー」「3人組」「三位一体攻撃」「相手に踏みつけられる」などの共通性を持つことが多い。ガンダムシリーズでも、『機動戦士ガンダムUC』のロンド・ベルの三連星(トライスター)などが登場している。また、『機動戦士ガンダム』の監督の富野由悠季自身もセルフパロディに及んでおり、アニメ『聖戦士ダンバイン』において「クの国の赤い三騎士」と呼ばれる容貌も似せたキャラクターを登場させている。
  • ゲーム『戦士達の軌跡』では、「もし三連星がホワイトベース隊に勝利していたら」というIFストーリーがあり、レビルを叩け!!(オデッサ作戦)・ジャブロー攻略作戦・ルナツー掃討作戦の3つのミッションが用意されている。ゲーム『ジオニックフロント 機動戦士ガンダム0079』の「闇夜のフェンリル隊」メンバー・ニッキ、シャルロッテ、マニング、レンチェフがゲスト出演し、三連星と共に任務を遂行していく。ジャブロー攻略作戦では同じく『ジオニックフロント』よりマドロック(ガンダム6号機)搭乗のエイガーも参戦する。さらに、ルナツー掃討作戦では再びアムロが登場し、小説版に登場した「G-3ガンダム」を駆って三連星らに戦いを挑む。
  • 2018年平昌オリンピックノルディック複合・個人ラージヒルにおいて、前半のジャンプでは渡部暁斗らを下回る4〜6位だったものの、後半のクロスカントリーで渡部たちを猛追し、結果的にメダルを独占したドイツチームの3人(ヨハネス・ルゼックファビアン・リースレドイツ語版エリック・フレンツェル)に対して、ネット上で『ドイツの黒い三連星』という呼称が広まり、一部報道やNHKラテ欄でもこの表現が使用された(ドイツチームは黒いウェアを着用していた)[8]

脚注

注釈

  1. ^ 資料によっては、ルウム戦役の乗機から黒のパーソナルカラーであったとされる。後述の「ルウム戦役での搭乗機」を参照。
  2. ^ 『マスターグレードモデル MS-05B ザクI黒い三連星専用機』で設定された。
  3. ^ キシリア少将が「ドムを回しましたか? 三連星に」「全て臨機応変にな」と発言しており、三連星の急な人事異動に伴う融通的なMS供与であった事が明言されている。MS戦記 機動戦士ガンダム0079外伝』では、月でドムを受領後にザンジバルで一緒に降下している。
  4. ^ 通常エースの算定は「敵機」の撃墜数で測るが、この時点の連邦軍には航宙機としてセイバーフィッシュなどが存在しているだけであり、そのため「敵艦」の撃沈数で判定するシップス・エースという独自の概念が生まれている。
  5. ^ ゲーム『ガンダム無双』では、ミデアおよびマチルダが未登場のため攻撃順がやや異なる。なお、通常の戦闘でもジェットストリームアタックをかけてくる。
  6. ^ GGENERATION』(F/PORTABLE)、「スーパーロボット大戦シリーズ」でも担当。
  7. ^ 政宗一成が声を担当していないゲーム作品のうち、2012年までの全てのゲーム作品で声を担当。
  8. ^ ガンダムジオラマフロント』『ガンダムバーサス』でも声を担当。
  9. ^ 機動戦士ガンダム vs.シリーズ」でも声を担当。
  10. ^ 「スーパーロボット大戦シリーズ」以降のゲーム作品で、2012年までのほぼ全てのゲーム作品で声を担当。
  11. ^ 松本大が声を担当していないほぼ全てのゲーム作品で声を担当。
  12. ^ 一年戦争』『ガンダム無双』「GGENERATIONシリーズ」(WORLD以降)でも声を担当。
  13. ^ 「ファーストガンダム」制作当時、作画枚数を節約するため、セル画を後の回で再使用するバンクシステムがあり、機体のカラーリングを変更できなかったという制作側の事情もある。

出典

  1. ^ a b c d e f g h 『機動戦士ガンダム モビルスーツバリエーション2 ジオン軍MS・MA編』講談社、1984年4月、190-192頁。
  2. ^ a b 『ENTERTAINMENT BIBLE .39 機動戦士ガンダム 戦略戦術大図鑑』バンダイ、1991年12月、142頁。
  3. ^ 『アニメック16号 機動戦士ガンダム大事典』ラポート、1981年3月、106頁。
  4. ^ 『機動戦士ガンダムII 哀 戦士編大百科』勁文社、1981年9月、247頁。
  5. ^ 漫画『機動戦士ガンダム カタナ』、ゲームブック『機動戦士ガンダム シャアの帰還 ―逆襲のシャア外伝―』、漫画『THE DOG OF WAR U.C.0092』より。
  6. ^ 『模型情報・別冊 MSバリエーション・ハンドブックI』バンダイ、1983年3月、9頁。
  7. ^ 『HOW TO BUILD GUNDAM 2』ホビージャパン、1982年5月、8頁。
  8. ^ “NHKもテレビ欄に「ドイツの黒い三連星」…五輪複合団体、話題ガンダムネタ投入”. デイリースポーツ. 神戸新聞社: pp. 1-2. (2018年2月22日). https://www.daily.co.jp/gossip/2018/02/22/0011008003.shtml 2018年2月23日閲覧。 

関連項目