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|和名 = '''アメリカナマズ'''<br />'''チャネルキャットフィッシュ'''
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'''アメリカナマズ''' (学名:''Ictalurus punctatus'') は、[[ナマズ目]][[アメリカナマズ科]]の淡水[[魚類]]の一種。英名は'''チャネルキャットフィッシュ'''
'''アメリカナマズ''' (学名:''Ictalurus punctatus'') は、[[ナマズ目]][[アメリカナマズ科]]の淡水[[魚類]]の一種。英名は Channel catfish(チャネルキャットフィッシュ


== 分布 ==
== 分布 ==

2018年8月14日 (火) 17:22時点における版

アメリカナマズ
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
: ナマズ目 Siluriformes
: アメリカナマズ科 Ictaluridae
: アメリカナマズ属 Ictalurus
: アメリカナマズ I. punctatus
学名
Ictalurus punctatus
(Rafinesque1818)
和名
アメリカナマズ
チャネルキャットフィッシュ
英名
Channel catfish

アメリカナマズ (学名:Ictalurus punctatus) は、ナマズ目アメリカナマズ科の淡水魚類の一種。英名は Channel catfish(チャネルキャットフィッシュ)。

分布

頭部

カナダアメリカメキシコの一部に生息。また、チェコルーマニアなどの東ヨーロッパや、マレーシアなどに移入されている[1] 。湖沼や河川に生息。

日本への移入

日本には1971年(1974年説あり[2])に食用目的で移入され、1981年霞ヶ浦にも導入されて定着し、1982年には江戸川の自然水域での増殖が確認された[3]後、利根川水域を中心に分布を拡大した。1994年以降に個体数が激増している[4]琵琶湖でも捕獲された記録がある[5]。2010年までには霞ヶ浦水系、利根川水系、阿武隈川水系、岐阜県下小鳥ダム、宮川[6]矢作川[7]庄内川[8]など。

形態

体長は最大132cm[4]。口ひげは8本。脂鰭を備え、尾びれは中央が切れ込み長大で、横V字型。ニホンナマズ等の属するSilurus属に比べると、口がやや小さく、体型は流線型で各鰭が大きく遊泳力に富んでおり、総じてその姿はギギ等のPelteobagrus のそれに近い。背鰭と胸鰭の主条が極めて硬質かつ丈夫な鋭い棘として発達[4]しているのもPelteobagrus と同様の特徴である。

生態

湖沼や流れの緩い河川の中流〜汽水域に生息する。溶存酸素の不足や水質の急激な変化には耐性が低いが、水質汚濁そのものには大変強い。おおむね夜行性。夕刻から夜間にかけて活動的となり、盛んに遊泳して摂食行動等をおこなう。

食性は雑食で、底生魚類(ヌマチチブ)だけでなくブルーギルや同一環境に生息する魚類全般、両生類(カエル)、底生甲殻類(ザリガニなど)、半底生甲殻類、直翅目(コオロギ、バッタ類)、貝類など[3]を捕食する他、それらの死骸なども積極的に見つけ出して摂食対象とする。こういった食性の幅広さからブラックバス、マナマズ、ライギョといった捕食性肉食魚にも増して非常に貪欲であり、釣り餌として付けられた石鹸に食いつくこともあることが知られている[9]。水深30cmの浅場まで侵入して採餌行動をしている可能性[3]が報告されている。

利用

身は食用にされる。またルアー釣りの対象魚としても知られる。

魚粉として肉骨粉の代わりに畜産(養鶏養豚など)飼料や魚類の養殖飼料や有機肥料として利用される。外来魚駆除の取り組みとして地産地消品として有効利用されている。なお、日本では水産庁の「魚介類の名称のガイドラインについて」によって消費者に分類学上無関係であるにもかかわらず高級魚類の類縁種であるような誤認(いわゆる優良誤認)を防ぐため[10]、アメリカナマズについて「シミズダイ」や「カワフグ」の名称を使用しないことと定められている[11]

外来種問題

養殖池や釣り場から逃げ出すなどして野外に定着したと考えられている。一部の河川では、本種が特定外来生物に指定される直前になって処分する目的で意図的に放流された疑いも指摘されている[12]

日本など移入された地域では、さまざまな在来の生物を捕食することで、絶滅危惧種などに悪影響を与える例が知られている[4]。アメリカでも、在来種の魚類に悪影響を与えている[5]。また、テナガエビイサザアミハゼ類を捕食したり、混獲された本種を漁師が網から取り除く際、棘によって傷つけたりといった漁業被害を引き起こす[12]

そのため日本では、特定外来生物に指定されており、基本的に捕獲や飼育が制限されている。ドイツやニュージーランドでは本種の持ち込みが禁止されている[5]

脚注

  1. ^ Animal Diversity Web, Museum of Zoology, University of Michigan (retrieved 22 Aug 2010)
  2. ^ アメリカナマズの0年魚養成 埼玉県水産試験場研究報告 45号, p.40-46(1986-04)
  3. ^ a b c 遠藤友樹ほか、【原著論文】茨城県北浦の沿岸帯におけるチャネルキャットフィッシュの摂餌特性 水産増殖 Vol.63 (2015) No.1 p.49-58
  4. ^ a b c d 特定外来生物の解説・チャネルキャットフィッシュ”. 環境省. 2010年8月24日閲覧。
  5. ^ a b c 多紀保彦(監修) 財団法人自然環境研究センター(編著)『決定版 日本の外来生物』平凡社、2008年4月21日。ISBN 978-4-582-54241-7 
  6. ^ アメリカナマズの分布、生態、被害の現状 農林水産省 (PDF)
  7. ^ 作川のアメリカナマズ 2008,12 矢作川水族館 (PDF)
  8. ^ 庄内川にアメリカナマズが 第36回魚釣り大会 2010年11月08日
  9. ^ Off-The-Wall Baits for Persnickety Catfish, gameandfishmag.com )(retrieved 22 Aug 2010)
  10. ^ 魚介類の名称のガイドラインについて”. 水産庁. 2013年5月29日閲覧。
  11. ^ 海外漁場魚介類及び外来種の名称例(別表2)”. 水産庁. 2013年5月29日閲覧。
  12. ^ a b 片野 修・佐久間 徹・岩崎 順・喜多 明・尾崎真澄・坂本 浩・山崎裕治・阿部夏丸・新見克也・上垣雅史「日本におけるチャネルキャットフィッシュの現状」『保全生態学研究』第15巻第1号、2010年、147-152頁。 

関連項目

外部リンク

] 環境省