「燃焼熱」の版間の差分

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== 標準燃焼熱 ==
== 標準燃焼熱 ==
[[標準状態]] (298.15[[ケルビン|K]], 10<sup>5</sup>[[パスカル|Pa]])の理想系において、物質1molが完全燃焼したとき発生する熱量を'''標準燃焼熱'''と呼び、その[[エンタルピー]]変化&Delta;<sub>c</sub>''H''&ordm;で表される。
[[標準状態]] (298.15[[ケルビン|K]], 10<sup>5</sup>[[パスカル (単位)|Pa]])の理想系において、物質1molが完全燃焼したとき発生する熱量を'''標準燃焼熱'''と呼び、その[[エンタルピー]]変化&Delta;<sub>c</sub>''H''&ordm;で表される。


[[炭素]]、[[水素]]、[[酸素]]および[[窒素]]からなる[[分子式]]C<sub>a</sub>H<sub>b</sub>O<sub>c</sub>N<sub>d</sub>で表される化合物の燃焼熱については、その燃焼生成物を[[二酸化炭素]]、[[水]]および[[窒素]]とし以下の反応式で表される。
[[炭素]]、[[水素]]、[[酸素]]および[[窒素]]からなる[[分子式]]C<sub>a</sub>H<sub>b</sub>O<sub>c</sub>N<sub>d</sub>で表される化合物の燃焼熱については、その燃焼生成物を[[二酸化炭素]]、[[水]]および[[窒素]]とし以下の反応式で表される。

2018年8月16日 (木) 10:14時点における版

燃焼熱(ねんしょうねつ)とは、ある単位量の物質が完全燃焼した時に発生する熱量である。普通、物質1モルあるいは1グラム当たりの値が用いられ、単位はそれぞれ「J mol−1」「J g−1」で表される。

標準燃焼熱

標準状態 (298.15K, 105Pa)の理想系において、物質1molが完全燃焼したとき発生する熱量を標準燃焼熱と呼び、そのエンタルピー変化ΔcHºで表される。

炭素水素酸素および窒素からなる分子式CaHbOcNdで表される化合物の燃焼熱については、その燃焼生成物を二酸化炭素および窒素とし以下の反応式で表される。

また、この標準燃焼エンタルピー変化ΔcHºは二酸化炭素の標準生成エンタルピー変化ΔfHºCO2、水の標準生成エンタルピー変化ΔfHºH2Oおよび化合物CaHbOcNdの標準生成エンタルピー変化ΔfHºCaHbOcNdとの間に以下の関係がある。

たとえばメタンの標準生成熱は74.81 kJ mol−1、標準燃焼熱は890.36 kJ mol−1であり、標準燃焼エンタルピー変化は以下のように表される。

主な物質の燃焼熱

主な物質の燃焼熱 −ΔcHº
物質 化学式 式量 −ΔcHº / kJ mol−1 −ΔcHº / kJ g−1
炭素 C(s) 12.011 393.51 32.76
水素 H2(g) 2.0159 285.83 141.8
メタン CH4(g) 16.042 890.36 55.5
プロパン CH3CH2CH3(g) 44.096 2220.0 50.3
ヘキサン CH3(CH2)4CH3(l) 86.175 4163.2 48.3
メタノール CH3OH(l) 32.042 725.7 22.6
エタノール CH3CH2OH(l) 46.068 1367.6 29.7
グルコース C6H12O6(s) 180.156 2803.3 15.56
アンモニア NH3(g) 17.0306 382.6 22.5
一酸化炭素 CO(g) 28.010 283.0 10.1
エチレン CH2=CH2(g) 28.053 1411.2 50.3
アセチレン CH≡CH(g) 26.037 1299.6 49.9
ベンゼン C6H6(l) 78.112 3267.6 41.8

関連事項